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【長編連載中】クソスキルのせいでハードモードでニューゲームしたref 〜人生はクソゲーの連続だ!〜  作者: 九楽
第五章 幻想の猫王国編

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第百十六話

「はぁ…はぁ…」

「…どうしたの? アル、あんなに急いで?」

「…ノスク…あれ…なんなんだ……」

「…あれ?」

「いっ、いたんだ…。…あれが……」

「…いたってなにが? …あれってなんのこと?」

「ぶっ、無事でよかったぁああー」

「しっ、心配しましたぁああー」

「みっ、みんなも無事でよかった…。でも、いまは…そんなことしてる場合じゃない……。まっ、まずい! あっ、あの音が聞こえる!」

「…ねえ、アル? 下になにがいたの?」

「いいから! みんな、はっ、早く離れろ!」

 穴が空いたところから、ザザザザザッとなにかが這うような気持ちの悪い音が聞こえ、だんだんと大きくなって近づいていた。一瞬、時が止まったかのように静けさが広がったが、黒い噴水のようにうじゃうじゃと尻尾が吹き出し猫達は同時に悲鳴をあげた。

「にゃっ、にゃぁああああー!」

「にゃっ、にゃぁああああー!」

「にゃっ、にゃぁああああー!」

 剣を抜き構えたが、どうやらあの部屋からはでられないようだ。不思議な力が奴らを押し返している。

「とっ、とりあえずは…大丈夫か…」

「アル、なんなの…。あっ、あれ…」

「いっただろ…でたって……。あっ、あれが…きっと…闇の王の尻尾だ…。絶対に近づくなよ…。HPを吸われる…」

「なんで、動いてるの…。封印されてたんじゃ…」

「こっちが知りたいよ…」

「ごっ、ご先祖様もひどいにゃ! もっと、でれないように頑丈に作ればいいのに!」

「……えっ?」

 まっ、まさか、あの床が封印する役割を果たしていたのか? それを僕が破壊してしまったから…。

「アッ、アル、このままじゃ、まずいよ。あいつが外にでたら、とんでもない事になる!」

「……」

 せめて、床が戻せれば…。…って、リカバリー使えばできるじゃないか! …いや、ダメだ。こいつらを押し戻さないと…。

「……アル…」

「どうしたんだ、ノスク?」

「巻き込んでごめんね…。みんなを連れて早く逃げて…。ぼっ、僕がやっつけるよ! うおぉおお!!」

「…まっ、待ってくれ、ノスク! 作戦がある…」

「…作戦?」

 震えながら突撃しようとしているノスクの手を引っ張ったが、あまりの情けなさに力なくすぐに離した。正直、作戦というにはあまりにもお粗末で作戦と呼べるものでは無いが、それしか僕には思い浮かばなかった。

「ああ…。ただ、ノスクが危険なことには変わらない。それでもやってくれるか?」

「…うん」

 その言葉を聞いた後、ドゥラスロールを解除すると、解除分だけMPが少し回復した。僕はアリスから貰ったペンダントを急いでアバン達に手渡した。

「アバン、ルナ…。俺たちが戻るまでに、このペンダントにMPを限界までチャージしてくれ」

「…わかった…」

「…任せてください」

「…ノスク…空間移動はあと何回使える?」

「…一、二回くらいなら……」

 ……最悪の一歩手前か…。

「よし、オーケーだ…」 

 バッグから青白く輝くポーションを取りだして、僕とノスクの体にビショビショになるまでかけた。飲んでも効果があるんだ。かけても多少効果があるだろう。

「うっ、うぷっ…。アッ、アル、なにするの?」

「……気休めだけどないよりはいいだろ? たしか…ここに紐があったような…」

「………もう…嫌な予感しかしないよ…。でも…頑張る!」

 バッグの中から紐を取り出し、僕の体から離れないようにグルグル巻きにした。キッチリと結ばれていることを確認すると、ランプを手に取った。

「…ノスク、準備はいいか?」

「……うん!」

「…よし。……フレースヴェルグ発動!」


 






 言葉を発した次の瞬間、僕は切り裂きながら黒い噴水の中へ突撃した。フレースヴェルグはすぐにMP不足で解除されたが、どうやら体に尻尾はついていなかった。

「…にゃぁあああー!」

「…っ!」

 よし、まずはクリアだ…。

「アッ、アル…。どうするの!? 作戦は!?」

「…こうするんだっ!」

 あの音が近づいているのがわかる。ここまでは順調だ。僕はバッグの中からランプを取り出し、思いっきり下に投げた。

「なっ、なにしてるの!?」

「……あのランプが割れた瞬間に上に戻るんだ。…いいな?」

「うっ、うん…。…って、これが作戦!?」

 …まぁ…これで作戦は終わりだ。これのどこが作戦なんだよ…と笑われてしまうかもしれないが、奴らには意識というものがないことは確認済みだ。だから少なくとも精密な攻撃はできないはずだ。あれはどうやら特定の命令を忠実に繰り返している気がする。まるで…。

「…っぐぁああああ!」

「アッ、アル! 大丈夫!?」

「かっ、顔をだすな…ノスク!」

「でっ、でも!」

「いっ、いいからだすな!」

 数秒後、魔力が切れて奴らが体にへばりつき体に激痛が走った。僕は瞬時に片腕に巻きついた尻尾を剥ぎ取り、思いっきり投げ捨てた。ここからはノスクの盾になることくらいしかもうできない。

「もっ、もう、上に戻ろう」

「まっ、まだだ! ランプが割れるまで…だ」

「戻るよ! これ以上待ってたら、アッ、アルが死んじゃうよー!」

「だっ、大丈夫だ。ぐっ…。そっ、そんな事より…。はぁ…はぁ…。ノスク、そろそろだ…。…かっ、感覚を研ぎ澄ますんだ。おっ、俺は音を聞く余裕も見る余裕もない…」

「うっ、うん…。わっ、わかったよ」

 自身のHPを確認するとHPの減りが遅い。やはり、ポーションはかけても効果があるみたいだ。僕はバッグからポーションを取り出して一気飲みしたあと、自分とノスクにかけまくった。

「…ぐっ!」

 くそっ…。こんなに…ポーション頼みの戦闘になるなんて…。あのゲーム以来だな…。

「…っぐぁあああ! はぁ…はぁ…はぁ…」

 あとは…神のみぞ知るってところか…。

「……割れた! …いくよ!」




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