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【長編連載中】クソスキルのせいでハードモードでニューゲームしたref 〜人生はクソゲーの連続だ!〜  作者: 九楽
第五章 幻想の猫王国編

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第百十五話

 そのうちの一つが僕の右手にボトッと落ちた。ヒンヤリとした感触が、次第に熱くなり、それが痛みに変わっていく。僕はウネウネと動きまわる気持ちの悪いその物体を思いっきり引き離した。

「……うわぁあああああ!」

 腕についていたものを引き離すことには成功したが、それを合図に全ての黒い尻尾が僕に襲いかかってきた。隙間からステータス画面を見ると、痛みと共にどんどんHPが減っていた。

「…まっ、まずい! リカバリー!!」

 HPは減らなくなったが増えてもない。剣を抜き、がむしゃらに尻尾を切り裂いたが、切られた尻尾は床に落ちた後バタバタと動き、しばらくすると尻尾同士がくっつき、また襲いかかってきた。

「くっ、くそっ…。だっ、だめだ!」

 HPを吸い取られるだけならまだしも、全身の力まで抜けてくる。なんとか気力を振り絞って、空を飛び空中へ逃げながら近づいてくる尻尾を切り裂いた。

「…っていうかなんなんだ!?」

 相手のHPを見ると僕のHPを吸ったもの以外は全てHPがなかった。そもそもなぜ動いているのかわからない。

「くっそ…。…離れろ!」

 ここで思考を止めたら僕は死ぬ…。MPはまだ余裕があるけど時間の問題だ。あっさり、スネークイーターを解除するか? でも、なんだ…。このすごく嫌な予感…。ゲーマーの感覚がいってる…。ここで…この場面で解除はしてはいけないと…。

「…ちっ!」

 僕は…僕のゲーマーの感覚を信じる。スネークイーターは解除しない。じゃあ、どうすればいい? フレースヴェルグを使うか? …いや、だめだ。強いがMP消費がひどすぎる。ここで、MPが尽きたらリカバリーができなくなる…。そうなりゃ…アウトだ。ならば…。

「ならば…ドゥラスロールか…」

 ドゥラスロールで突破口を開くしかない。それしか方法はない…。それしか方法はないんだけど…。

「なんとか回復したな…」

 僕が気にしているのは、敵のドレインスピードだ。あの数秒間のドレインでHPが半分近くも減った。もし、リカバリーの発動が数秒遅れていたら、僕は確実に死んでいただろう。

「……くそっ、しつこいなっ…と!」

 今はリカバリーを常に発動しているから、一応は問題ないが、ドゥラスロールのデメリットである最大HPの減少…。これは正直怖い。だけど…。

「…相手のHPがゼロならどうだ…?」

 これが通ればあっさり解決なんだけど…。予想だとかなり厳しい…。まぁ…やってみるしかない! あとは…音声操作での発動に対応してくれれば嬉しいけど…。

「…ステータス! ドゥラスロールワン…発動だ!」

「……了解しました。発動します」

「よし! ステータス…あいつらの中からHPがゼロの魔物の意識を全て奪え!」

「了解しました。……発動します」

 無数の影の弾丸が敵に四方八方に向かって襲いかかった。なんらかの変化を期待していたが、一瞬動きが止まっただけで、敵の動きは変わらなかった。

「…ステータス! 意識が奪えてなっ…。おっと! …ないぞ!」

「解析中…。意識のある者ではない為、発動できません」

「くそっ! ドゥラスロールワンを解除して、ドゥラスロールスリー発動!」

「了解しました」

「…ステータス! あいつがでてこれないような世界一めちゃくちゃ硬い檻を作って閉じ込めろ!」

「了解しました。…発動します」

 ステータスがそう唱えると、今にも割れていまいそうなジャボン玉のような薄っぺらい膜に敵達は包みこまれた。こんなので大丈夫なのかと思った矢先、急にシャボン玉が割れたかと思うと一気に膜が硬質化した。

「うっ、動きがとまった…。はぁ…たっ、助かった…。…ん? あっ、あれは…」

 よくみると自爆した魔物が入っていたダイヤのような鉱石に似ていた。相当硬いようだ。さっきまで暴れまわっていた尻尾が球体の中でぐるぐると回っている。

「後は脱出…。なっ、なんだ!? …急に暗くなったぞ!? ほっ、炎が消えてる! リカバリーまで…」

 なっ、なんで消えたんだ…。 それに、いま…変な音しなかったか? ピキッて…。

「MPがたりません。一分後に破壊されます」

「…はぁっ!? うっ、うそだろ!? …おっ、おわった……」

 …ここまでMP消費がでかいなんて…

。スネークイーターを解除するしかないのか……。

「まぶしい…。なんだ、あの青い光…。まっ、まさか!?」

 光り輝く中にどこかでみた猫のシルエットが浮かびあがった。僕は藁にもすがる思いでランプを持ったノスクの方に叫びながら駆け寄った。

「…ノスク! 早く上に移動するんだー!!」

「アッ、アル! よっ、よかったよぉおおー。ぐっすん…。みんな、心配したんだからね。でも、もう大丈夫…。僕がきたからには…」

「…そんなのいいから!! はっ、早く、やつが!!!」

「えっ、えっ? うっ、うん。じゃあ、僕に捕まってて…。いくよ…」

 ノスクの持った剣が再び青く光ると、瞬きする間に上のフロアに戻った。さっきのトラップ部屋の奥の通路のようだ。なんとか助かったと思いたいところだが、ここから見えるトラップ部屋の床はカッポリと抜け、先ほどの奈落に続いているようだ。





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