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【長編連載中】クソスキルのせいでハードモードでニューゲームしたref 〜人生はクソゲーの連続だ!〜  作者: 九楽
第五章 幻想の猫王国編

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第百五話

「…さて、ここならいいだろ?」

「下手な芝居に付き合ってあげたんだから教えなさいよ!」

「あっ、当たり前だにゃー! …世の中には悪い猫もいるんだ。そんな奴らが襲ってきたら大変なことになるよ!」

 ノスクは僕達に向かって大きな声をだした。僕は軽率な行動をとったことを後悔したが、すでに遅かったのかもしれない。妙な気配を背後から感じた。

「確かにそうね…。私達が悪かったわ…。アルも謝って…。…どうしたの、アル?」

「…いや……」

 なんだろう…。今、変なフラグたった気がする…。

「……話は聞かせてもらったぜ」

 僕が振り返ると僕の身長と変わらないくらいの大柄な黒猫とニ匹の猫がいた。僕達を取り囲むようにゆっくりと近づいてくる。

「…なんの話だ?」

「そっ、そうだにゃ! 僕達はオウネコマタタビの葉っぱなんて持ってないにゃー!」

「そうよ! そんなの知らないんだから!」

 なんで、こいつらはいらない事をいうんだろう…。

「ぶん殴られたくなけりゃ…黙って渡しやがれ!」

 厄介な事になったな…。おとなしく渡せばそれで終わるけど…。…そうか! 空に逃げればいいのか…。

「えっと…二人とも空に…」

「ここは僕に任せて!」

「ほう…。やるってのか…。…いけっ! 子分ども!」

 ノスクが剣を抜いて構えると、親玉はニヤッと笑い、子分たちをノスクに向かわせた。僕はノスクの戦力を少し見てみるか…なんてことを思っていると、舞い踊るような華麗な剣技であっという間に三匹を倒してしまった。つい拍手してしまうほどだ。


「すっ、すごいな…」

「いや…実は…」

「くそっ…覚えてやがれ…! 逃げるぞ!」

 バタッと倒れていた黒猫達は捨てゼリフを吐くと、あっという間に消え去り何処かにいってしまった。ノスクは青い傘のような剣を空に向かって掲げた。

「実は…なんなんだ?」

「実は…この剣のおかげなんだ」

「どういうこと?」

「この剣には三つの能力があって二つは知ってる通り空間移動能力と察知能力なんだけど…」

「うん」

「実は剣を持ってるだけで、僕の意思とは関係なく勝手に戦ってくれるんだ」

「なるほど自動戦闘か…。もしかして、雨の日とかは、すごく強くなったりするのか?」

「いや…恥ずかしい話なんだけど雨の日は逆に弱くなるんだ」

「…ん? なにが恥ずかしいんだ?」

「その…剣の動きに体がついていけなくなるんだ」

 まあ、それはそうか…。自分自身が強くなるってわけじゃないし…当たり前か…。

「…でも、筋トレとかすればいいんだよね?」

 僕がそういうと、ノスクの目からスーッと光が消えて、急にうつむいて小さな声でブツブツとつぶやき、拳を握りしめて下を向いた。なにかまずいことでも言ったのだろうか。

「……ないんだ」

 …ないんだ? …なんていったんだ? もう一度聞き直すか…。

「ごめん。聞こえなかっ…」

「……僕は…僕は…働きたくないんだ!」

「…えっ?」

「……子供の時は毎日修行ばっかりで全く遊べなかった…。兄さんみたいな剣のセンスも、姉さんみたいな魔法のセンスもない僕を何故かこの剣は選んだんだ。正直恨んだよ…。剣に選ばれてからは、更に酷い修行で毎日泣いていた…」

「……」

 なんか…かわいそうだな…。

「でもね…剣に選ばれて一つだけいいことが起きた」

「…いいこと?」

 拳を緩めると、明るい顔をあげた。その顔は悪い意味で子供のように無邪気な顔をしていた。

「毎月、補助金がでるんだ…。働かなくても!」

「……」

「僕は…決めたんだ…。…絶対に働かないって!」 

「……」

 こいつ…クズ猫じゃねえか!

「…でも、このままじゃ…ニャート生活がもうできなくなるかもしれないんだ…。だから…僕は戦うよ! この国…この生活を守る為に!」

 いいこと言ってそうで、全然いいこと言ってないな…。少し同情はするけど…。

「わっ、わかったよ」

「ごっ、ごめん…。軽蔑したよね…」

「いや、気持ちはわかるよ。俺も毎日遊んで暮らしたいからさ…」

「そっ、そうかにゃ!? なら、僕達は種族は違えど、心が通じ合った親友だにゃ! …そういえば、なんて呼べばいいかにゃ?」

 まぁ…働きたくない…その気持ちだけは痛いほど分かる。ノスクは落ち込んでいたが、僕の本心から出た言葉で再び元気を取り戻したようだった。

「えーと…アルってよんでくれ…」

「わっ、私はアリスでいいわ…」

「わかったにゃ!」

「君は…ノスクでいいかな?」

「うん…。さて…そろそろ酒場に戻ろう」

 ノスクは手を振りながら、先頭を元気よく歩きだした。僕達は再び酒場を目指して歩いていると、アリスは小声でつぶやいた。

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