表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
羅刹狩り  作者: HasumiChouji
第1章:絆を断ち切る者(ビラムバー)
8/8

(7)

「おい、何だよ、さっきのアレ?」

 たしかに、教官の言う通りだ。

 真佐木が言ってる事は理屈としては正しいだろう。

 でも……現実問題としては……。

「兄貴達とは齢が離れてたし……そんなに仲が良かった訳じゃないが……それでも、流石に3人全員死んだ後に、調べてみたんだ」

「何をだ?」

「兄貴達の死体には……3人とも……『食われた』人間の特徴が有った」

 おい……。

 どうやら、かなりマズい話をやるつもりらしい……。

「兄貴達は、羅刹に狙われてる人間を守ろうとしたりして、返り討ちに遭った訳じゃないかも知れない……」

「な……何が……」

 俺が「何が言いたんだ?」と言い終わる前に、真佐木は言いたい事の続きを口にした。

「あくまで『ひょっとして』だが……兄貴達を殺した羅刹は『戦士喰い』かも知れない」

「『戦士喰い』、何だそりゃ?」

「私が、勝手にそう呼んでる羅刹だ。ホントに居るかどうかも判らんがな」

 多分、真佐木は……俺に意見を求めていない。

 真佐木は俺に何かを説明してるつもりさえ無いかも知れない。

 単に、自分の考えを整理する際に、その考えを口に出す癖が有るだけだろう。

 同性愛者(レズビアン)である事を隠す気さえない真佐木が、男の俺を話相手にする事が多いのは……おそらくだが、俺が自分の考えを整理する時の相槌役に向いてるからだけだろう。

「座学で習っただろ。羅刹にも好みが有るって……。人間に喩えるなら、ファストフードで満足出来るような奴は『人間であれば誰でもいい』……ちょっとグルメの羅刹は健康に気を使ってる人間を狙う。だが、中間が居ないんだ」

「中間? 何の『中間』だ?」

「そして、1匹だけ極端な個体が居る。伝説の唯一無二の『同族喰い』だ。じゃあ、『ちょっとグルメの羅刹』と『同族喰い』の中間みたいな羅刹は居ないのか? 居ないなら何故だ? 逆に居るなら……どんな人間が好みなんだ?」

「お……おい……」

「なあ……親父さんから何か聞いた事は無いか?『戦士』を『喰う』のを好むような羅刹について……」

「い……いや……でも……」

「この調子じゃ……『戦士』になっても、その手の情報にはアクセス出来ない可能性が……どうしたものかな? わざと後方支援要員に回る手が何か無い……」

「おい、お前さ……」

「何だ?」

「兄さん達の(かたき)を撃つとか……そんな事考えてるのか?」

「いや、さっき言っただろ、兄貴達とは、そんなに仲が良かった訳じゃない、って」

「じゃ、何で……」

「決ってるだろ。()()()()()()

 こいつには、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。そして、こいつの今の表情は……()()()()()()()()()()()()()()()()()()

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ