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羅刹狩り  作者: HasumiChouji
第1章:歪な牙(クータダンティー)
17/22

(16)

 カチャリ……。

 今度の鍵も……あっさり開いた。

 そして……台座はまるで引き出しのように……。

「乾燥剤……あと除虫剤か?……それも、5年とか10年前に入れられたモノじゃないみたいだ」

「誰かが……って、お前の話では、1人しか『容疑者』は居ないが……その人が、定期的に……メンテみたいな事をやってて……そのメンテか……その中に入ってるモノを、お前に引き継がせたかった訳か」

「だと思います」

 養父(おやじ)の指摘に、真佐木はそう答える。

 そして……中に入っていたモノを取り出した。

「油紙か……」

「これで封がされ……どうしました?」

 真佐木が指差した赤い何かを見て……養父(おやじ)の表情が厳しくなった。

「封蝋ってヤツだな。昔の西洋では、溶かした赤い蝋で封筒を閉じて……そして、蝋が固まる前に、判子みたいなモノを押してた」

「それが……どうか……し……ん? この梵字みたいなモノの意味が判るんですか?」

 たしかに、養父(おやじ)の言う「封蝋」には、判子みたいなモノが押してあった。

 判子は単純な形だった。

 (マル)の中に……真佐木の言った通り……字が一文字だけ……。これまた真佐木の言う通り、多分、梵字なのだろう。

「その梵字が、仏教の神仏を表わすモノなら……()()()って神を表わす梵字だ」

 お……おい……。

「つまり……こいつの『おばあちゃん』は……『羅刹』どもに関する、何か危険(ヤバ)い情報を握ってて、その情報を、こいつに受け継が……」

「いい推理だ。でも、お前が想像してる危険(ヤバ)さを遥かに上回る可能性が有る」

「えっ?」

「羅刹天って呼ばれてる神は、日本や中国では、男の神様の姿で絵に描かれたり像に刻まれたりするが……インドでは……女神だったんだ」

「それが……どうかしたの?」

「そして、インドでの呼び名は()()()()()。唯一無二の『(エックスレイ)(クラス)』……()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。そして……よくよく考えたら……()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()……」

「あ……あの……」

 その時、真佐木の戸惑ったような声。

「盛り上ってる所、悪いんですが……余りに酷いオチです……」

「どうした?」

()()()()()()()()()()()()()()

 そう言って、真佐木は、油紙の中から出て来た、古びた大学ノートの中身を俺達に見せ……。

「な……何だ? このミミズがのたくったような……いや、でも、どこかで見た事が……有るような……無いような……」

 養父(おやじ)も戸惑っていた。

 異常に下手な字……では説明が付かない……。明らかに日本語とは違う……そして、アルファベット、ハングル、梵字、アラビア文字……読めはしないが、見た事だけは有るモノも含めて、俺が知っている文字のどれとも違う……たしかに養父(おやじ)が言った通り……「ミミズがのたくったような」字が、延々とノートに書かれていた。

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