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Villains  作者: 吉川 虎
光と影
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影の夢

「クリミナルポリス結成記念日祝典が何者かによって襲撃されました。現在、被害の確認や、避難経路の確保をしています。避難経路の確保が出来次第速やかに避難を行ってください。なお、怪我人や救助が必要な方は、クリミナルポリスまたは警察に救助を要請してください。」

祝典会場にアナウンスが流れている。人々も慌てていて、泣き声や叫び声がそこら中から聞こえてくる。まさに地獄だ。クリミナルポリスは、忙しそうに動いている。その光景を見て楽しんでいると電話がかかってきた。

「こっちの爆弾も完了、第二工程終了。直ちに爆破します。」

明璃の声だ。すると少し遠くから爆破の音が聞こえてきた。どんどん増える叫び声泣き声。これでクリミナルポリスがどれだけ役に立たないかがわかるだろう。俺たちの望む世界にまた一歩近づいた。

「こちら翡翠。爆弾の用意完了。直ちに爆破する。」

俺の声が聞こえたのか周りの人達は絶望した目でこちらを見てきた。そして、どんどん俺から離れていく。すると、近くから爆破の音が聞こえた。この建物もどれだけ持つだろうか。

「こっちの爆弾の用意も終わったよ、爆破しまーす。」

愉快そうな京香の声がスマホから聞こえると、近くから爆破の音が聞こえた。逃げる人達の声と足音がうるさいぐらい聞こえる。可哀想に、避難経路は全て爆破してある。クリミナルポリスはどうやって避難させるんだろうな。

「爆弾の用意完了。爆破する。」

友樹の声が聞こえ遠くから爆破の音がまた聞こえた。すると突然音が全くしなくなった。そして、クリミナルポリスが上から落ちてきた。

「は?」

意味が分からず声を漏らすと、クリミナルポリスはこっちを見て

「お前が首謀者か。」

と言った。きっと、逃げて行った奴らがこいつに教えたんだろう。

「なんの事だ。」

知らないフリをしてとぼけるとクリミナルポリスは

「俺たちのデビューを邪魔するな。」

と言って魔法を使ってきた。大地魔法だろうか。こっちも俺の得意魔法破壊魔法で応戦する。

「仲間は何人だ。」

「知るか。知っててもなんでお前なんかに言わないといけない。」

「わかった。一回戦うのはやめよう。俺は、こういうのは得意じゃない。」

「罠でも仕掛けたつもりか?確かお前今日デビューする東山(ひがしやま) (あお)だろ。得意魔法は大地。歳は17。」

「正解だ。お前の事も教えろよ。俺だけじゃ不平等だ。」

急にそんな事言われても困るが確かに不平等なのは嫌いだ。仕方ない、素直に答えてやるか。

「鬼頭 翡翠。得意魔法は破壊。歳は17。」

そう伝えると蒼はため息をついてからこっちをまっすぐ見てこういった。

「お前は素直で良い奴だ。だから答えてくれなぜこんな事した。」

「……世界をぶっ壊すためだ。」

「は?ぶっ壊すってそれで何が叶う。」

「夢だ。俺たちの夢。」

日本に戻す。それだけが俺たちの夢だ。素晴らしい夢だ。

「世界をぶっ壊す事か。そんな事世界の誰が望む。」

こいつの話に付き合うだけ無駄か。潮時だ。

「話は終わりだ。そこを退け。」

と言い横を通ると蒼は

「逃げるのか」

と言ってきた。意味の分からない言葉に怒りが湧いてきた。逃げるわけない。クリミナルポリスを全滅させる。日本に戻す。世界の在り方を変えて、平等な世界に戻す。なぜ分からないこんな簡単なことが。やはりクリミナルポリスの奴らとは仲良く出来そうにない。

「逃げるわけないだろう。お前なんかが俺にかかってきたとしてもお前は負ける。もっと経験を積んで俺と対等に戦える様になるまで待ってやるよ。」

煽る様に言うと蒼も怒りが湧いてきたんだろう。

「誰がそんな事お前に要求した。」

と低い声で睨みながら言ってきた。でもさっき戦いをやめようと言ったのは蒼が負けるとわかったからだということはすぐにわかった。いや、心で思ってなくても蒼の体がそう言っていた。俺にだって少しは人間らしい心も残っている。いいライバルになりそうだ。こいつは強くなる俺の感がそう言っている。

「次会ったら決着でもなんでもつければいいでも今のお前なら確実に死ぬぞ。」

そう忠告したつもりだったが。彼にとっては、煽りにしか聞こえなかったらしい。俺の不器用な所が嫌な時に出てしまった。

「次会ったらお前を倒す。」

蒼の怒りに燃えた瞳が俺をじっと見てきた。

「肝に銘じておこう。」

俺がそう言うとタイムリミットが来た為明璃の移動魔法で基地に戻った。

「全員無事だね。良かった。」

明璃は嬉しそうに言った。確かに全員無事で戻ってきた。ひとまず安心だ。

「ん?なんか鬼頭嬉しそうだな。」

友樹が少し口角が上がっていた俺に言った。バレたかと思い頷くと、明璃は何があったのかが気になるようで俺に質問攻め攻撃をしてきた。

「わかった!今日が鬼頭くんの誕生日だからでしょ?私はちょっと前に誕生日プレゼント渡しちゃったけど。」

明璃は自慢げに言うと他の3人はそういう事かと納得していた。

「あぁ、本当にいい誕生日プレゼントだ。次のサプライズプレゼントには何が貰えるんだろうな。」

俺は良きライバルの顔を思い出し次の襲撃が楽しみだと心の中で呟いた。

「なぁ次は何をしようか。」

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