光の英雄
次回の話をより分かりやすくする為の話なので番外編として読んで頂けると幸いです。
クリミナルポリスは明日結成から約150年が経とうとしている。みんな沢山の人を守り沢山の人から愛されて150年。やっと明日クリミナルポリスとして沢山の人を助けられるんだ。
東山 蒼17歳は明日正式にクリミナルポリスになる。得意魔法は大地魔法。クリミナルポリス見習いの2年間の修行の集大成とも呼べる。
明日ここでみんなと一緒に。
やっと夢が叶うんだ。
何度も何度も夢見た夢が明日ここで、現実になる。
「東山くん。なんで空なんか眺めてるの?鳥?鳥いた?それとも変な形の雲でもある?」
隣にいた同期の、姫宮 光璃が明るい声で俺に話しかけると俺の見ていた方向の空を見てニコニコ笑っていた。彼女は明るくて、名前の通りキラキラ輝いているような子で、根暗で地味な俺とは正反対な子だ。もちろん強さも別格で得意魔法は光魔法と治癒魔法という、物語の聖女のような子だ。しかし可愛らしい見た目とは裏腹に、その純粋で幼稚園児の様な性格故に時々言動がグサグサ刺さる。いや、そもそも彼女は毒舌だ。普通にグサグサ言ってくる。
「あっ!東山くんにいい事教えてあげるよ。最近東山くんの根暗さに拍車がかかってきてるような気がするんだよね。猫背だし。もっと明るくなりなよ。幸せになれないぞー!」
というように彼女は悪気があるのか無いのかは知らないが毒舌だ。
「そうだそうだ。姫宮を見習え東山。」
この様に光璃の擁護をするのは同じく同期の、来栖 奏叶だ。彼は一軍男子でフレンドリーな俺とこれまた真逆の人物だ。得意魔法は変化魔法で、物質の形や硬さを変化させる厄介な魔法だ。
俺はこの3人でいることが多く理由は単純でグループが一緒だからだ。
「姫宮さん、奏叶、これ以上言うと東山くんがまた拗ねて口聞いてくれなくなるよ。」
そう言って俺を助けてくれたのは、奏叶が連れて来て仲良くなった、綿矢 燈火だった。彼は優しくて人の中心にいるような人物でついでにイケメンな為女子にモテる。性格も良すぎていい意味で親の顔が見てみたい得意魔法は火魔法でよく火で龍を作って戦っている。
「早く行かないと怒られるよ。」
冷たい態度で言ったのは、火口 愛唯だった。彼女は同期で、かなりクールというか冷たい。この前だってみんなで出掛けようってなったのに愛唯だけ行かないと言ったり愛唯の幼なじみの燈火が無理やり連れていくと途中で勝手に帰ったりするような子だ。考えている事がよく分からない。彼女とまともな会話を可能とするのは燈火と光璃ぐらいだろう。しかし強さは文句なしで得意魔法は模写だ。一人で使える魔法では無いが、愛唯自身が相当才能があるようで、自分の強さに模写の精巧さが比例する模写を極限まで極めている。
「おー!愛唯ちゃんが私達に話しかけた!珍しい!明日の祝典爆破でもされるのかな?でもそれじゃあ嫌だよね。せっかくのデビューが台無しだよ。」
光璃は楽しそうにベラベラ喋っていた。彼女はいつでも楽しそうだ。見習わないと。
「爆破なんてある訳ないよ。まぁ、あっても雪じゃない?」
なんて燈火と光璃は冗談交じりで楽しそうに話しているといきなり奏叶が
「女王様がお怒りですよ陛下。」
と燈火の背中を押して言った。愛唯の方に目をやると、愛唯はいつもと同じ表情に見えるが2年間の集大成で少しいつもより眉のひそめ具合が悪かった。
「ごめんごめん」
と燈火は駆け寄り愛唯をなだめると彼女の怒りは収まってきたようだ。
「ねぇねぇ、東山くん。あの2人ってすごく仲良いよね。付き合ってるのかな?」
光璃が耳元でヒソヒソと言った。確かにあの2人の距離は普通より近い。しかし、恋愛経験ゼロの俺からしてみたら限りなくハテナに近かった。そしてそれより女の子に耳元でヒソヒソ話をされる方が付き合ってると勘違いするのでは?と光璃の言動と行動の矛盾にツッコミを入れると光璃は楽しそうに燈火と愛唯を見ていた。
「明日、俺たちのデビュー絶対成功させよう。」
珍しく俺が意気込んだ発言をしたからか、愛唯以外の3人がキラキラした目で見てきた。
「おうよ。絶対成功させて全員でクリミナルポリスデビューだ!」
奏叶の掛け声でみんなが「おー!」と声をあげた。