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『妹の失踪』②

『妹の失踪』②

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「シズが魔法少女だとヴィランにバレた可能性があるのじゃ」


「……え?」


 身バレ!?

 魔法少女の正体がヴィランにバレるって、それ……

 しかも、妹に魔法少女としての力はもう無い。


 もし、ヴィランに狙われたりでもしたらひとたまりも無い。


「……奇襲されたかもってこと?」


「そうじゃ」


 そうじゃって……


 実際、魔法少女への対策としては変身する間も与えずに奇襲するのが正解なのだろう。

 普段は普通に生活をしているのだから、警戒さえされていなければ一般人ですら簡単にダメージを与えられる。

 変身せずとも多少の魔力を使えはするが、魔法少女の状態とは雲泥の差だ。


 頭脳派のヴィランならそう言う手を打って来てもおかしくはない。

 特に妹は魔法少女として活動してある程度経っているし、正面切って戦うのは部が悪いと思われた可能性もある。

 そして下準備をしている間に、当のターゲットである妹が僕に力を渡して魔法少女では無くなっていた、と。


 理解は出来る。

 でも、信じたく無い。

 まさか、そんな。


 あの時、無理にでも断っておけば良かった。

 僕に魔法少女は務まらないって。

 そうすれば、たとえ奇襲されたとしてもなんとか切り抜けられた可能性もあったかもしれないのに。


 ……いや、そこまで下準備をしたヴィランが取り逃す訳無いか。


「そのリスクはシズも承知していた、相応に対策はしていたのじゃ」


 対策……


「その証拠に、今日まで一度も奇襲のようなことは無かったのじゃ。それがたまたま今日実行されるというのも……」


「でも、その可能性はあるんだろ?」


「まぁ、可能性としてはじゃが」


 魔法少女を続けていれば、その正体ってきっとバレる時はバレるのだ。

 変身しても容姿はそれほど変わらないのだし。

 実際、ネットじゃあの魔法少女ってアイドルの〇〇ちゃんっぽくねみたいな情報は結構あって、僕が見たかぎりその信憑性は高い物に見えた。


 僕が見える範囲、表層のインターネットでこれなのだ。

 ダークウェブやら、それこそヴィラン同士のネットワークに置いてそれなりの金額で取引されていても驚かない。

 それぐらい有用な情報であるから。


 僕も気が緩んでいたかもしれない。

 女装姿で家の周辺に近づきたく無いからって理由で、外で変身を解除した。

 人目が無かったとはいえ、絶対に見られてないとは断言出来ない。


 いや、家まで魔法少女姿で帰って来たとしたらそれはそれで特定される訳で。

 ホテルやトイレを使うにしても、後をつけられたらおしまい。

 どんな風に対策したとしても、結局身バレを完璧に防ぐなんて事は不可能なのだ。


 魔法少女って物に対しての認識が甘すぎた。

 妹が急に辞めたいなんて言い出したのも、何かあったからなのかもしれない。


 まぁ、今更そんな事言っても。


 ……いや、


 過去、あの時ああしておけば良かったなんて言ってもどうせ変わらない。

 そんなのは分かりきっている事だ。

 妹はヴィランに襲われた可能性がある、それは今更どうしようもない事だ。


 でも、もう助からないと決まった訳でもない。


 あくまで可能性の話だ。

 そもそも、ヴィランは関係ないかもしれない。

 関係あったとして、手遅れとは限らない。


 襲われたとしても、偶然が重なって逃げれたかもしれない。

 捕まったとしても、殺されるとは限らない。


 妹が居なくなったと早期に気づけた。

 そして僕には救う為の力がある。

 魔法少女にこんなに早くバレるなんて、ヴィランにとっても想定外なはず。


 まだ、生きてるかもしれない。

 希望的観測だって自分でも理解している。

 それでも……


 だから、一刻も早く妹を助けに行かないと!


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