1話/
「――うゎああああっ!?」
覚醒は突然に。深淵に沈んでいた青柳の意識は唐突に現実に押し上げられた。それ以前の記憶から、彼を混乱の淵に突き落とす。
「頭、――ない! 穴、ない!? 血は!?」
自分の後頭部を両手で触り、顔も覆って手のひらを確認する。手には若干の汚れはあったが、鉄の匂いはせずに平然としていた。
「あれ。俺生きてる。なんで……」
なぜ自分自身の生存に混乱するのか。それは、直前の記憶が起因する。
彼の頭に突きつけられた金属の感触。カチリと音を立てる鉄の音。直後に炸裂する火薬が、彼の頭蓋を粉砕する弾丸が疾走する。耳と頭に響く轟音は、彼の体が死を意識するよりも早く蹂躙した。その結果、コンクリートの床に血と脳漿を撒き散らし、視界を赤く染めて彼の人生は閉幕した。
――はず、だった。
痛みはない。けれど、頭蓋を後ろから撃ち抜かれた感覚だけが生きていた。その中で、青柳悟はなぜ自分が生きているのかと疑問が旋回する。
「……っ……ぁ」
近くで人の声がした。青柳があたりを見渡し、このときになって初めて違和感を覚えた。
(どこだ、ここは)
彼の記憶では、最期に見た景色は埠頭に建築された薄暗い倉庫であり、黒い取引に使われている場所だった。最後の局面で白の追っかけ立直を仕掛け、地獄単騎待ちに刺さり無様にも敗北した。その落とし前として拉致られ、手足を縛られた上で射殺されている。
けれど、今いる場所はそこではない。
広さだけ見れば、先程までいた倉庫とそう変わらない。けれど、壁には大きな絵画が飾られ、床は豪勢な絨毯。青柳がいる周りには円形の模様が描かれ、彼はその中心にいた。
話し声は――正面の大きな扉の向こう側。この扉も彫刻による装飾が細かい。いかにも青柳が思い描くヨーロッパといったところだった。
「……ぅ、……、……ぅ」
よく聞き取れないからと、円の外に出て扉に近づく。徐々に近づく扉の先での会話に聞き耳を立てた。
「――だからさ。そこの
辺張(12)と中張牌の浮き牌(5)の選択
他に選択するターツがあるなら辺張払い、聴牌効率ならば浮き牌払い
リャンカンvs両面vs暗刻
例)357m34p333s
3m(7m)払いが一番牌効率が良い
3mの場合567m2345p(7種24牌)
3pの場合3467m4p(5種18牌)
3sの場合46m25p(4種16牌)
2種類のリャンカン
3557m2466p
6p切りはシャンテン戻し
37mぎりはその牌と外側の牌のロスあり
5m切りはリャンカンに加え、外牌を引けば両面変化が強くなる