表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
風魔法使いの兄妹は、王女殿下に恋をする  作者: ともP
第四章:レオン・ステラ
45/47

044. 消滅

◆ 目を覚ますと――、自分の体が地面に横たわっていた。その隣にはレイナがいる。自分の体を俯瞰してみている自分がいる。そして、同じようにレイナも俯瞰している。


目の前のクリスティーナは何かを叫んでいた。


だが、何を言っているのか分からない。

すると、自分の抜け殻の横に誰かが立っていた。


あれは――、誰だ?


紫色の短い髪、綺麗な白い肌をしている。とても美しい女性だった。

彼女はレオンを見て微笑むと、姿を消した。

俺は一体どうなったんだ……。ここはどこなんだ……。


「レオン……、これからどうなるんだろうね」


隣にいたレイナが不安げに話しかけてきた。そんなレイナを抱きしめながら、大丈夫だと囁く。

すると、遠くから足音が聞こえてきた。


バルバロッサが王都の魔物を片付けて戻ってきたらしい。


そして、暫く自分の抜け殻を見ていると、白い光が辺りを包み込んだ。

眩しくて目が開けられない。

光が消えると、レオンの元の体は完全に消滅していた。


「私、レオンに伝えたいことがあるんだけどいいかな?」


隣で自分の体が消滅していったのを確認したレイナがレオンの手を握った。


「あぁ、いいぞ」


「あのね――、」


レイナはゆっくりと言葉を紡いでいく。


「レオンのことが好き」


「ありがとう。俺もレイナのことが好きだ」


「嬉しい……」


レイナの目には涙が浮かんでいた。それを指で拭ってあげる。


「レオン、大好き」


「俺も大好きだ」


二人は見つめ合い、自然と唇を重ねた。それからしばらくして、レイナの体が薄くなっていく。

自分の体も同じように薄くなっていく。


◆ 丘にはレオンの剣と白いローブが残ったまま、それ以外は消えてなくなった。

クリスティーナは一人、丘の上で佇んでいる。


「なぜレオンの剣だけ……。私はまた大切な人を失ったのか……」


剣を拾い上げようとした時、背後から気配を感じた。

振り向くとそこにはバルバロッサが立っていた。


「…………」


バルバロッサは何も言わずに、ただ黙っている。

騎士として、レオン・ステラという人物は尊敬に値する人物だった。

バルバロッサはレオンとレイナがいた場所を見つめながら……。


「レオンは死んだのか?」


「はい……。申し訳ありません」


「お前のせいじゃないではない。それにしても、王女殿下も一緒にか……」


第一王女が死去となると――、国王は間違いなくまた冷静さを失うだろう。

クリスティーナは拳を強く握った。


「この国はどうなるんだろうな……」


「今は考えるのをやめましょう。まずは生き残った人たちの安全を確保することに専念します」


「そうだな……」


「それと……」


クリスティーナは剣を見ながら呟いた。


「この剣は私が預かってもよろしいでしょうか?」


「あぁ、構わない……」


クリスティーナはその剣を預かった。自分には扱えないが……、正当な所有者に渡すべきだと思ったからだ。

その役目は私が担いたい。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ