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風魔法使いの兄妹は、王女殿下に恋をする  作者: ともP
第三章:魔物堕ち
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017. 王都の防衛

◆ 都市フォーリナーは、魔物が取り囲むように陣を引き、人間を見つけると襲いかかっていた。


ゴブリンの群れが建物を破壊しながら進んでいる。そして、オーガがそれに続くようについていく。サラとティナはそれらを討伐しながら前に進む。


「さすがに数が多いね」


「そうですね。これではキリがありません」


「とりあえず、魔物を片付けないと街の中に入れないし、なんとかしないとね」


「そうですね」


サラは、剣を抜いて一番多く魔物がいるところに突っ込んだ。ティナもそれに続いてレイピアを抜く。そして、サラは近くにいた魔物を次々と斬り倒していく。


「はあっ!!」


ティナも負けじと魔法とレイピアの組み合わせで応戦し、魔物を駆逐していく。


サラとティナは互いに背中を預けながら、着実に魔物の数を減らしていく。しかし、いくら倒しても魔物が次から次へとやってくる。


「やっぱり、キリがないですね」


「これは魔法で一気に殲滅するしかないと思う」


「そうですね。でも、これだけの数を一度に相手にできる魔法なんて……」


「あるじゃない。ほら、あれよ」


ティナは、ニヤッとした表情を浮かべていた。その表情を見て、サラはため息をつく。


王家に伝わる魔法がある。闇魔法を打ち消すために王家が使っていた高位の魔法だ。サラは、その魔法をとある理由でつかうことができるが……、本来この魔法は王族のみが使用できる魔法。


使用すれば、力を抑えない限り、街をひとつ潰すことくらいは簡単にできる。

ティナは確か……、制御することができないと言っていたが。


「はぁ……、結界は私が作りますので、気が済むままにやってください」


「ありがと、サラ」


ティナは、詠唱を始めた。すると、上空に大きな魔法陣が現れた。


「我は、神の名のもとに命ずる。神の裁きをここに示せ」


魔法陣から光の矢が降り注ぎ始める。サラは出来るだけ建物と自分たちを取り込むように結界を作った。光の矢は輝きを放ちながら、魔物たちを貫いていく。


相変わらず、ティナの広範囲魔法は圧巻とさせられる。サラはここまで大きく展開をしたことがないので、そんな威力を出したことがない。


光が止んだ時には――、近辺に魔物の姿は跡形もなくなっていた。


「ふぅー、終わったみたいだね」


「ええ、そうですね」


「わー、魔石がいっぱい落ちてる」


ティナは嬉々として魔石を拾い始めた。


「ちょっと、ティナ様! 荷物になるので程々にしてくださいよ?」


「大丈夫だって、そんな心配しないで」


サラは、ティナの行動が不安で仕方がなかった。それからしばらく経って、ようやくティナが満足したのか魔石の回収をやめた。都市内部は兵士と冒険者がなんとか立て直して防衛に成功していた。


「もう十分ですか?」


「うん、これだけあれば十分かな。魔法の研究にもなりそうだし」


「そうですか、それなら良かったです」


「次は龍の巣ね」



◆ その頃、王都では冒険者ギルド本部が緊急依頼を出し、騎士団は王都フォーリナーに向かっていた。そして、バルバロッサとクリスティーナは特別任務を受け、龍の巣に向かった。


「団長、これは一体……」


「分からん。だが、大量の魔物がいるな」


「ですが、こんなに多くの魔物が現れるとは……」


「ああ、俺も驚いてるよ。なんにせよ、今は早く向かわなければならん。このままだと、王都もかなり危険に晒されることになる」


「はい!」


バルバロッサとクリスティーナは馬を走らせ、目的地である龍の巣へと向かった。

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