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エピローグ「ありがとうございました! ではまた!」

「それでは諸君! 本日の配信は以上である! ありがとうございました! ではまた!」


 私は配信終了ボタンをクリックして今日の配信を終える。


「ん〜……よし! 今日もお疲れ! 我が輩!」

 

 私はひとつ伸びをしてがんばった自分を労い、イスの背もたれに身体を預ける。キシィと軽くきしむ音はするが、しっかりと私の身体を支えてくれる。奮発していいイスを買ってよかった。配信環境を整えるのは大事なことだ。


「さて、ログアウトログアウト」

 

 私は錫色れんがのヨーチューブアカウントからログアウトする。

 そして“自分のヨーチューブアカウント”にログインして、自分のチャンネルの状況を確認する。


「チャンネル登録者数は……1人(ひとり)


 私は自分のチャンネルの登録者数に目をこらす。

 錫色れんがとして活動を開始する前に、自分のチャンネルは更新終了のお知らせをして、それ以降の配信は行っていない。


 その結果、チャンネル登録は解除されてチャンネル登録者数は1人にまで減った。そして0人になったら全ての動画を非公開にする予定だった。──のだが、なぜかこの最後の1人が一向にチャンネル登録を解除する気配がない。


 まあみんながみんな、もう見なくなったチャンネルの登録を解除するわけではないから、0人にならなくても不思議ではない──のだけれども。


「最後の1人……心当たりがあるようなないような……」


 私は先日、要に「もう自分のチャンネルで配信はしないんすか?」と聞かれたことを思い出す。その時は深く考えず「今のところ予定はないかな」と答えたわけではあるが。……まあ、うん、答えは闇の中だ。それよりも──。


「自分のチャンネルで配信か」


 私は考える。錫色れんがとして活動を続けてきた今の私なら、しゃべりも上手くなっているだろうし、もしかしたらいい配信が出来るかも知れない。


 ……いや無理か。私が配信ではしゃげるのは、あくまで錫色れんがでいる時だけだ。むしろ今、自分のチャンネルで配信なんかしたら、私の中でのギャップが激しすぎて前以上にしゃべれない自信がある。えっへん。どうだ、すごいだろう。


「えーっと、ゆるちゃん先輩の配信は──22時からか」


 私は思考を切り替え、登録しているチャンネルの通知を確認する。

 今日はゆるちゃん先輩のASMR配信があるのだ。今は20時ちょいすぎだから、配信開始は2時間後だ。

 

「よし、じゃあお風呂入ってきちゃお──っと、その前につぶやきつぶやき」


 私は浮かせた腰をイスにおろしスマホを手に取る。

 そしてタムッターで今日の配信ご視聴感謝のつぶやきをする。

 初配信のあとはなんてつぶやくか迷ったものだが、もう配信後のつぶやきにも慣れたものだ。


「──よし、っと。これにて今日も無事終了。さーて、お風呂お風呂〜」

 

 私はやるべきことを全て終えイスから立ち上がる。

 配信は上々。お風呂は極楽。ゆるちゃん先輩のASMRはまさに至福。

 そしてそのまま朝までぐっすり夢の中。うむ、実に素晴らしい。


「ふんふふ〜ん」

 私は鼻歌を歌いながらスキップをしてお風呂場へと向かう。

 

 私、杉並和泉、そしてVチューバー錫色れんがは、今日も最高の一日を満喫するのだった。



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