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3 VRゴーグル、起動!

……ごめんなさい。


許して。


( ˘꒳˘)


「とうちゃーく!!」

「はぁ…はぁ……、や、やっとついた……」


学校の帰りに菜々美に連れられ、菜々美宅へとたどり着いた陽菜。

菜々美の家は学校から徒歩5分圏内にあるのだがピンピンしている菜々美とは対称的に陽菜はぜぇぜぇと息を切らしている。


「さぁさ、上がって上がってー!」

「な、菜々ちゃん……お、おじゃまします……」


菜々美に背中をグイグイ押されて家に入る。

疲れていても人の家に入る時には礼儀正しく!


「ひなが家に上がるのも久しぶりだねぇ」

「いや……春休みの時、来たよね……?」


今、菜々美の家には誰もいないようで、2人の声がよく聞こえる。

2人で雑談を繰り広げながら階段を上がり、菜々美の部屋へとやってくる。

菜々美が部屋のドアを開けると、その先には……。


「……な、なにこれ?」

「これが『VRゴーグル』だよひな君!!」


白く、滑らかな曲線を描き天井から注がれる光を反射するソレ。

大きめな楕円形(だえんけい)のソレには青い光を放つ1本の線が引かれており、それがアクセントとしていい味を出している。


……これが、VRゴーグル……!


「……SFチックだぁ」

「シンプルだけど、かっこいいでしょー?」


陽菜はVRゴーグルと聞いた時、水泳のゴーグルを思い浮かべていたのだ。

まさかこのようなスター○ォーズとかに出てきそうな近未来的な物だとは思っていなかった。


「結構重いねー……」

「重量は1キロもないよ……?」


陽菜はこのゴーグルを持った際、10キロはあるのではないか……?と思ったのだが。

実の所この最新の機種は1キロにも満たない程の軽さ。


またまた陽菜の非力さが……。


「ま、陽菜が非力なのは周知の事実だから……」

「私そんなに力ないんだ……」


しょげる陽菜。


「まぁそんなことより……」

「……うん?」


菜々美は陽菜の後ろに回り込み、こう述べる。


「今日は金曜日、明日は土曜……何が言いたいか……分かるね?」

「……お泊まり?」

「イグサクトリー!!」


泊まっていって、遊ぼう?

と。


「ちょっと待っててね、お母さんに連絡するから」

「わーい!」


喜びを露わにする菜々美。

その姿を見て、心が暖かくなった陽菜であった。


「とりあえずお母さんからOKでたよー」

「俺の勝ち!」

「なんも戦ってないよ……?」


親からの許可が降りたと聞いた菜々美はすぐさま陽菜のお泊まりの準備を始める。

小さい頃からの付き合いなので、菜々美宅には陽菜の服もなぜだか置いてあるのだ。


「とりあえずお母さん帰ってきたらご飯だから、それまでゲームの準備しちゃお?」

「ゲームの、準備って?」

「ゲームの準備とは……これも説明するよりやった方がいいかなー」


そう言われ陽菜はVRゴーグルを手渡される。

ずっしり……と、1キロにも満たないゴーグルに重量感を感じる陽菜。


「それを頭に付けて、『起動』って言ってみて!」

「頭……お、重い!……アイタ!」


頭にゴーグルをつけたことにより、あまりの重さに後ろ向きに倒れる陽菜(重量1キロ以下)。


「うぅ……き、『起動』……?」


陽菜がそう口にすると、ゴーグルから何やらメカメカしい音がなり始めた。


『ノスタルジア社:VRゴーグル製造番号0003:起動音声を確認しました、起動を開始します。』


青い1本の線から眩い青白い光が放たれる。


『内蔵されているアプリケーションは『フリンフィニティ・ワールド』のみです、起動しますか?』


陽菜の目の前には『フリンフィニティ・ワールド』というタイトルロゴとともに青々とした草原や街が広がっていた。


「な、なにこれ菜々ちゃん!?」

「これがVRだよ、ひな!!凄いでしょ!?」


初めて見る、圧巻の光景に興奮を隠しきれない陽菜。

すっかり起動することなんて忘れてしまうほど、見とれていた。


『シャットダウンまで後10,9……』


「わわっ、この後どうすればいいの!?菜々ちゃん!?」

「それは『はい』とか、肯定を示せばいいんだよ!」

「わ、わかった!……『はい』!!」


『『フリンフィニティ・ワールド』を起動します』


途端、陽菜の目の前は真っ黒に染まり、音も段々と遠ざかっていった。


「……ひな、VRの世界へようこそ!」

長めにしました……。


( ˘꒳˘)

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