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謝罪会見

 ある日、某動画サイトに一本の動画が投稿された。


 タイトルは"Vtuberの本気"。

 そう、サイト運営からセンシティブ認定を受けた例の動画の切り抜きである。


 あの動画は一度削除されたものの、何者かの手によって後日再アップロードされ、今もなおネットの海を彷徨っている。


 何度消されてもゾンビのように復活することで動画は結果的に多くの人の目に留まることとなり、俺の知名度は"知る人ぞ知るVtuber"から"知らないけど見たことはあるVtuber"へと格上げされた。


 



《……すきだよ、おにいちゃん》




《ゆうとけっこんしよう》





 以下、動画コメント。


【決まってんだろぉおおおおおおおおおおおおおおお!!!!】


【しゅるぅううううううううううううう!!!!】


【お兄ちゃんに任せなさぁああああああああい!!!!】


【ぁあああああ!!!! 耳がぁ!! 耳が幸せぇえええええええ!!!!!】


…………


【怖すぎだろw】

【他の動画に類を見ない荒れっぷり】

【てかセンシティブ認定で草】

【告白しただけでされる逸材】

【ワンチャン未成年だと思われたのかも】

…………


【ロリコンに目覚める動画】

【俺もこれにやられたわ】

【女だけど"おねえちゃん"ver.まだ? あと"おねえさま"も可で】

【アッ】

【ペドネキ発見……】

【所々で散見されるの草】


…………


【ロリコンじゃないから別にって感じ】

【でも結婚したらルルミのお兄ちゃんだよ】

【え、マ? するわ】

【潔いクズww】




 その結果……。




「みなさん、おはこんばんわ、夜来ユウです。今日はカノン先輩のチャンネルにお邪魔しております」


《……ですわ》


【このノリは一体?】

【何で正座?】

【謝罪会見か】


 画面には床の上に正座した俺とカノン先輩のアバターが暗がりの中でスポットライトを浴びる姿が映し出されている。


「本日は、先日の件について皆様にお詫び申し上げたくて参りました。私、夜来ユウと二条院カノンは、前回のバレンタイン企画を二人で崩壊させた事を大変悔やんでおります」


《おりますわ……》


【何やったんだっけ?】

【片方コメント封鎖】

【片方炎上】

【あれはよく燃えたなww】

【火事と喧嘩はVの華】


「今回の件についてしかるべき罰を受ける所存です」


《ですわ……》


「つきましてはお詫びの印に、皆様に今から罰ゲームを決めていただきたいと思います」


《ですわ……って、嫌ですわ!?》


《はい、ということでお待ちかね、罰ゲームの時間がやって参りました! みんな〜行くぜぇえええ!!!》


《はぁ、結局こうなんのか》


《あはは……》


 次の瞬間、暗がりにパッと明かりが灯ると、そこにいたのは雄叫びをあげるホノカ、腕組みして仁王立ちするルルミ、困ったように苦笑いを浮かべるマリモ先輩という前回のコラボ企画の面々だった。


【待ってましたぁあああ!!】

【本 編 開 始】

【こうなるの知ってたわw】


「今回の司会進行はホノカさんです……」


《日頃の恨みを晴らす時が来た! 今日は私が代理で指揮を取るわ! とことん痛めつけてやるから覚悟しなさいよユウ!!》


「くぅううう……!!」


【ゆうちゃああああああん!!】

【お兄ちゃん来たよぉおおおお!!】

【ママァぁあああああああ!!!】

【ぁああああああああ!!!】

【世紀末】

【限界増えてね?】

【例の動画から流入した模様】

【落ち着け、お兄ちゃん】

【兄何人いんの……】




【GOOOO!!】


 てなわけで屈辱の罰ゲーム、開始。

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[一言] さて、どんな罰ゲームになるかな
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