結果発表!!!
歌い終えた俺は肩で息をしながら額の汗を手で拭う。
「ふぃ〜〜。やりきった〜〜……」
《……は、はい! 拍手〜〜!!!》
【何が起こったんだ】
【は??】
【コメント変わってないw】
【なんか知らない歌聞かされたんだけど】
【ほぼ別の曲】
【原型留めてない】
【what's??】
【外人たちも困惑してるわ】
「ふぇええええん!! ごめんなざい!!」
《な、泣かないでよユウちゃん! ほら皆も何とか言って!》
【えー】
【そんなこと言われてもな】
「許してぐださい何でもしますからぁあ!!!」
【えっ】
【今なんて?】
【ima nandemo surutte……】
【↑お前日本人だろww】
【国籍詐称】
《ちょ、ちょっとユウちゃん! 迂闊にそんなこと言ったら……!》
【何でもするって言ったよね?】
【安定の流れ】
【言葉には責任を持たないとな?(ニチャア……)】
【みんなキモい笑み浮かべてんな】
【この子のファンなんか怖いわ……】
「えっ、そ、それは……」
《も〜! だから言わんこっちゃない!》
【バカ】
何か見覚えのあるコメントが……。もうここまで来たら覚悟を決めるしかない。ヤケクソになった俺はリスナー達の要求を受け入れることにする。
「わ、分かった! どーんと来い!」
【開き直ってて草】
【総員突撃!!!】
【今だ! みんな書き込めぇえ!!】
【what's happen!?!?】
途端に凄い勢いでコメントが流れ始める。これ大丈夫かな。鯖落ちしないことを祈る。
「こ、これどうやって選ぼう……?」
《もう私に任せなさい! 適当に選んだげる!》
<< 命令: 3分間語尾にニャンをつけて喋る >>
【うわ寒】
【これ書いたやつ誰?】
【お前じゃね】
【俺。】
【いや俺】
【it's mine】
え、普通に嫌だ。
自分のそんなん聞きたくもない。
【早よなんか喋れや】
【みんな待ってんぞ】
《ユ、ユウちゃん。頑張って?》
「……にゃん」
【駄目。やり直し】
【もっと感情込めろ】
【感情とは……?】
【何を込めんだよ】
【ルルミへの愛情】
【↑天才か】
【↑hentaiの間違い】
「え〜やだ」
【平気平気本人いないし】
【今しか言えないこと言えよ】
【これは俺得な展開】
「ル……ルルミぃいいい愛してるにゃああああああああん!!!!」
【あぁあああ死ぬ】
【尊い】
【今多くの人々が救済された】
【俺、今ユウちゃんのファンになるって決めたわ。】
【……バカ】
「にゃあああああん!?!?」
【どうした】
【急に吠えるな】
【音割れしてたぞ】
《巻きで行くわよ! はい次!》
<< 命令: 今から俺のことを"パパ♡"と呼ぶ >>
【犯罪者あらわる】
【誰やお前】
【これ元々何だったっけ?】
【歌配信。。。】
「……パパ〜、にゃんにゃん♡」
【ぐあああぁぁぁ!!!】
【死者多数】
【昇天しました】
【成仏してクレメンス……】
【YES】
【OH YES】
【Jeez.】
【my waifu】
【ecchi】
【海外勢www】
【どうしたコイツら】
【新型ロリコンウイルスに感染したんだろ。そっとしといてやれ】
《あ、あのもう良いかしら? そろそろ時間が押してるんだけど》
「うん、ごめんなさい。にゃんっ」
《あ、可愛い……じゃなくて! 歌の採点に戻るわよ!!》
「は〜いにゃん♡」
採点ルールは簡単。機械がつける点数に視聴者がつけた点数を集計して加算し、合計で高い方がどちらかを競う。仕組みはシンプルだが意外と手の込んだ付け方だ。
《今、特設サイトを用意したわ。そこで私とユウちゃんのどちらかに一人につき一票だけ投票出来るようになってるから。下にあるURLからみんな飛んで押してきてー!》
「みんな行ってくるにゃーん♡」
【もう何が何だかww】
【訳分からんくなってきたw】
【お前らは行かねえの?】
【行くに決まってんだろ!】
【任せなさい! ユウちゃんはおじさんが勝たせてやる!】
【いやあの歌でホノカが負けるとかありえんくない?】
【誰も聞いちゃいない。】
【VOTE! VOTE! VOTE!】
【GO. 】
《さ、さぁ! 機械の採点結果はこちら!》
<<羽咲ホノカ : 99点>>
<<夜来ユウ : 62点>>
【無 慈 悲】
【機械に空気は読めない】
【いや、本番こっからだろ】
【行くぞお前らぁあああ!!!】
画面四隅にワイプで表示された特設サイト上では、ホノカの総得点を表す赤いバーと俺の総得点を表す青いバーが並び立っており、投票前の段階では当然ホノカの方が圧倒的にリードしている。ここからどのように変わるかが見ものだ。
「さぁ! 投票開始だにゃ〜〜ん♡!!」
【うぉおおお!】
【みんな行けぇええっ】
【押して押して押しまくれ!!!】
【いや一人一回ずつだからw】
【話聞いてなくて草】
【あれ……青、異常に強くね………?】
サイトでは序盤は赤が優勢だったものの、投票を始めてからは急激に青の勢いが増して行き、その伸びは留まることを知らず遂に赤の総合得点を追い越した。
【何が起こった】
【夜来ユウって言うほどそんな有名ってわけでもないよな?】
【少なくともホノカよりマイナー】
【じゃあこの結果は一体……?】
【hey bro, come on】
【my waifu】
【ecchi anime】
【honey・・・!】
《ま、まさかアンタ、海外を味方に!?》
「パパたち〜ありがとにゃ〜ん♡」
《今すぐ中止しなさい! 不正投票は全部無効よ!!!》
【悪夢だ……】
【これはアカン】
【この光景去年どっかで見たぞw】
【あれもう一年前か】
【時間経つの早いな】
「結果発表出たにゃん!!!」
《どっち!? どっちが勝ったの!?》
<< 結果発表!!! >>
<<羽咲ホノカ : 約21,200点>>
<<夜来ユウ : 約33,600点>>
<<< 夜来ユウWIN!!!>>>
「やったにゃああああん♡!!!」
【おぉおおおお!】
【すげぇええええ!!!】
【まさか勝つとはw】
【歌の時点で全く予想がつかない】
【YEAHHHHHHH!】
【WE WON!】
【yes!!!!!! yes!!!!!!!】
【ありえん……】
【今、正義が捻じ曲げられる瞬間を見た】
《いやぁあああああ!!! ありえない!! こんなのあり得ないわ!!!》
「勝負は勝負にゃん。ということで私からのお願いは『しばらく配信名義を"ホノカ婆"にすること』だにゃん♡」
《それだけは止めなさいよぉお!!!!》
【あ〜騒いだ騒いだ】
【今日死ぬほど笑ったわ】
【配信時間長かったなー】
【コラボまたやって!】
【what's happen?】
【next?????】
【nice vote.】
「みんなお疲れさまにゃ〜ん♡…… ほら、ホノカちゃんも一緒に」
《くっ! 覚えてなさいよ、ユウ!》
「またねーーー!!!」
《またねーーー!!!》
【乙!】
【お疲れ様〜〜!】
【またね〜!!】
【おつー!】
【see you again!】
【good bye!!】
【次回も楽しみにしてるぞ!!】