第三話 魔王になる血
【第三話 魔王になる血】
もう一度眠りに就こう。
「魔王様もう朝ですよ。とりあえず三点倒立しながら寝るのやめてください。ミンミン。」
「俺三点倒立するくらいの寝返りはしないんだが…」
「なかなか起きないので三点倒立させました。ミンミン」
「あんたかい!!」
てか誰だよてめぇ……
それより確か俺は自分の家で寝ていたはず。
周りを見るとそこは王宮のような広い部屋だった。
窓の外見ると月が3つあった。やはりこれは夢か。
「我らの主、魔王様のお目覚めお待ちしてました。ミンミン」
「図が高い…じゃないわ!!!」
思わずノリツッコミしてしまった。
「てかそろそろ話しの整理していいか」
「はい。どうぞ聞きたいことはたくさんあるでしょう。ミンミン」
どこかで聞いたことのある声だ
「まず…お前は…誰だ?」
「そうですね。あなたの…魔王様の専属執事です。ミンミン」
「いやだから名前!!名前を教えろって言ってんの!!なんとなくで理解しろ!!」
すっげぇムカつく!!俺焦らされるの嫌いなんだけど!!!
「私の名はセミール。魔王ツナ様の専属執事です。ミンミン」
「俺は須賀広ツナ。いちを」
「勇者になるんですよね。それは知ってます。ミンミン」
「…ん?」
なんで知ってるんだ? え? 俺が言った?
「なんで知ってんだ?」
「あなたから聞きましたよ? ミンミン?」
「…ん?」
やっぱ俺だ!!
「お前と俺どこかで会ったか?」
「会ってますけど…あなたは気づいてないでしょうね。ミンミン」
「何それクイズ?俺結構自信あるよ。当たらない方に」
「でしたらヒントを上げましょう。私はセミであり、あなたにくじを引くように
誘った人ですよ。ミンミン」
「なるほど…難しいヒントだな…ん?」
え?全部言ってね?
って…こいつセミなん?え?俺におしっこしたあのセミなん!!!!
え?こいつくじの人なん?確かに今もムカついてるしそうなんだろう。
「お、お前。あいつらだったのか?いや…何? お前副業でもしてんのって
くらい仕事してんじゃん!!!」
こんなツッコミを求めていないと思うが……
たぶんお前の語尾がおかしい!!なんだろうな。
「これも全部魔王様のためですよ。ミンミン」
「ちょっとまって。全然情報に追いつかない」
「なら、ひとまずこれを飲んで落ち着いてください。ミンミン」
とセミールは怪しい飲み物を渡してきた。
「いやそんな怪しそうな飲み物飲めるか!! イチゴ味なら飲むけど!!!」
「いや条件合えば飲むんですか?あとこの飲み物はイチゴ味です。ミンミン!!」
「よしなら飲もうではないか!!」
俺はその怪しい飲み物を勢いよく飲んだ。
「うまかった。もう一杯くれ」
一瞬沈黙が生まれる
「そのリアクションはおかしいでしょう!!
もっとう、うわぁぁぁぁぁぁあってしてくださいよ!! ミンミン!!」
「いや。そういうお約束とかいらんから」
「わ、私は魔王様にする人間を選び違ってしまったんでしょうか。ミンミン」
「で、もうないのか?」
「あげてもいいですけど。今のあなたがもう一杯飲んだら死にますよ?ミンミン」
「どういうことだ?」
「イチゴ味したでしょう。あれは200年前に死んだ魔王様の血です。ミンミン」
「オエェェェェェェェエ」
俺は全力で吐こうとした。どんな物飲ませてんだよ。
「な、なんで血を飲ませるんだ。このクソセミ!!」
「なんでって。あなたに魔王様になってもらうためです。
魔王になるためにはまず2つの選択があります。
1つ目は魔界一強い者になること。
2つ目魔王の血を接種する。
このどちらかできていたら魔王になれます。
ということで魔王様就任おめでとうございまーす!!」
「おい!勝手に進めるな!!」
「皆様!!ついに…!! 魔王様が復活されましたーー!!! ミンミン!!」
セミールは大声で叫んだ。
あぁ…あの時もされたな。こんなこと……
「魔王様が復活なさったのか?」
「おいおい聞いたか! 今の!!」
「200年間ずっと…ずっとお待ちしておりましたーー!!」
窓の外から何やら騒がしい声が聞こえてきた。
「おいおいどうすんだよ!! この状況!!」
「とりあえずみなさんにご挨拶でもしときます。ミンミン?」
「するかー!!!」
すると窓ガラスが割れて魔族が大量に入ってきた。
「魔王様だわーー!!!」
「魔王様ーーーーー!!!」
「我らの魔王様に万歳ーーーー!!!」
「みなさんからの期待は絶大ですね。ミンミン」
まじかよ。俺勇者と魔王になっちゃった!?
ペリペリカモメ