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陰謀と正義②

中国の景気減速!が報道されてますが、私は田舎にいるのであまり感じないですね(´・ω・`)

上海とか深圳とかにいたら感じるのかな〜?


ところで香港の報道相変わらず少ないっすよね?o(`ω´ )o

時を同じくして、リンズ城内三ノ城にあるルー=ジャン家の住居。

公子ウグイの部屋には、ディアオ・シュウ卿と従者が並んで腰かけていた。


リンズ城内に比べると装飾品の多い室内は、貴族の住いとして相応しい華麗さを持っている。

色彩豊かな布と玉とに彩られた調度品は、王都から送られたものも多い。

それもこの数ヶ月の間に急激に増えたものである。


― この公子の付き合いの広さを表している。


シュウ卿は訪れるたびに変化する室内に好感を持っている訳ではないが、その王都での人脈には大いに期待している。


「シュウ卿、新年だというのに連日ご足労いただきすまない。」

ウグイは労をねぎらう。

「とんでもありません。この千載一遇の好機に、のうのうと家で寝ておるほど肝も太くはありませんよ。」

シュウ卿は連日の疲労を感じさせない、生き生きとした顔色である。


ウグイは大きく頷く。

「王都へ忠節を示す大事な時期である。この幾月かで大勢は決まって来よう。シュウ卿、その方が頼りだ。よろしく頼む。」

「この度は小さなことではありますが、席次においてウグイ様の優位をトイ卿に認めさせました。かの卿もジャン公とガン卿に対し、疑念を持っております。今こそ好機でございます。」


公子ウグイは感情を昂らせて眼に光るものを見せた。

「ああ、今こそ好機だ。この人生25年の屈辱を越えて、我が勤王の大望が実現する。」

ようございましたと頷きあうシュウ卿に従者、しかしその従者が口を開く。


「ところで某、王都にて行事に参加するジャン公とガン卿の動向を探らせておりましたところ、リュー公国より王への請願が出されておりました。」


感傷的な気分を邪魔された公子は、赤毛の従者を睨んで言う。

「アルランよ、そなたにはホトホト感心させられる。そなたが私の元へ参ってからというもの、王都の動きが手に取るように分かり、心寄せてくれる多くの協力者が現れた。今度は父上が王へ請願が、承認前にもう分かったという。」


従者はニヤリと笑って言葉を続ける。

「いささかお役にたったと思いますがな?」

シュウ卿はとりなすように割って入る。

「それで?いかなる請願だったのだ?」


「出された請願は2つ。1つは秋にチユ王国への親征を行うという内容。」

「ふむ、やはりそう来たか。この時こそ最大の好機、我らが計画もやはりこの時期に合わすべきだろう。」

「それにしてもガン卿の罪深き事よ、王に代わって南征をするという。父上もいつまでこのような事を繰り返されるのか・・・」


チユ王国への親征は予想の範囲内であった。

リュー公国南方の友好都市国家から、保護を求める声が多く上がっていたからだ。

去年の冬にもいくつかの都市が襲われている。

覇者としてリュー公国はチユ王国へ懲罰を加えざるを得ない。


しかし勤王思想に凝り固まった公子ウグイには、この事自体も王への冒涜へ思える。

少なくとも王都からしかるべき将軍や代官を得た上で、王の名のもとに行うべきだと考えている。


「もう1つ、秋の親征でリュー公の不在に憂いを残さぬため、立太子の儀を執り行うと。」

「なに!」

「そのような事、何故王に上奏するのだ!」

太子の決定など、国内で行ってから報告すれば済むことである。


「愚考しますに、現在リュー公国では候補者が多すぎ、国内で決めるといらぬ争いが起きかねぬのを嫌ったためでしょう。またしても王の威を借りた暴挙と言えますな。」


公子ウグイは見る見るうちに顔を紅潮させ、鬼のように歪ませて卓上の茶碗を床にたたきつける。

「なんという・・・それで誰を太子にしようと?!」

「言わずと知れておりましょう。公子シャオ様でございます。」


途端にウグイは頭を押さえ絶叫する。

父を呪いジョン・ガン卿を呪うその声はあまりに大きく、沈着なシュウ卿ですら慌てて公子を止めなければならぬほどだった。


「ハア・・ハア・・・ふう。それでは・・・私に残された時間はわずかだ・・・。」

「左様ですな。ここは早きに勝負を決する案で動くべきです。」

赤毛の従者はきっぱりと言う。


「しかしその案、あまりに血なまぐさい上に、ジャン公の命すら・・・」

「他に何の手がありましょうや!」

従者は声を荒げて言う。


2人は沈黙する。


「今しばらく・・・今しばらく待ってくれぬか。私は取り返しのつかぬ事だけは避けたい・・」

「よろしいでしょう。いずれにせよお二方のご出発は早くて元肖節(小正月)、まだ時間はございます。」


みな口が重い。


人を暗に殺するのは、どれだけ正義があろうと後ろ暗いものだ。


「お忘れなきよう。王都にいる時が最大の好機です。我らが協力者が必ず成し遂げます。」

「もう分かった、少し一人にしてくれ。」





シュウ卿と従者はそこで立ち上がり、礼を取ると室外へ下がる。

「アルランよ、あとで時間があるなら私の部屋へ。」

そう言ってシュウ卿も立ち去った。


従者と言っても彼は一日中シュウ卿へ従って歩いている訳ではない。

それどころか数日会わぬこともある。

そんなときは王都へ直接出向いていることが多い。


彼自身が天を駆けて王都に向かえば、いかに天仙といえど2日ほどかかってしまう。

なので通常は、哮天犬が彼に代わって王都をうろつき情報を仕入れている。神獣はアルランと同じように、擬態の術を使って人に成りすますのが特技でもある。


ちょっとした陰謀工作まで、下手な人間よりもよほどうまくこなす。

彼と神獣はどれだけ離れていても念話で連絡が取れるので、リュー公国から離れずしていくらでも王都の情報が手に入るのだ。


「ふむ・・・そうかやはり元肖節には出発しそうだな。かまわぬ、そのままにしておけ。」

哮天犬に念を飛ばした彼は、あたりに人がおらぬのを確認すると、外へ飛び出し屋根に飛び上がった。

そのまま屋根へ寝ころび、少々くつろぐ。


― やれやれここまで半年ほど、随分首尾よく進んだものだ。


体は元の姿に戻っている。大きく手足を伸ばしてううっと唸った。

王都で各国の動向を探り、まずはリュー公国に狙いを定めた。他の者ならば後回しにするだろう。それほど今この国は勢いがあり手強い。


― だがそれだけに、早く勝負が決まってしまう危険がある。


この国で天仙が誰も関与していなかったのは意外だった。

だが|リュー公国に天下は取らせない《・・・・・・・・・・・・・・》。正しき方向へ人間界を導いていかなければならない。


この段取りが無事着けば、今度は南へ行こうと決めている。

恐らくは何者かが人間への干渉をしているはずだ。それをどうするかは行ってから決めよう。


そこまで考えて、ふと先日出会った子供たちの事を思い出す。

なかなかの出力量だった。先々面白い人材となるだろう。


だが今の私にとって邪魔になる事はあり得ないだろうか?

まだ元服前の子供だ。それほど気にすることもないが・・・


思い浮かぶのはゴズ・リーの魔眼だ。


奴は何を考えている?波動の才ある子供を集めて、何をしようと企んでいるのか?

いずれ訪問しようと思っていたのだ。

一仕事終えたら旧交を温めてみよう。


ムクリと屋根の上で起き上がったアルラン・ヤンの眼は、三ノ城の馬車寄せを捉えている。

ニヤリと笑ったその瞳は、馬に跨り城を去ろうとするジェズとアモンを捉えていた。




「このまま孤児院へ寄って行こうか。」

アモンが提案する。

「そうだな、グズグズしていると元宵節になっちまう。」

ジェズも同意して馬を進める。

「ダロン達にも相談してみよう。」

「いやまずくねえか、国家機密だろうコレ?」


「かまやしねえよ。どうせ俺にはよくわかんねえ。」

俺以外の奴には分かってそうだからなとジェズは笑って言った。



そろそろ色んな国関係をハッキリするために、地図でも作成しようかと思ってるんですが(´・ω・`)

ソフトないから…

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