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いつも通り

作者: 噺 角蔵

いつの間にかたくさんの人に見られていた。


SNSって怖いな。

ぽそりと呟く。


いつの間にか貼られた顔写真。

許可したはずのない、閲覧者達とメッセージ。


あたし、出会いなんて求めてないけど。


スマホのメール数が、余りに短時間に多くなったことで漸く気付いた。普段メールなんて開かないから、それまで全くどうでもいいアプリだったはずなのに。


いつの間に、誰が、何のために、どうして?


あたしにわかるように説明して欲しい。

どうしてマッチングアプリにあたしの情報が登録されているのかを。


多分、会社の暇人達の仕業であろう。

ああ、日曜日に気付いて良かった。安堵しつつ、イヤホンを耳に突っ込む。

あー、くそ、癒やされるう。

黒か藍色の、雨の時の空模様みたいな、そんな音楽が心地良い。


この顔写真、ネットに出回ってないよな?出回っていたとしても、まあ、人間の顔は10年で変わるって言うし、そこはもうどうしようもないから諦めよう。

全く、暇な奴等は手に負えない。

着替え中に故意に更衣室の電気は消すわ、いるのわかってて陰口トイレで言うわ。反応を見て楽しいんだろうか。

はい、削除。これも削除。あ、これもか。

面倒な仕事は押し付けてくるわ、後出しで仕事法変えてくるわ、もういい加減にせえよ。

はい、解約終了。

鉄仮面だから、あたし。仕事で感情出すような、下らない人間関係にはなりたくないから。

頬が一瞬だけ冷たくなる。それはすぐに消えて、またあたしを支える糧になった。

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