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第2話 はじめての挨拶

二話です。戦闘シーンをまた後で直すかもしれません


メルカの誘導に連れられて歩いていくと、徒歩の老騎士と馬上の騎士の二人組に出会った。

馬上の騎士はフルアーマー、フルヘルムで顔も体も見えない、逆に老騎士の方は籠手しか着けていなかった。騎士だとわかったのはファンタジーヲタの知識を総動員して観察した結果である。

馬上の騎士も、老騎士も同じ家紋のついた剣をつけていた。

騎士身分なら盗賊ってことはあるまいし、話しかけても大丈夫だろう。


ここぞとばかりにいい笑顔で近づいてみる。


「すみません、こんにちは。あの、お話しいいですか?」


『※※※※△△△▽!!?』


よくわからない単語を発せられて驚いたのか老騎士が剣を抜く。言葉が通じてないっぽかった。

やばい、なんか険悪なムードになってきている。


ピロリン♪


スマホをみると、【シガラム語を有効化しますか?】と表示された。

有効化するを慌てて押すと急に言葉が通じた。


「答えろ!お前はどこの国からきた!!!シガラムの手の者か!!」


「いえいえ違います!俺は日本からきました。ヤマモトキョウヤと言います。道に迷いまして声をかけました。」


両手をあげて何も持っていませんよアピールをすると、服を脱いで見せろというのでマントの前を開けて敵意がないことを示した


「剣も持たず国境の亜魔の森にいるとは、怪しいやつ」


あれ、疑いが晴れてない!?


「すみません、よくわからないうちに人さらいにあって、この先の洞窟に放り出されてたんですが。ここはどこですか?」


「この先の洞窟だと?なるほど、悪神への贄とされたのだろうな。ここはシガラムとベイルーシャの国境にある森の中よ」


国境に出たとなると、どっちかの国に行くしかないんだろうけど。さっきこの爺さん不穏な事言ってたんだよな。手の者だなんだって

トラブルの臭いがする方に行くのはよそう


「ベイルーシャへ行きたいのですがどっちでしょう?」


「ならば東の方だ。真っすぐ進め」


東の方か、そんなに距離がないといいんだけどな。食料は多く見積もっても5日分くらいだろうし

お礼をいって立ち去ろうとした瞬間だった。ガサガサと木立の方から音がしたと思ったら緑色の怪物が飛び出した


「ゴブリンだ!!」


木立から飛び出してきたゴブリンは刃渡り50cmくらいの剣をもってとびかかってきた。

振り下ろされる刃をみて反射的に目を閉じる。

死んだっ!


ガキン


硬い音がしたかと思い、ゆっくり目を開いてみると肩の処を覆った銀色の液体が振り下ろされた剣をはじいている。銀色の液体はそのままゴブリンを押し飛ばして、地面に落ちる。

メルカが、体を這って触手で受け止めたのを理解するのに時間はかからなかった。

ってかゴブリンが来ていたなら教えろよ!

ガサガサと木立からゴブリンの群れが飛び出してきた。


「助かった。ゴブリンが来てたなら教えてほしかったんだが」


『探索対象は人間との事でしたので魔物の脅威探索は有効化されていませんでした』


なにその仕事ができない新人みたいな理由。プログラムみたいに一から教えないとだめなのか


『この魔物を外敵と認定、自動防御を開始します。防御行動対象半径1m』


俺を取り囲んだゴブリンが四方八方から襲い掛かってくる。振り下ろされる斬撃をひたすらメルカの触手が弾く。さらに続く無数の剣戟をすべていなして流して受け止めていた。

その光景に爺さんも、馬上の騎士もあっけにとられている。


キン、ガキン、ガキン


硬い金属同士がぶつかり合う音だけが響く。一向に攻撃が止まない。

そりゃそうだ、メルカは自動防御しかしてない。


「メルカ、なんとかゴブリンの数を減らせないか?千日手は勘弁なんだが」


『否定。迎撃方法がありません。』


マジか。そうなると本格的にゴブリンがこっちを諦めるのを待つしかないのか

いくら日頃ファンタジーに憧れるヲタだとしても、実際戦闘なんてできっこないし。

爺さんが頑張ってくれてはいるが、数が減ってない。つまり爺さんも防御に専念してるってことだ。


「アウグスト!!!」


突然聞こえた悲鳴の方をみると、爺さんが胸のあたりを貫かれてるところだった。そのまま流れるように首を飛ばされ木立の中に連れ去られる。目の前で人が死ぬのを初めてみてしまった。

馬上の騎士が慌てて馬から降りようとして、転げ落ちた。


フルヘルムがはずれ、金色の髪が露わになる。

騎士の中身は、女の子だった。ドールのような整った顔に、緑の瞳。

フルプレートの重さに耐えられないのか起き上がれずジタバタしていた。

ゴブリンが一匹近づくのが見えた。ヤバイ、あの子まで殺される。


「メルカ、後方の防御は任せる!一通り防いだらすぐに俺のところまで来てくれ!」


『非推奨。オーダー畏まりました。状況判断結果。防御壁を構築します。発動』


メルカが防御壁を作ってゴブリンをせき止める。これでこっち側にいるのは2匹。

俺は思いっきり走って、今にも鎧の隙間から剣を刺そうとしていたゴブリンの首を思いっきり蹴り飛ばした。


ボキッ


骨が折れる音が響く。聞きなれない音が嫌に響いた。

蹴り飛ばされたゴブリンはもう一匹のゴブリンに直撃した。

今のうちに助けないと!

俺はフルプレートの女の子を助け起こしにかかる。ぐっ思ったより重い

渾身の力を使って上体を起こす。


「ありがとう、あなたは?」


女の子はこっちを見るなりファンタジー世界テンプレ(戦闘中なのに名前を聞く)を繰り出してきた。

いや、そんなこと言ってる場合じゃないんだけど!!

ゴブリンが味方の死体からはい出て剣をつかんでこっちに走ってくる。

どうしよう!そうだ!!剣!!


「うわぁあああああ!!」


俺は慌てて女の子の腰にあった剣を引き抜いた。引き抜いた剣は勢いよく手をすっぽ抜けて・・・

運よくゴブリンの足を薙ぎ払った。


「ギグェエエエエエエエエエエエエエエ!!」


寄声をあげてゴブリンの膝から上がこっち向けに倒れる。辺り一面に強烈な血の匂いが広がった。

充満する血の臭いに耐性がない俺は、吐きそうになるのをこらえながら女の子を引きずってメルカの処に移動する。

ゴブリンは剣を地面にさして、手だけで這い寄ってきていた。ゴブリン版テケテケだ。正直怖い


『お見事でしたマスター。撤退を推奨します』


防御壁モードをといたメルカは俺と女の子の周りに球状に展開すると、自動防御モードに入った。

意外なことにゴブリンはこっちにも目もくれずテケテケゴブリンに向かっていった。

血の臭いが一層濃くなる。目を向けると共食いをしていた。


「アウグストを置いてくんですの!?まだ生きてるかもしれないじゃない!!」


『頸部を切断されて生存している人間族はおりません。マスター撤退を』


「いやぁあああ!!アウグスト!!」


「とりあえず逃げよう。メルカ、鎧を外せるか?」


『否定。解決方法。鎧だけアイテムストレージに収納した方が早いかと思います』


そんなことできるのか。と思いながらスマホを操作する。

あった、接触物の収納。収納しますか?の問いにそのままOKボタンを押すと女の子の全身鎧がすべて収納された。


上はワイシャツ、下は下着だけを残して


悲鳴を上げる前に口をふさぐと女の子を担いで一目散に東の方へと駆け出したのだった。



とりあえずヒロイン候補。ですの+金髪+緑の瞳

テンプレヒロインですがメインヒロインではありません。

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