第0話 悪神からの贈り物
はじめまして。見切り発車で書いていますので、適当に楽しんでもらえればいいなーと思ってます。
どうぞ、よろしくお願いします。
轟轟と音を立てて燃える炎。トラックから流れる銀色の液体
「誰か・・・助け・・・」
その後起きた爆音を最後に、俺山村恭弥の意識はなくなった。
そう、俺は死んだはずだった。
◇
『ぱんぱかぱーん!おめでとーございまーす!!山村恭弥さん!あなたは復活が決定しましたー!!おめでとうございます!!』
目を開けると何もない空間だった。見渡す限り真っ白で現実感がない
ああ、これあれだ、夢ってやつだ。
『いえいえ、あなたは死にましたよー?事故に巻き込まれて儚い人生でしたね!』
うっさいわ!
死にたくて死んだわけじゃないし!ってああやっぱり俺は死んだのか
『ええ、後ろから追突されて死にました。トラックの積み荷が散乱する大事故でしたが死亡者はあなたを入れて5人とまぁまぁ少ない犠牲で済みましたね』
いや、5人は少なくない大惨事だろ。ああ俺以外にも4人も亡くなったのか・・・
一瞬だったから何が起きたのかも把握できなかったし、
『でも貴方は復活できます、これはすごいことですよー!!あ、生き返ることですけどね!』
生き返れるのか、なんか後ろめたい気もするけど。
でも夢なら素直に喜んでおくか、録りためたアニメも消化したいし
『で・もー生き返れるのはあなたの世界ではないんですけどねー!!』
え?ちょっと待て!
おい夢落ち!いくら転移物のアニメが昨今の流行だからって俺の夢の中でまでやらなくてもいいだろ!!
『さて、魔法も使えない剣も使えないあなたに、一つだけ贈り物をしましょう』
いや、いいです。なので今まで生きていた世界に送ってください!
『ぶっぶーですわー。さて、あなたへのギフトはあなたのスマホに送らせていただきますね!お楽しみにー!!』
おい、俺の押し嫁の真似するな!
お楽しみにー!じゃねぇ、ふざけんな!!
思いつく限りの罵倒を口にしたところで俺の意識は再び闇に落ちたのだった。
◇
ぴちょん、ぴちょんと水音が聞こえる。
目を開くとそこは洞窟だった。結構広めの洞窟で、どうみても環七ではない。
夢の内容が記憶通りなら、地球ではないどこか別の世界って事なんだと思う。
「マジで転移したのか」
頭をさすりながらそういえばギフトがどうこうとか言ってたのを思い出す。
ポケットをさぐるとスマホが同じところに入っていた。よかった。これでスマホが行方不明だったら目も当てられない。
スマホは、よし割れてない
「もしあの夢が・・・あれが夢の通りなら・・・・・・・マジか、読めない」
スマホのロックを外して、画面を開いてみるもかいてある文字が読めない。
日本語なのはわかるのになんて書いてあるのか全く読めない。かろうじて電話を押してみるも当然ながら圏外だった。
おい、日本語が読めないのがギフトとかいったらぶっとばすぞ
画面をスライドさせていろいろ動かすと、一個だけ読めるアプリがあった。
明らかに知らない文字のはずなのに、確実に読める。なんでだ?
アプリをタッチすると大きめの音とともに開かれる。
「アレーシア攻略アプリ?」
アプリには自分のステータスとアイテム欄が表示されていた。
あとメールボックスに一件の未読メール
なるほど、異世界物によくあるストレージとステータス表示か
スキルなんかもここで有効化するのか
自分のステータスを表示させる。
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山村恭弥
・LV19 (隠しLV23)
・人間族
・職業:ドライバー(固定されています)
・ジョブ設定
1st ドライバー
2nd テイマー(有効化されていません)
・ステータス評定 1.5
・称号
悪神の犠牲者
・恩恵スキル
魔物使い(最初に出会った魔物を仲間にできる。一回のみ)
・言語設定
△アレーシア神学語
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「え、えぇ~?」
思わず声に出てしまったが、内容が微妙すぎて笑えない。
何ステータス評定って、通信簿か!
突っ込みどころがありすぎる。
隠しレベルは、アプリ画面触っても『有効化されません』つまり有効化する手段が分からない現状はほぼ死にステ
そもそもレベルがなんの作用をするのかもよくわからない現状で隠されても・・・って感じだ。
あとあの声やっぱり悪神かよ、だと思ったよ!
人の事おちょくってくる感じがすごい腹立つ。高校の時の今井君並みに腹が立つ
職業:ドライバー
異世界まで来てドライバーってなんだよ!!
言語設定はあとでいじれるらしいが、リストに日本語がなかった。
ということは日本語を今後読むことが出来ないって事だ。
日本に帰る手段とかがよしんばあったとして、それが日本人の為にって日本語で書かれていたら完全にアウト
絶望しかない
今のところ恩恵スキルだけが唯一の救いだ。最初のエンカウントで強い魔物を仲間にできればある程度は乗り越えることだってできる。伝説の魔物とかと遭遇できればいいんだろうけど・・・
メールボックスを開くと、一番上に指令書と書かれたメールが出てきた。
「ん、なになに?後ろを見る?」
メールの支持通りに、反射的に後ろを振り返ってしまった
そこには、銀色の某国民的ビックタイトルで有名なはぐれてるメタルなスライムそっくりのモンスターがいた。
『はぐれ水銀スライムを仲間にしました。』
携帯に表示される文字を見る。
仲間にしました、じゃねぇええええええええええええええええ
ちょっと神様、これはひどくないでしょうか?
スライムを仲間にしてどうしろって言うんでしょうか?
とりあえずこのスライムに襲われる心配だけがなくなったのを安心しながら洞窟を出るのだった。
一話にいくまでのお話でした。
ヒロインはちょっと先に出てきます。