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妖精カフェ  作者: 星村直樹
火龍王のタマゴ
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竜宮の宴

 竜宮の宴の席は、とても立体的で、大広間の中央の空間が、ぽっかり空いている。そこで、踊りが披露されたり、歌が披露されたりと、芸能系が盛りだくさん。みんな個別にテレパシーで話をしているので、うるさく無い。


 京爺と左大臣のフォブさんは、旧知の中。私たちの事について話し合っている。サイモンは、右大臣の海王と、火竜族の情勢について話していて、二人とも忙しそうだ。


 私たちの所には、海王の娘さん、サーヤが来て、謁見で、やらかしたアクアを褒めちゃって、調子づかせていた。アクアとサーヤは、天然。そこに、突っ込みのウィンディが加わって女子力満点の話に花を咲かせていた。


 私とサラはと言うと、こそこそと、ひそひそ話をしていた。


「サラ、今やる?」

「やる」

 二人とも、言葉少なめだ。


 サラが、意識を広げた。みんな青いオーラを放っている。中には大使たちが混ざっているので、火も風も、土もあるが、大したことない。その中で、やはり、ひときわ大きなオーラの塊が、水竜王。二つの渦の間にオーラの柱が天井に向かってドーンと立っているのが分かる。


「水竜王様すごいね」

「本当。マスターに見せてもらっていたけど、今日初めて、オーラを実感したわ」


「なになに、面白そうなことしているじゃない」

「ずるいですわ。わたくしも混ぜてください」

「何をしていらっしゃるの?」


 やっぱり来たかー


 私は、手を重ねて、サラの背中を押していた。これしか、京爺に教えてもらっていないから仕方ない。何気なく、サラに力を込めることなんてできない。


「昨日リクシャンに、感知の魔法を教えてもらったんだ。みんなのオーラが見えるんだ」

「背中を押している私も、少しだけ感じることができるのよ」


「すごいじゃない。千里は、京爺に押してもらわなくても、そのうち、オーラが見えるようになるんじゃない」


「そうかな?」


「私も、力を流し込みたいですわ」


 アクアが、私の手に自分の手を重ねてきた。

 サラは、ズギューーーーンと、サーチ範囲が広がったので、ビックリしている。


「すごい、竜宮城が全部見える」


「水竜王様すごいですわ。オーラの柱が立っています」

「でしょう」


「私も!」


 ウェンディまで、私の手に自分の手を重ねてきた。

 サラは、竜宮城を通り越して、マナ藻荘園を俯瞰視している。アララテ海の地形まで見えていた。


 ウエンディは、私とアクアと同じ水竜王様を見ている。

「水竜王様、すっごい」


 サーヤ姫は、遠慮して私たちをニコニコしながら眺めているだけ。本当は同じことがやりたいのだが、ここで、全員で迎合したら、人の目に立ってしまう。その辺は、王族。今の状況をわきまえている。でも、気になる。


「それで、水竜王様のオーラは、どんな感じなのですか」


「なんと申しましょうか。左右に別回転している渦がありますの。その渦がぶつかっているところから、青い光の柱が立っています」


 京爺が、私たちに気づいてやってきた。

「そりゃ、原初の光じゃ。水竜王は、水魔法の原始魔法が使えるということじゃ」


「京爺」×4

「それで、原始魔法と言うのは、どういう魔法ですか」


「何もないところと言うわけでもないと思うんじゃが、でもそんな感じじゃ。何もないところから水を出す」


「私もできますわよ」

「私もです」

 アクアとサーヤが首をかしげる。


「水玉とは量が違うんじゃ。海を作れる」


― 海を作ったら、わし、死んでしまうじゃろが


「水竜王様!」×5


― わしのオーラは、スーパーノバと言う。宵野明星様の古文書にあるそうじゃ。アクアは、結構自由になったの。一度、有翼族の天空庭園に行ってみると良いぞ


「先ほどは、お口添え、ありがとうございました」


― なんのなんの、可愛い子には旅をさせろというじゃろ。のう、京極


「分かって、アクアの口車に乗りましたな」


― ワハハハ、今日は、楽しい。それで、サラと千里や。用事は済んだか


 やばっ、全部お見通しだわ

「は、はい」


「何の事?」

「後でね」


― 用が済んだのなら、わしの意見も聞いてみんか


「お願いします」

「聞きたいです」


― フォブから聞いたぞ。エリシウム山の黒鉛の門が開いておったそうじゃな。サラと千里の探し物は、そこを通ったのではないか


「なんと!!」

 京爺が、愕然とする。

「確かにそうですじゃ。しもうたー、知らんかっととはいえ。災いの元凶。閉じてしまいましたぞ。出口が分からん」


―  タマゴの手掛かりがあるだけで良しとせよ。そこで、探し物をできるのは、千里と契約した4精霊だけじゃぞ。京極、アクアとウィンディにも全部話して、協力してもらうんじゃ。千里とアクアたちが協力したら、どれほどのサーチ範囲になると思う。サラは、先ほど意識を広げたのじゃろ、どうじゃった


「さっき、アララテ海が見えました」

「そんなにか」


「あのう、やっぱり戦争は、起きるのでしょうか」

 私は、戦争と言うのが良く分からない。


― これは、思想のぶつかり合いなんじゃ。いずれは決着をつけねばならん。だが、・・・・・、千里たちが新しい道を示すのかもしれん。そのための時間稼ぎも、お前たちに任せねばならんのは、心苦しいが、頼む。平和を紡いでくれ。 


「千里!」

「千里?」

 水竜王様の話が見えないから、ウィンディとアクアが私をつついてくる。


― ふむ、わしも、アクアになんかやらんといかんのう。そうじゃ豊潤をやろう。妖精カフェの博史に、後で指輪にしてもらいなさい


 水竜王がそう言うと、アクアの目の前に、桃色のパールが。少し輝きながらゆっくりと落ちてきた。それを両手で受け取ったアクアも、少しピンク色に輝いたように見えた。


― それは、わしの魔力が凝縮したものだ。困ったときは、これに念じなさい。少しは助けとなるであろう


「ありがとうございます」


― 宵野の末裔には驚いたぞ。今日は、フォブに一本取られた。ふぉふぉふぉふぉ

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