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春雅(春川ミナ)
九作目は、春川ミナ先生が書いて下さりました。春川先生、ありがとうございました!
花、鳥、風、月。それらの春に見せる姿を、穏やかに綴っている詩です。それぞれの比喩のひとつひとつに、優しさが滲み出ています。
春の情景がありありと目に浮かぶ、また春という季節の優しさが感じられる作品です。
春の香は、匂い立つほどの花。
言の葉を飲み込む人と騒ぎ立てる人。
楽しげに通り過ぎる影をそっと見送る。
春の音は、求愛を囀る鳥。
言の葉を並べて山々に響かせる。
あの人も同じ旋律を聴いているのだろうかと思いを馳せる。
春の手は、背を押す風。
新しい服に身を包んだ人達を優しく送り出す。
行ってらっしゃいと囁きながら微笑むのは真の母か。
春の目は、夜霧に霞む月。
眠たげな両眼を擦る。
あの人も同じ月を見ているのだろうかと。
お読みいただき、ありがとうございました!
桜花、鳴鳥、東風、朧月。花鳥風月がテーマだったようです。
実に朗らかですねぇ。
春川ミナ先生のマイページ→http://mypage.syosetu.com/542857/