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ふきのとうになりなさい(橋本洋一)
六作目は、橋本洋一先生の二作目の参加作品です。橋本先生、ありがとうございました!
雪の下で雪解けを待つフキノトウを忍耐強い人と見立て、その姿を見習えと言われた過去を主人公が振り返るという形の詩です。
この作品の初め、たった一言に込めた想いは、新たなる場所へ歩を進める人々を支える力になりそうです。
ふきのとうになりなさい
先生は口癖のように言う
我慢強くない僕に
忍耐を強いていた
雪に埋もれるふきのとう
春の目覚めを待ちながら
寒さに耐えるその姿
見習いなさいと言う
先生に僕は嫌だと言う
ふきのとうなんかになりたくない
春の暖かな日差しを浴びるような
そんな優しい場所に居たい
大人になった僕
春が近づくに連れて
ふきのとうのことを想う
先生のことを想う
気づけなかったけど
今だから分かるよ
雪が次第に解ける
春の訪れはもうすぐだ
お読みいただき、ありがとうございました!
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