急展開
こんばんは 本日の投稿になります
「 ノエルさん こんなドタバタした中ですし、まだ護衛任務も終わっていないですし、しかも5人目なんですけど結婚していただけますか 」
「 はい その言葉を待ち望んでいました。 あの時リック様に唇を捧げた時から、私の身も心も貴方の物です。吸血種の女は一生に一人の殿方しか愛しません、どうか私をリック様の側におかせていただきたいです 」
「 ありがとう 」
僕はそれしか言えなかった、彼女の気持ちは決まっていたのにここまで待たせてしまった。
ノエルさんの返事に、マーサもセオもユーンも大きく頷いている。
フェオは泣きっぱなしだし、エイシアさんはハイテンションで飛び回っている。
「 これでぇ 男子を産んでもらうのですぅ ノエルさん男の子ですよぉ男の子をお願いするのですぅ 」
「 りっ君のお嫁さんだから、というわけではないけれど 管理神として祝福をします! はい バッチぐーーーよ 」
トォーニ様は平常運転ですね、いつも通りです。
「 私も加護を与えるのですぅ これで勝てるのですよぉ 」
これから大事にして、幸せにすることで埋め合わせしなければいけないと僕は心に誓った。
なんか混沌とした状況になっていましたが、無事にノエルさんはお嫁さんになってくれました。
まぁお互いその気だったとはいえ、護衛任務が終わってからと思っていたのだけれどねぇ本当は。
じゃあなんでこんなタイミングでと言うと・・・
「 レウィを眷属にするのですか? 」
「 そうだよん そうすればいずれ成長と共にレゥイが魔力消費出来るようになるし、それまでの間も主が魔力を受け取ることでレウィの体内には魔力が蓄積しないからね 」
トォーニ様からの提案はレウィを救える唯一の方法だった。
「 でもどうやって、しかも誰の眷属にするのですか 」
「 フェオが出来るならなんでもします 苦しくても頑張りますから 」
話を聞いていたフェオが必死で訴えかける。
「 ごめんねぇ フェオちゃんでは無理なんだよ りっ君のお嫁さんだと セオちゃん 」
「 あい、 竜種である私の眷属という事であれば可能かと・・・ ただし ・・・ 」
「 そうねぇ セオちゃんの場合眷属は持てるけれど レウィとはあまり相性が良くないね 」
トォーニ様とセオが頷きあっている。 良く分らないけれど眷属って相性とかあるんだ
「 うーんと 出来なくはないけどってこと? それとも相性が悪いと問題が起こるとか? 」
「 あい、私は竜種でありますので眷属としては、鳥類や亜竜が向いています。狼を眷属にしようとした場合、負荷がかかる可能性がありますので レウィが耐えられるまで待つ必要があります。しかしあまり成長してからだと身体強化が効果的に働かず寿命が短い傾向にあります 」
「 嫌です レウィはずっと一緒が良いです フェオの寿命をあげてください 」
フェオがまた取り乱して、泣き出してしまった。
もう完全に母親だね。
「 落ち着いて フェオちゃん。 実はもう一人いるのよ ほら、そこにいるノエルちゃん 」
トォーニ様にいきなり話を振られて驚くノエルさん それはそうだよね
「 へ? わ わわたくしですか? は はいっ 」
「 そう、ノエルちゃんは 吸血種でしょ 」
「 は、はいその通りでございます 」
緊張しているようで、ノエルの口調が変だ。
あ、そうそう嫁になるので呼び捨てにしてほしいとノエルにお願いされたのでこうなってます。
早くお母さんの所に送り届けて、結婚の承諾も貰わないとね。
「 ノエルちゃんってりっ君のお嫁さんになりたい? 」
「 ひぇっ !? ひ ひきなり のわにをぉ おっしゃいますか 」
「 おじさん!! いきなり何を言い出しちゃってるのかな 」
ノエルさんも僕も、トォーニ様の発言に大慌て。
そりゃあ ノエルさんは可愛いし、キッスもしちゃったし 許されるならお嫁さんになって貰えたらうれしいけど
5人目になってしまうし、エルフの女王様の娘だし・・・
「 エイちゃんからも聞いてるよぉ キスだってしたでしょ 吸血族のキスは 」
「 はい、添い遂げる相手にしか自ら唇を捧げることはいたしません 」
決心したようにノエルさんはトォーニ様に告げる。
「 うん ノエルさんの決意は聞いた通りだよ りっ君はどうする? 」
この後冒頭の会話に繋がるんだけれど。
トォーニ様曰く
ノエルに神の祝福と 精霊の加護が付くことによって条件が整ったらしい。
何の条件かというと・・・
ノエルが本当の意味で吸血族始祖になる条件。
血を交わした配偶者 → これ僕のこと ( さっき 僕とノエルの指先を切って お互いに血を舐めさせ合ったところです )
神の祝福 → トォーニ様から
高位精霊加護 → エイシアさんより
で、やっと眷属の話。
吸血族は誕生したばかり、眷属にする動物の種類も最初に始祖が選んだ数種類が相性の良い種になるらしい。
そこで狼ですよ、レウィを最初の眷属に出来るのです。
そして、始祖の最初の眷属は特別な意義を持つ子となるので
ノエルさんが生きている限り死ぬことが無いのです。
「 じゃあ レウィは ずっと一緒に居られるのですね 」
「 そうなるよ だから安心していいよ 」
「 ふぇぇぇぇぇ 」
安心したフェオが 座り込んで泣き出してしまった。
でも、これで安心だ。
みんなで一緒に居られる。
「 あぁ あとね この町にもう暫く滞在するといいよ 」
トォーニ様が突然そんなことを言いだした。
「 どうしてですか? 」
「 ノエルちゃんの捜索願は取り下げられるのにそれくらいの時間が掛かるからね 」
「「 え? 」」
僕とノエルの声が被って聞き返すことになった
「 そうしたら渡船で国境を越えるとい いよ~ はまだ16だから~ 」
ここで親父ギャグを挟まれてもねぇ・・・ トォーニ様・・・
ようするに
トォーニ様が新たな種族の誕生を全世界に発表したらしい
いわゆる神様のお告げという形で。
吸血族としてのノエル ノエル=ジベ=ドリエインは、電子精霊始祖であるハーフエルフのリックに嫁ぎ吸血族始祖たる資格を得た。
ここに管理神トォーニの名において吸血族始祖としての祝福を与え、吸血族の成立を宣言する。
で、どうやらその瞬間にノエルさんが吸血族の名実ともにトップに立ったらしく、ノエルさんの兄である現ドリナエン公爵は本能的に始祖に逆らうことが一切出来なくなったらしい。
トォーニ様がいうには、今頃自分のしでかしたことに怯えて泣き叫び必死で許しを乞うているらしい。
当然のことながら、捜索願は即座に取り消され。傭兵達にも緊急の帰還命令が出されているとのこと。
まぁ地球みたいに電話やメールがあるわけでは無いので、末端まで指示が行き届くには魔法を使っても三日程度はかかるらしいから
暫く待てということなのだ。
うん 色々と良かった。
お読みいただきありがとうございます




