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魔法と魔力

本日も投稿させていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。

「んーーー まだ・・・ 頭が痛い。しかも・・・重い」


背嚢の中に入っていた頭痛薬(ルーちゃんに感謝)が効いてきたので、意識が戻った当初よりは楽になってはきたものの、まだしんどい・・・。

なので、あまり行儀は良くないのだけど壁に寄りかかって座らせてもらいながら話をしているところ。


「大量の情報を処理したのですから、仕方ないのですぅ。しかも加護を受けたので魔力が活性化しております~、慣れるまでは神経も高ぶりますので、我慢してくださいね。」


エイシアさんは間単に言ってくれるけど、こちらはたまったものじゃない


「まぁこれからこの世界で生きて行くのだから、加護はあったほうが良いのは理解出来たし、魔法を使えるようになるためにも我慢するよ。」


「通常の加護であれば、ここまでは必要ないのですよ。言い訳では無いのですけれど、始祖にたいしての加護ですし、リック様の魔力量が桁違いなほど多いので余計に時間がかかってしまいました~。

その分、負担も大きくなったことはごめんなさいですぅ。」


本当に申し訳なく思っているようで、しょんぼりした感じのエイシアさんの気分を変えるために話題を変えてみよう。


「僕の魔力量ってそんなに多いの?」


「ええ、びっくりですぅ。あのご両親ですから多いのは想像していましたけど~、私の想定を遥かに超える量でぇ・・・」


この世界には、ステータスなんて便利な物差しは無いって、父ちゃんが言っていた気がするので「魔力量って測れるの?」素朴な疑問をぶつけてみた。


「ご想像されているような、数値化された測定は出来ないのですけどぉ、例えば雨上がりに出来る小さな水溜りとぉ湖を比べるような、あきらかな違いは分かりますよ~。」


エイシアさんはそう言うと、僕にも分かりやすそうな例え話を始めてくれた。


「例えばぁ、戦場である程度熟練した火魔法師を思い浮かべてくださ~い、その人が魔力補給無しで範囲攻撃魔法である火撃かげきを3回も連続行使できればですねぇ、火魔法師としてはこの世界の基準で一流といえるのですよぉ。」


 ※ 火撃は条件にもよるが、10~30㎡程度の範囲内にほぼ同時に単体火魔法である火球を、対象範囲の2m程度上空に複数発生させ、一気に降下させる範囲攻撃魔法。影響最大範囲や火球の発生個数、温度等は当該魔法師の熟練度合や魔法能力によるところが大きい。


「もちろん考えなしにそんなことをしたら、最大限に魔力消費されちゃうのでぇ、魔力は底をついちゃいます~。」


説明に聞き入っている僕を見て、エイシアさんは話を続けてゆく。


「リック様が同じような火魔法師であるとしてぇ~、現在の魔力量で同じ魔法を行使した場合はですねぇ。軽く300回は連続行使できると思います~。しかも魔力の回復速度も規格外のようですからぁ行使時間と回復時間を考えたら、魔力が底をつくこともない気がしますよぉ。」


「なんか、とんでもないってこと?」あまり実感もないけど、エイシアさんの例え話を素直に信じるならそういうことだよね。


「はい、あくまでも単純化した話なので実際はもっと差がつく可能性があるのですけど~。湖が海になったとしてもその水量が巨大であることに変わりはないようなものですゎ。もっともぉ、いくら膨大な魔力量があったとしてもそれを行使する能力が無ければぁ単なる宝の持ち腐れです~。」


「だよねぇー」貧乏人に国家予算を与えたって、使い方も分からないし使えないってところかな。


「では、小額の予算から使えるようにしましょうか」


もう心を読まないで欲しいのだけど、まぁ言っても聞く人(精霊)じゃないし、

気にするのもやめようと思う。


「簡単な魔法から習得するってことかな」


満面の笑みでうなずいたエイシアさんが軽く手を振ると僕の左手が何かに触れた。


「ん? スマホ?」いつの間にか左手がスマホを握っていた。


「はい、リックさんが異世界から持ち込まれたスマートフォンと呼ばれる電子機器ですよ~」


さっき、光ってからエイシアさんに変化したはずの僕のスマホが手元にある。


「これがどうかしたの、充電切れているし圏外でしょ」


「私は4大精霊族以外の5番目の精霊族としてぇ、この世界にごく最近に生じましたぁ。 そのきっかけはですねぇ、リックさんが持ち込まれたそのスマートフォンなのですぅ。もともと私はリックさんがお生まれになったと同時に、管理神様によりある理を与えられましたぁ。それは~新たな精霊族を興すというものですぅ。精霊の元としての私は、リックさんがこの世界に降り立つまでの間、ただただ待ち続けていたのですよぉ。理が整うまで森羅万象を眺め解き明かしながら待っておりましたゎ~、ちょっと寂しかったのです~」


一生懸命に説明してくれる、エイシアさん可愛いのだけど、サイズがねぇ


「小さいけど、美少女ですよぉ~」


「だーかーら、心を読むのを止めてくださーい」


「はーい 気を付けますぅ」


返事だけは良いのです、返事だけは・・・


「それですねぇ、リックさんがやっとこの世界に来てくれてぇ私はとても嬉しかったのですよぉ。もう準備は整っていたのでぇ、あとはきっかけだったのです~。」


「それがスマホ?」さっき僕の手の中に戻ってきたスマホを見つめながら尋ねてみた。


「そうですぅ、この世界に5番目の精霊として生まれるきっかけが必要でぇ、スマートフォンというアイテムゎ、まさにピッタリの存在なのですぅ。」


「よく分からないけど、持ってきて良かったということかな?」


「もちろんですよぉ~」エイシアさんは満面の笑みで答えてくれたので、僕も少し嬉しくなった。


その後も懇切丁寧なエイシアさんの説明が続いたのだけれど、説明が長いし遠回りが多い上に、さらに話へ感情がこもり過ぎです。


「ようするに、僕が持ってきたスマホに代表される電子機器類やその情報が、新しい精霊を生み出すきっかけで、電子精霊の魔法は今までの4大精霊や聖魔法とか闇魔法とは全然違う魔法を創生する必要がある。例えるなら、既存の魔法は特許を持っているので、それに抵触しないような新たな魔法が必要。そのためには全く新しい精霊とそれに伴う魔法体系、そして始祖の資質を持つ人材がいる。」


エイシアさんの反応を見る限りここまではOKらしい。


「数千年にわたって文明の発展に停滞が続いているこの世界に、新たな精霊と魔法が誕生することで色々と刺激を与えて停滞を打破したいと神様がお考えになって、そこにタイミングよく魔王の復活や、異世界からの勇者(父ちゃん)とかの要素が結びついて、今この状況になったという認識でOK?」


だいぶ端折って要約するとこんな感じだと思うのだけど・・・


「は~い。さすがゎリックさんです~。」


「どういたしまして・・・」今後も苦労しそうだな・・・


「色々とご理解ただいたところで、そろそろリックさんの魔力も落ち着いたことでしょうから~、魔法を使ってみましょうねぇ」


「はーい」気がついたら、外が明るくなっているよ・・・


「って言うか、あまり考えないで返事したけれど、そんな簡単に魔法って使えるの?」


「ですから~、簡単な魔法からですよ。」


「はぁ・・・」


再びのエイシアさんによる説明では、この世界では普遍的に存在する魔素の影響もあって火を起こすとか、少量の水を浄化する、軽い外傷の治りを早くするといったような難易度の低い魔法は、基礎魔法と呼ばれて、精霊加護の種別に関わらず殆どの人が使う(覚える)ことが出来るらしい。一般的に精霊の加護は、無垢な子供時代に受け取ることが多いのだけれども、精霊加護を受け取る前に基礎魔法を使える子供も多いらしい。

その話を聞いたときに考えたのは、魔法を覚えた子供の火遊びが多そうで心配したのだけれど、そういういたずらをしてしまう子供は、火への興味が強い子が多いから火の精霊がちゃんと見守っていてくれて、火事とかになる前に制御して、色々教えてくれたり叱ったりもしてくれるらしい。

火の精霊は無秩序な燃焼は好まないのだって。


そのようなわけで、僕も遅ればせながら基礎魔法から習得することになりました。


お読みいただきまして、心より感謝申し上げます。明日も投稿予定でございます。

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