表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
89/464

国境の町へ

こんばんは 本日のお話です。よろしくお願いいたします

おかしな連中はナイスな賞金稼ぎさん達が追っ払ってくれたので、すんなりと街を出ることが出来ました。


本来の門番である衛兵さんに、王都へ向かう旨と街に入った時の書類と身分証を出す。


「 はい これになります 」


「 うむ 商人リックと妻セオとソエル それに召使い3名だな 」


嫁が2人程度は商人なら普通の事だし、商人が召使いを連れて歩くのも普通の事。

この町に入った時に貰った書類通りで問題は無し。


「 はい その通りでございます 」


「 これから何処へ向かう予定か 」


「 はい、王都の商人ギルドへ向かう予定でございます 」


衛兵が目的地を聞いてくるのも毎度のこと。


「 王都への街道は分岐点さえ間違わなければ問題はない 最近は盗賊の出没も聞かないが用心するにこしたことはないぞ 」


「 はい、十分に注意します。 魔道具店で結界の魔道具を買っておきました 」


「 うむ、さすがは商人だな 用心深くてよろしい 」


そう言いながら衛兵は全員の身分証と書類を渡してくれた。


「 お世話になりました 」


「 道中気を付けて行くがよい 」


人の良さそうな衛兵に見送られて門の外へ出たあとは、とりあえず王都方面への街道をのんびりと歩いてゆくことに。

この街道は、王都に向かうだけでなく、途中で分岐して国境の町へ向かう街道にもなっている。

僕らが目指すのは王都ではなくて、国境の町ロローになる。


クレイファ共和国との国境の町ロロー


とりあえずはそこで再び情報取集。


ナール王国とクレイファ共和国の国境は大河リューベによって隔てられている。

正に大河と呼ぶにふさわしいその川に橋を架けることは、中流域以降ではほぼ不可能。

ロローと対岸のデボンの間には大きな中州があり、それぞれの町と中州の間を渡船が往来しているのだ。

中州はどちらの国にも所属しておらず、商都として二国間の貿易の拠点となって栄えているのだ。


渡船はその中州の町、レイギが運航しており人は基本無料(別料金の個室もある)、荷物は重さや大きさによって運搬料金を取るシステムらしい。


ちなみに渡船は風魔法による推進力で進む魔導船だ。






「 そろそろいいかな 」


電子魔法で周辺を確認して、人の反応はない。監視されている形跡も無いようだ。


「 あい、問題ありませんわ 」


セオも魔法で周囲を確認してくれていたようだ。


「 じゃあ、ユーンお願いね 」


「 ハイですニャ まずは馬車ニャン 」


ユーンの高位収納魔法によってしまわれていた、馬車がその場に現れる。


「 ふわぁぁ いつみてもすごいのです 」


フェオが妹の魔法に素直な驚きを見せて目が真ん丸だ。


「 お次はお馬さんですニャン 」


ユーンが嬉しそうに取り出したのはゴーレムの馬。


「 ありがとうユーン 偉い偉い 」


褒めて褒めてといわんばかりに、ゴーレム馬を出した後にこちらへ駆け寄ってきたユーンを撫でながら褒めまくる。


「 ふニャ~ ぇへへへ 褒められたニャ 」


可愛い可愛い。





馬車にゴーレム馬を繋いで準備完了です。


「 さぁみんな乗り込んで 」


「「「「「 はーい 」」」」 ニャ 」



今回も席の配置では誰が僕の横に座るかで一騒動合ったけれど、トランプやあっち向いてホイで決めるのは騒ぎを大きくするだけなので。

あみだクジで決定しました。


これもこの世界では馴染みがないようで、みんな喜んでいたよ。

決め方としては公平だしね。





ゴーレム馬の引っ張る僕らの馬車は、通常の馬車よりは少し早めの速度で街道を疾走してゆく。

もっとスピードは上げられるのだけれど、余りに早すぎると変に目立ってしまうからね。



このペースでも7日もあればロローには到着するけれど、今回は日が暮れてからが勝負。

この世界ではよほどのことが無い限り夜間に街道を行く者はいない。


そのため夜間には速度を上げて一気に距離を稼ぐのだ。

計算では4日程度で国境の町ロローに到着できる予定。

日暮れから夜中前までは全速力で馬車を走らせてから野営。

ずっと走り詰めでは疲れてしまうからね。



到着次第にロローで情報収集をして、国境越えをどうするか決めるつもり。

方法はいくつかあるのだけれど


一つはロローから渡船で国境越え、これが一番スタンダードだけれども中州の町レイギに網を張られていると逃げ場がないのが不安材料。

もちろん電子魔法の〈光学迷彩〉が見破られたり怪しまれなければ大丈夫なのだろうけれど・・・


他には、ロローから川を遡上して、ナール王国北限の町デノへ向かいそこから北方大森林地帯沿いにクレイファ共和国に入り込む方法。

まぁ川を遡上せずに、川沿いの道を北上してもいいのだけれどこの時期は雪が多く困難なのも事実。


逆に川を下ってから海路という選択肢もあるのだけれど・・・この時期は外海が荒れるので定期船が就航していないらしい。


スウェインランドの面している海は地球で言う地中海のように大陸に囲まれた内海なので真冬でも定期船は就航しているようだが。

リューベ河は大陸外縁の外海に繋がる河川なので、海が荒れる冬場はこの世界の技術力ではリスクが高すぎるのだ。


あとは漁師と交渉して船で川を渡るか、ポルちゃんから魔導船を買って同じく渡河するか。

ただ、無断渡河と不法入国にはなってしまうのだよねこの方法は・・・


ナール王国とクレイファ共和国には国境紛争もないし、両国は友好国同士なので国境の警備は厳しくないのが救い。






「 主様、難しい顔になっておりますわ 」


座席に腰を掛けて考え事をしていたら、セオに頬を突かれた。


「 あぁ ごめんごめん 今後の方針を考えていた 」


「 お一人で考え込まずに、私たちにも相談してくださいませ 」


気が付けばセオだけでなく、みんなが僕を見つめていた。

いけないね心配をかけてしまったようだ。


「 ありがとう みんな 」


僕はみんなの顔を見渡しながら、今後の動きを説明することにした。



今日もお読みいただきまして、本当にありがとうございます

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ