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酒場にて

こんばんは 本日分のお話でございます。

結局、賞金稼ぎ仲間の店2階の酒場であれやこれや食べさせられたり、昼間から飲ませられたりしてます。さらには常連客の皆さんにそれぞれ一杯奢ったりで盛り上がって大変。


まぁね セオは喜んでいるみたいだしこれはこれで良かったかな。


「 セオちゃん 旦那は優しいかい 」


「 あい、主様はそれはそれはとても優しくて素晴らしい方ですわ 」


いや、セオそんなこと真顔で言われると結構照れてしまいますよ。


「 ちっくしょーーーーーーーー  羨ましいなぁおい  この色男!! 」


酔っぱらった金髪親父に背中をバンバン叩かれてます・・・


「 ところでよぉセオちゃん なんで旅なんかしてるんだ 王都に用事でもあるのかい 」


「 はい、主様のお仕事で旅をしています。 主様は王都の知人に呼ばれているのですわ 」


「 そうなのかー  なぁ兄ちゃんよぉ 王都での用事が終わったら この街に住んじまえよ 仕事なんか幾らでも紹介してやるぜ 」


スキンヘッドがこちらに話を振ってきた。


「 まぁ王都での状況次第ですかねぇ それに奥さん達の考えもありますし 」


「 あい、私は良くても姉様や妹達もおりますしね 」


実際、この街はそんなに悪いところではないのだろうけれど、マーサやフェオ、それにユーンは獣人なので差別の無いところに住みたい。しかも先ずはノエルさんを無事に送り届けるという最優先事項があるからなぁ。


「 なんだよ 姉妹が居るのかい セオちゃんの姉妹ならみんな可愛いだろうなぁ 一緒に旅してるのかい 」


「 あい、姉様と妹が二人おります。 義理姉妹ですが、3人ともとても可愛らしいですわ 」


「「「「 ほほぉおおおおおお そいつは聞きのがせねぇ話だなぁ 」」」」


おっさんたちだけでは無くて、周りで話を聞いていた比較的若い連中まで加わってきた。


「 で、 後の3姉妹さんは独身かい? 彼氏とか居るのかな 」


若そうな腕に刺青の入った人が、ものすごい勢いで食いついてきた。


「 すみません、3人とも結婚しておりますわ 」


「 ちっくしょーーーーーーーー!! ダメかぁ 羨ましいなぁ 」


「 あい、みんな主様の嫁ですから とても大事にされています 」



「「「「「「「  ・・・    あ あ ああん ・・・ 」」」」」」」


えーと、なんか危険な展開かな これって




「 な なぁ・・・ セオちゃん・・・ 」


「 あい、なんでしょうか? 」


「 い、今よぉ セオちゃんの口から信じられないことが聞こえたんだけど オッサン聞き間違えたかもしれないからさぁ もう一度聞くけどよぉ セオちゃんの義理姉妹さんの旦那って誰? 」


モヒカンの問いに満面の笑顔で答えるセオ


「 あい、 私も含めて全員がここにいる主様の嫁ですわ 」












阿鼻叫喚、地獄絵図、周章狼狽、支離滅裂、悲歌慷慨、傍若無人・・・


「 くぁwせdrftgyふじこlp 」


「 神は死んだ・・・ 」


「 リア充 タヒ ね 」


「 あぁぁ んだころぉわぁぁぁっぁぁぁぁっぁ 」





「 主様? いったい何が起こっているのでしょうか? 」


この大混乱の中、実に不思議そうな顔で僕に聞いてくるセオ。


「 うん、あれだ。 この状況はね 」




「 あーーーーー いたいたニャン!! マーサ姉様 こっちですニャ 」


そして更に燃料が投下される。


「 探したよ リックぅ 」


僕を見つけて嬉しそうに抱き着いてくる 猫族のユーンと、その跳躍力を活かして負けずに飛びついてくるマーサ。


「 よく分かったね 」


「 もちろんだよぉ 魔法は少し使ったけれど 愛する旦那を探す女房の能力は凄いだろぉ 」


「 あーんずるいですニャ 私が先に見つけたのにぃ 」


「 筆頭嫁は偉いんだよ なぁ セオもそう思うだろ 」


「 あい、流石は姉様ですわ 」





「 おう 取り込み中悪いんだけどぉ あんたらは兄ちゃんの嫁さん達ってことで合ってるかぃ 」


なんとか我に返ったらしいモヒカンがユーンに声を掛けている。


「 ハイですニャ 私たちはリック様のお嫁さんなのですニャ  ・・・  いニャーーーーン 改めて言うと恥ずかしいニャ 」


見ず知らずの人に真顔で説明したことが恥ずかしかったのか、ユーンはモヒカンに猫パンチを繰り出している。


「 兎族に猫族・・・ ちくしょーーーー 羨ましくなんかねぇぞ うちの嫁は犬族だぁ 」


「 犬族? フェオは留守番してるよ 」


マーサさん、お願いだからこれ以上は・・・


「 ま、まさか・・・ 犬族の・・・ 嫁もいるのかよ 」


「 あぁ フェオっていう子がいるよ 見るかい 」


そう言ってマーサが電子魔法を展開してスクリーンにフェオの映像を展開する。


「 ・・・ ぐふぁっ ・・・ 若いし・・・可愛いじゃねぇかぁぁぁ  」


はい、確かに滅茶苦茶可愛いですよ。







マーサとユーンは僕達が帰ってこないので、痺れを切らして探しに来たらしい。

しかしタイミングが良いのか悪いのか


「 悔しいが兄ちゃんがすげーー男だってことは理解した 」


「 うん 少なくともこの街の賞金稼ぎ連中は兄ちゃんの事をハーレムキングと呼ぶことにするからな 覚悟しとけ 」


「 しかし ユーンちゃんは可愛いなぁ 」


「 何馬鹿な事を言ってやがる、マーサちゃんの魅力が分からねぇようじゃ御仕舞だな 荷物まとめて里へ帰れ 」


「 バッカ野郎!!! ついさっきまでセオちゃんセオちゃんって言ってやがったのに掌返しやがったなこの裏切り者どもがーーー 」


「 ふ、分かっていねぇなぁどいつもこいつも うちのカミさんもそうだが犬族が至高!! そしてフェオちゃんが女神だぁ 文句あるかごらぁぁぁぁ 」



褒められなれていないので、混乱しているマーサ。


持ち前の明るさですっかりファンが増えているユーン。


ニコニコしながら僕の口に料理を運んでいるセオ。


そしてこの場に居ないのに知られた存在になりつつあるフェオ。




さて どうやって収集を付けようか、今はそれが心配ですが・・・





「 あ、お姉さん とりあえずみんなにもう一杯づつ奢りますので お願いします 」


僕はすっかり呆れ顔で眺めていた酒場のお姉様に声を掛けるのだった。



今日もお読みいただきまして、本当にありがとうございます。

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