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快適空間を目指しました

こんばんは 今日のお話しでございます。

「 ふあぁぁぁ   良く寝たぁぁぁ 」


程よい弾力と寝心地のいいベットで目を覚ましたのだけれど、起き上がろうとしたら動けないことに気が付いた。


「 うにゅうぅぅ 」


「 ・・・ ぅなぁぁ 」


両腕がユーンとフェオにがっちりホールドされている上に、マーサが足にしがみついてセオが枕元に居ました。


「 おはよぉ セオ 」


「 おはようございます 主様 」


セオだけは目を覚まして僕の顔を覗き込んでいてくれていたようで、朝から濃厚なキスをされてしまった。

動けないしセオは嬉しそうだし、濃厚かつエンドレスかと思うお目覚めのキスでしたけどね。







その後、何とかみんなを起こしてから、客間でぐっすり眠っているノエルさんはセオに起こしに行ってもらったよ。


坑道内では野営が続いていたので、久々のベッドだし空調完備の上に安心して眠れたせいかみんないつも以上に元気です。


「 なぁなぁ リックぅ 家を買ったらさぁ すぐに子供が欲しいよぉ双子でも三つ子でも産むからさぁ だから大きな家にしようよぉ 」


マーサが朝食後を食べながら嬉しそうに話しかけてくる。


「 フェオも産みます!! 犬族は安産ですから任せてください あと子供達と遊べるお庭が欲しいです 」


テーブルの向かい側からウインクしてくるフェオ、可愛いけれど両目を閉じてるよぉ・・・それはウインクじゃあないよぉ


「 私はもっとラヴラヴしてから産みたいですニャ だってぇ絶対可愛い子を産んでしまうのでリックパパが娘に夢中になってしまう自信があるのですニャン 」


まぁねぇ 獣人族は基本女の子しか産まれないから娘だらけになるよね、うわぁぁ・・・


「 嫁にはやらんぞ!!  パパ許しませんよ 」




「 はぁ・・・ 主様ぁ    いくらなんでも気が早すぎます・・・ 」


むぅ   セオに冷静に突っ込まれてしまった。











そんな感じで賑やかに朝食や準備を終えてから出発です。


とりあえず目指すのは、ナール王国の街 ヨッフを目指す。 フシュ湖という大きな湖の畔にある街でナール王国では3番目の規模を誇る街だ。

順調にいけば普通の馬車で10日程度、まぁ雪や寒さの影響がある今の時期はもう少しかかるかもしれない。

幸いナール王国側は雪も少ないのでそこまでの影響はないと思うけれど。


さてここで問題です、馬車は一体どこで手に入れるのでしょうか?




そうなんですよね


馬車を買うお金はあるし、ポルちゃんもいるので通販でも買おうと思えば買えます。


ただ、馬は買えないんだ・・・


今はまだ生体の販売は出来ないそうです。

今はまだ・・・ね


馬が居なければ馬車なんてただの車輪付きの箱ですから


かといって近くの村や小さな宿場町に売り物の馬車があるとは思えないし、買うなら大きな街に行かないとね。




でも、ご安心ください。


とても優しい土精霊のデニエは、魔道創造を行使するときについでにあるものを創ってくれたのです。

いやー本当にありがたい、感謝感激雨霰でございます。


早く僕も魔道創造を上手に使いこなせるようにならないとねぇ  頑張ろうっと。








「 じゃあ ユーン出してぇ 」


「 はいですニャ 」


しかし凄いよね


今さっきまで有った建物はあっという間に収納されて、すでに影も形もありません。

そしてユーンが僕の合図で出してきたのは馬車と・・・ 


「 はい、 お馬さんですニャン 」


何故か出てくる馬車と馬4頭。


見事な箱馬車、しかも4頭引きですよ。


「 なぁリックぅ 」


うずうずしているマーサが声を掛けてくる、乗ってみたくて仕方がないのだろう。


「 いいよぉ 乗合馬車とは全然違うはず 」


僕の声を合図にマーサとフェオが馬車に駆け寄って早速中に乗り込んでいる。


「 ふわぁぁ 広いですよぉ 」


「 なんだぁこの椅子ぅ 包み込まれる感じだよぉ あたいこれ好きかも 」


どうやらお気に召してもらえているようです。


まぁ道幅とかの制限もあるので広さは個人的には納得していないのだけど、この世界の感覚では十分に広いらしい。

椅子はソファで向かい合わせの7人がゆったり座れるようなデザイン。 

ちなみにソファはデニエとの魔力同調の際に低反発素材をイメージしてみたのだけれど、どうやら大成功らしい後から乗り込んでいるセオも気に入ったようだ。


殆どを座るスペースにしたおかげで、室内はゆったりしている。これは荷物をユーンの高位収納に預けているから出来る技だねぇ。


ちなみに馬車にもデニエが強力な結界を付与してくれているのでセキュリティは万全だよ。


あとは問題の馬だよね。

さっきも言ったように生体はポルちゃんから今は購入不可、しかも高位収納魔道具にも生き物は入れることが出来ない。

(死体は収納可 だから食料の肉や魚はしまえます)





その4頭の馬なんだけど、実はゴーレムです。


魔操兵ならぬ魔操馬ってとこかな、これもデニエのおかげです。

相談したらあっさりと創ってくれました。


ゴーレムなので当然ながら疲れ知らずで魔力供給だけで動きます。しかもデニエの結界と特別強化魔法で傷をつけることの方が難しいレベル。

僕の魔力を供給しているので普通の馬よりずっとスピードも出ます、目立つのを無視すれば時速にして100km/hは簡単に出るそうです。

それと電子魔法とリンクしてあるので、〈MAP〉を使いながら自律走行が可能。だから御者も必要なしというわけ。

ただ、それだと目立ちすぎて困るのでゴーレムで作った御者が標準装備されているという仕様。うーん至れり尽くせりだぁ。



「 リックぅ もうみんな乗ったよぉ 早くいこうよぉ 」


馬車や馬を眺めていたら、みんな乗り込んでいて出発する気満々のようです。


「 主様ぁ こちらへどうぞ 」


念のため忘れ物が無いか周囲を確認してから馬車に入ると、セオが手招きしている。


「 ほらぁリックぅ 」


どうやらマーサとセオの間に座ることに確定しているようだった。




「 目的地はセット済だから じゃあ出発!! 」


僕が高らかに宣言して、馬車は静かに走り出した。




「 え えええ?  あのぉ リック様・・・」


走り出してすぐにノエルさんが話しかけてきた。


「 はい? ノエルさんどうしたの 何か忘れものとか? 」


「 いえ、 あの もう走っていますよね・・・ 」


僕は窓の外に目をやって走り出していることを確認した。うん、ちゃんと走っているよね。


「 はい、まだスピードを上げている途中でして 最初なので加速は控えめにしてますが遅かったですか 」


ノエルさんは貴族の出だし、この馬車ではお気に召さないかなと思ったのだけど


「 いえ、 とんでもないです。  というか 走っているのが信じられないです こんな静かでしかも全然揺れないし・・・ 」


「 そっかぁ何か違うと思ったら 揺れてないんだ。 あたい馬車なんて一回しか乗ったことないから気が付かなかったよぉ 」


「 これは主様が御造りになった馬車なのですから当然のことですわ 」


いや・・・主にデニエが創ったのだしね、まぁ各種改造イメージは僕のを採用してくれたけどさぁ


「 実は以前に乗合馬車に乗ったとき震動と音が大きかったので、振動を吸収してしまう構造を付け加えまして、さらに乗り心地を良くする魔法が掛かっています。音も同じで騒音を遮断する魔法が効果を発揮していますね。 他にも室内の温度や湿度を快適に保つ魔法があるので快適さが売り物です 」


「 ・・・ こ こ こんな馬車 王侯貴族だって持ってませんよ リック様って本当に天才なのですね はぁぁぁぁ ホント素敵です 」


あらら ちょっとやり過ぎたかな・・・またノエルさんの視線が熱いよね。


他にも色々速度とか耐久性、それに防御力の話とかあるのだけれど・・・ うん それはしない方が良いだろうな。

まぁでも、街への到着があまりに早すぎて分かってしまうか・・・ まぁその時はその時で



本日もお読みいただきまして、誠にありがとうございます。

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