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創り出す?

こんばんは 今日のお話しでございます、お読みいただけると嬉しいです。

生命神様の贈り物を受け取った僕らはその後順調に坑道を進み、迷うことも大きなトラブルもなく無事に通り抜けることが出来た。


坑道の出口から見た外界は午後の穏やかな日差しに照らされた開けた場所だった。




「 ふあぁぁぁ お日様が眩しぃですニャ 」


「 フェオもです うーーーーん 少し寒いけれど 気持ちが良いです 」


坑道はそこまで極端に狭かったわけではないのだが、やはり圧迫感があったようで、季節は冬だけれど明るい陽の光の下でみんな思い思いに体を伸ばしている。


「 まぁとりあえず無事に出れてよかったぁ。  ところでセオ、場所は合ってるかな 」


「 あい、確認しましたが 予定通りの場所です 問題ありませんわ 」


セオは坑道から出た時から場所の確認をしてくれていたようだ、竜種の知識としてランドヴェールの天測データーがあるようで太陽の位置等から予定通りの場所に出たことを確認できたようだ。本当に助かるなぁ出来た女房を貰えて僕は幸せものだ。


「 ノエルさん 」


「 は はいっ 」


僕の側で小さく伸びをしていたノエルさんが慌てて返事をしてくる。


「 まずは無事にナール王国入りできました。 この後は一番近くの町で情報を収集し、クレイファ共和国を目指します。しかしながら当然追手もかかっていると思われますので行動は慎重になります。どうかご容赦ください 」


「 こちらこそ本当に感謝しております。リック様にお会いしていなければ無事に逃げ切れたかも怪しい物です、ご面倒をおかけしますがこれからもどうぞよろしくお願いいたします 」


ノエルさんは深々と頭を垂れ、丁寧に感謝の意を伝えてくれた。



この可愛らしいお姫様をとにかく無事に目的地まで連れて行ってあげないといけないなぁ。


問題は追手の連中だ、当然ナール王国内にも監視の目はあるだろうからうかつに町に立ち寄れば監視網に引っかかる可能性はある。

まぁ見た目は電子魔法で誤魔化せるけれど、それも決して万全ではない。

ある程度熟練した魔法師であれば外見を魔法で偽装していること自体は見抜ける、正体までは分からなくても魔法で偽装している人間自体滅多にいないので怪しまれることは間違いない。

怪しまれれば尾行されたり素性を調べられてしまう。

そもそもまともに国境を越えていないので、官憲のお世話になるわけにはいかないのだ。


幸いにして食料は十分にある、これに関してはユーンの高位収納魔道具に大感謝だ。そのため特に町に立ち寄らずクレイファ共和国を目指すことも可能なのだが・・・

問題はこの季節であり、今年の気候か・・・


坑道内では年間を通して気温がほぼ一定であり問題なかったのだが、外界はすでに冬に入っている。

冬装備も用意はあるのだが、雪の中で野営するのはノエルさんには厳しいだろう。しかもこの冬は例年より雪が多いらしい・・・

精神的な疲労も蓄積しているはずだし、なんとか屋根のあるところでゆっくり休ませたいのだが。


『 ご主人様 よろしいですか 』


僕が考え込んでいると、ミーネが話しかけてきた。


『 ミーネ 丁度良かった 何かいいアイデアある? あったら教えて欲しいな 』


幸い坑道から出た今日は穏やかな天気で、日も当たっているので今は良いのだが

周囲には雪もところどころにあり、太陽の位置と時刻から判断してあと2時間もすれば太陽は山のかげに入ってしまい気温は一気に低下するだろう。


『 宿に泊まるのが困難でしたら、ご主人様が御創りになってなってしまえばいいではありませんか  簡単なことです 』


『 えーと・・・ ミーネさん 』


なんとなく何処かの王妃様のような発言が飛び出しましたが、ミーネさん突然何をおっしゃいますやら。


『 ご主人様はご自身を過小評価しすぎです もっと自信をもってくださいませ!! 』


『 え、 あ、 はぃ すみません 』


何か怒られてしまいました・・・ でも自信を持ったところで宿屋を作るのは結構大変だし、時間も相当にかかりますよねぇ。


『 神々からの祝福を得て、尚且つ複数の精霊からも祝福を得ている精霊始祖なんて前代未聞な存在なんですよ ご主人様はその気になればこの世界を手に入れることだって出来ます 』


『 またまたぁ 冗談にしても話がデカすぎるって、リアルじゃないよ 』


ミーネが僕を買ってくれるのは分かるけど、いくら何でも身贔屓が過ぎるでしょ。


『 冗談などではありません、もちろんご主人様がそんなことをするはずが無いことは承知しておりますが、ご自身の能力はご理解ください。 単純に戦闘力では御父上には敵いませんが、魔力や魔法行使、魔法作成の能力等はこの世界において他者を寄せ付けない程の力になりつつあります 』


『 え・・・ マヂですか・・・ 冗談とかではなくて・・・ 』


『 神様に誓って、本当の話です 』






えーと、どうも気づかないうちにとんでもないことになっていたようです。


まぁトォーニ様だけではなくて、創造神ロヴェルワイズ様の贈り物も受け取ってしまったし、生命神エーリーシャ様からは贈り物だけでなくて祝福もいただいた。

4大精霊では土精霊次席のデニエ様と火精霊次席のレイア様からも最大の祝福を頂いてしまったのだよねぇ。


どうやら一連の出来事ってとんでもなく凄いことらしい・・・



改めて滾々とミーネに諭されてしまいました。



『 ありがとう、ミーネ 』


『 いえ、こちらこそ出過ぎた真似をしてしましました 』


ミーネは恐縮しているけれど、僕的にはとても理解できたし感謝している。


『 でさ、話は戻るのだけれど 』


『 はい、宿の件ですよね 』


『 そうそう それだよ 』


さっきのミーネの話しぶりだと、宿をどうにかできるってことなのかな?


『 そうですね 完璧な宿というわけには行きません いくら魔導創造でも人間は作り出せませんから従業員がおりません。 まぁご主人様が熟達すればホムンクルスでも創り出して仕事を任せることも可能かもしれませんが、いずれにしても教育が必要ですね まぁそれは将来の楽しみにしましょう 』


『 え、 あの、ミーネさん・・・ 魔導創造とかホムンクルスとか ・・・ 一体何をおっしゃっているのかな 』


えーと、ミーネさんに説明を求めないといけないようです。




お読みいただきありがとうございます。 陽の当たるところに出てこれましたぁ。

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