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明けましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。

これが今年最初の投稿でございます。

「 さて、出発しようかぁ 」


朝からドタバタしたけれど、みんなに声を掛けて仕切り直しの上で出発です。

まぁ坑道内なので電子魔法の時計機能が頼りなのですけどね、おそらく今は午前9時ごろ。

早朝から金貨だぁロヴェルワイズ様のギフトだぁで予定より出発が遅れてしまいました。

なので今朝の朝食は簡単に済ませて先へ進むことに。


一部食いしん坊奥様達からブーイングが上がりましたが、昼ご飯と夕飯を豪華にすることと夜にはデザートを出すことで納得してもらいました。


「 あい、主様 並び方は昨日と一緒で良いでしょうか? 」


「 うん、基本隊列は変更なしで行くよ セオ今日もよろしくね 」


というわけで、セオが先頭で今日も元気に出発です。






変り映えのしない坑道内を歩き出して暫くすると、マーサが話しかけてきた。


「 なぁなぁ リックぅよぉ  結局のとこロヴェルワイズ様のギフトって何だったんだい? 」


あの後、ロベルワイズ様の贈り物箱から出てきた喋るカードさんは、一通りの説明と質問を受け付けた後に僕らの目の前で光の粒になってから僕の体に吸い込まれてしまった。

でも、僕の体内に取り込まれたからといって、力が強くなったとか進化するとか、ましてや変身できるようになったとかも無いと思われる。

実際に変身とか出来なかったし・・・

あと、もしかしたらと思ってステータスオープンとか鑑定とか色々と叫んだり、念じてみたけれどセオに心配されただけで何も起こらなかった。

うーん 残念だぁ そういう便利システムはやっぱりこの世界にはないらしい。


「 まぁ 創造神様の贈り物だからきっとすごくいい物だよ。 ほらカードさんの説明でもさぁ いずれ明らかになるみたいなこと言われたし、きっと僕がさらに成長しないと効果を発揮しないのかも知れないよ 」


「 ふーん まぁ最初の革袋には結構なお金が入っていたし別にいいかぁ。 なぁリックぅ あれだけお金有ったらさぁ 家が買えるかな 」


「 そうだねぇ 場所にもよるだろうけれど買えるかもしれないね 」


マーサにとっては効果の見えない超レアアイテムより金貨の方が嬉しかったようだ。


「 楽しみだよぉ これでもっと稼げばさぁ きっと良い家が買えるよね リックが欲しがってるお風呂の付いた家にしようね 」


「 うん 頑張るよ お風呂が入れるようになったらマーサと最初に入ろうね 」


「 えへへへ  ぅん 嬉しいよリックぅ  楽しみだねぇ 」



そんな妄想的なことを話しながらどんどん坑道を奥へ進んでゆく。




まだまだ坑道は続いているのだけれど、しかし段々と坑道というよりは自然の洞窟を手掘りで広げたような自然に近いものになって来ている。

坑道として利用されていた部分はそろそろ終わりかもしれない。

しかし相変わらず道の分岐は多く、〈MAP〉で見ていると迷路のようだ。


これは普通に通れば間違いなく迷ってしまうだろう、しかもどうやらこの辺りからは通路には罠もあるようだ。

これで魔物が出れば正にダンジョンだけど、この世界には魔物は今はいないはず・・・


「 主様 罠を解除したので先に進みます 」


セオから声がかかったので行動再開です。



セオの解説によると、罠も徐々に高度で危険度の高い物になっているらしい。

最初の内は痺れ薬や単調な攻撃が主体の罠だったようだけれど、徐々に大規模な落とし穴や致死性のガス、二重三重の罠が仕掛けられている等、難易度危険性も高い物になって来ているようだ。

僕と奥さん達だけならば、多少強行突破しても護りがはたらくので大丈夫なレベルの罠らしいのだけれど、護衛対象のノエルさんに身体生命の危険影響を与えるわけには行かないので、きっちり罠を解除してからの行動が必要で慎重にならざるを得ない。

そのためどうしても進行速度が低下中だ。


「 すみません 私が足手まといですよね・・・ 」


ノエルさんが申し訳なさそうに謝ってくる、罠の解除に手間を取られていることが気になっているようだ。


「 気にしないでください、ノエルさんの安全が第一ですから 」


実際に期限がある護衛任務ではないし、そもそもこの坑道を通り抜けることで相当なショートカットになるから多少時間が掛かろうが問題ないのだ。


「 リック様は本当にお優しいのですね。 私は困ってしまいます ・・・ これ以上・・・ 」


真っ赤になって語尾が消えてしまうノエルさん。

とにかく今は無事にこの子を安全なところまで送り届けてあげないといけない。


「 みんな兎に角慎重に行くよ 」


僕たちは警戒しながら坑道内を一歩一歩進んでいくのだった。







暫く罠もなく、どうやら順調に進めていると思っていた矢先にそれは起こった。


「 主様・・・ おかしいです この先で道が塞がれています 」


先頭を歩いているセオが声を上げる、どういう事だろう今まで電子魔法の〈MAP〉で確認しながら進んできてこんなことは一度もなかった。

そもそも〈MAP〉はリアルタイムの情報であり、セオが指摘する行き止まりのような壁も〈MAP〉には表示されていない。


行き止まりの壁に触れてみるが周囲と同じ岩肌だ、叩いてみるが少なくとも薄い壁のような音ではない。


「 うーん これも罠なのか、それとも何らかの魔法が掛かっているのか 」


〈MAP〉自体に妨害の魔法が掛けられることはエイシアさんが過去に実践しているので、元々通れない行き止まりなのか。

壁自体が魔法の罠で解除できる性質なのか、それともここで足止めすること自体が目的の罠なのか・・・


もし最後のケースだとすると何らかのアクションがあるはず、例えば後方より脅威がやってくるとか

そうなると逃げ場はなく必然的に戦わざるを得ない。


「 マーサ 〈MAP〉で後方を監視強化!! 」


「 任せてぇ 」


マーサが魔法で確認しているけれど、今のところ生命反応は無いようだ。




「 リック様ぁ 後方から移動してくる反応があります 」


フェオが〈感知〉で何かを捉えたようだ。


「 フェオぉ 場所はどの辺りだい 最後の分岐よりこっちかい?それとも向こうかい? 」


「 マーサ姉様 場所は多分分岐点よりこっちよりです フェオのセンサーの感じだと普通に歩くくらいの速度でこっちに向かってきています 」


どうやらフェオの電子魔法〈感知〉が何かの移動を捉えたようだ、電子魔法〈感知〉は金属を媒介にする新魔法で土中に含まれる金属成分を電子魔法で特定のセンサーと化し振動や音響を補足できるのだ。

坑道を移動しながらフェオが魔法を行使し、鉱脈に残る銅を含む地面や壁面をセンサー化したのが功を奏した。


複数のセンサーが有るので、探知範囲内であれば移動速度や移動方向も確認できる優れものだ。


「 その場所辺りにやっぱり反応は無いよぉ  リックぅ これって妨害されているのかな 」


フェオの〈感知〉魔法による音響や振動センサーには反応しているが、〈MAP〉には反応が無い。

マーサの言うように妨害を受けている可能性もあるが、もう一つ考えられるのは〈MAP〉に反応しない存在の可能性。

例えば魔操兵ゴーレムのような無生物や式神のような純粋魔法的存在は〈MAP〉に反応しないはずだ。


「 妨害なのか、魔操兵ゴーレムみたいな存在か。 いずれにしても行き止まりでこのタイミングで現れたことから考えて、敵性存在として警戒して損はない 」


僕は坑道内に入る前に、予め打ち合わせた通りに隊列の変更指示を出した。


行き止まり部を背にしてセオと僕が前衛となり、ノエルさんはマーサがガードする。 そして行き止まりの壁もリスクがあるために、フェオとユーンが後方を警戒しつつ後衛として援護にあたる。


行き止まりとなっている付近はそれまでの通路より広い空間となっており、戦闘が可能というかそういう狙いのある地点の可能性もある。

こうなるとやはり罠の可能性が高いようだ、さて鬼が出るか蛇が出るか。


「 ユーン 武器とポーションを出しておいて 」


坑道内は狭いため僕の刀のような長い武器はしまっておいてもらったけれど、ここはそれなりの広さもあるので出しておいてもらおう。

戦闘なんて出来れば避けたいけれど、降りかかる火の粉は払わないといけないのだ。


2017年最初の投稿をお読みいただきまして、誠にありがとうございます。本年も平常通り元日より投稿いたしております、どうぞよろしくお願い申し上げます。

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