レアの最上級は
こんばんは 大晦日でございます。本年最後の投稿になります。
「 おぉぉぉぉぉ どんどん来いやぁぁぁぁぁぁ 」
「 休みなしで入れますニャ 」
「 あぁぁぁぁ ちょちょっちょっとぉ 続けえわぁぁぁぁ ひぃぃぃぃ 」
「 ポル様ぁ頑張るのですニャン 」
ポルちゃんへの金貨投入は何だか大変なことになっているけれど、そうだね金貨は沢山入ってたしまぁ頑張ってもらおう。
「 じゃあこっちの箱を開けて見ようかなぁ 」
「 はい、はーい フェオに開けさせてください!! 」
元気よくフェオが手を挙げて目の前で跳ねている。
目の前には金貨の入った革袋と共に入っていたもう一つの箱がある。
「 じゃあ 開けて良いよ 」
「 やった!! 」
嬉しそうにフェオが箱を持って蓋に手を掛けるけれど、固いのか固定でもしてあるのか、開けられないようだ。
「 開かないかな? フェオ 」
「 うーーん かだいでずぅぅ 」
顔を真っ赤にして力を込めるフェオ。うんうんと唸っているけれど一向に開く気配がない。
「 もしかして、これも魔力を流さないとダメなのかな 」
「 えーーー だから開かないのでしょうか 」
とりあえずフェオから一旦受け取って掌を蓋の上に置いて魔力を流してみる。
暫く流していると、箱が急に輝きだした。
「 えぇぇぇ 色が金色に変わりましたぁ 」
「 おぉぉぉ これはレアに進化したのかな 」
ポルちゃんが出た時には箱が金色に輝いたから、これもレアかも知れない!!
でも魔力がまだ流れる感じがする、この感触はまだいけそうだ。
金色に輝く箱にさらに魔力を流し続けると、輝きがさらに増してゆく。
さっきの外箱は銀色に輝いた時点で魔力を受け付けなくなったのだけれど、今回は違う。
とりあえず流せる限り流してみよう。
「 ふぁぁ リック様ぁ眩しいですぅ 」
フェオが思わず目をふさぐ位に眩しさが増してゆく、まさか爆発とかしないよな。
なんとなく怖いので魔力を流すのをやめようとしたのだけれど・・・
「 何か 勝手に魔力が流れてゆく 」
「 え、えぇぇぇ リック様ぁぁ 」
フェオが止めてくれようと手を掴んで剝がそうとするのだけれど吸い付いたように離れない。
必死で引っ張るフェオをマーサもセオも手助けするのだけれど
「 いだだだ 痛いぃ 」
引っ張られて腕がちぎれそうだよぉ
「 ふぇぇぇぇ リック様ぁ 」
「 リックぅ あたいが何とかしてあげるからぁ 」
「 主様ぁぁぁぁ 私が変わってあげますからぁぁぁぁ 」
みんなの声が悲鳴に変わりつつある頃、眩しい光が虹色に変わったと思った瞬間、魔力供給が止まり手が離れた・・・
いや蓋が開いて手も離れて必然的に引っ張っていた僕とみんなは、反動で吹っ飛ばされた。
「 ・・・ いたたたたぁぁ 」
「 ふえ~ん 痛いです 」
「 主様 お怪我はありませんか 」
吹っ飛んだ拍子に転んだけれど、みんな大丈夫かな。
「 マーサ、怪我してない? 」
「 う うん あたいは大丈夫 少し擦りむいたくらい 」
「 ふえぇぇ 少し痛いけど フェオも平気です 」
フェオは何処かぶつけたようだ、治癒の魔法が必要かな?
「 セオは・・・ 平気そうか・・・ 僕は大丈夫だから フェオを見てあげてね 」
セオは既にすぐ側で回復魔法を僕に使用していた、素早いねぇ。
「 あい、フェオこっちにおいでなさい 」
「 あーん セオ姉様ぁ 少し痛いのです 」
フェオが自分の腕を押さえながらセオの元へ近づいてくる。転んだ時にぶつけたようだ。
まぁ派手に吹っ飛んだからねぇ。
「 なぁ リックぅ蓋が開いてるよぉ 」
マーサが最後は虹色に輝いた箱を持ってきた。蓋は既に開いており、蓋も箱本体も眩しくはなくなったが、いまだキラキラと虹色に輝いている。
そしてマーサに手渡された箱の中には、カードが一枚だけ入っていた。
「 何だろうこのカード? 」
手に取ったそれは唯の白いカード、表面には文字が書いてある。
「 ロヴェルワイズ・・・ でいいのかな? 」
カード表面の文字を口に出して読んでみた。
『 はぁぁぁぁぁっぁぁ リリリリリリリック様ぁ いい今今今何とぉぉぉぉ 』
突然ミーネがものすごいボリュームで叫び声をあげた。
『 ミーネ もう少しボリューム下げてぇ びっくりさせないでよぉ 』
『 こ、これが叫ばずにいられますか さっき、何ておっしゃいましたかぁぁぁ 』
『 え、 カードの文字を読んだだけだけど、読み方間違えてた? ロヴェルワイズじゃないの? 』
『 うひゃぁぁぁ やっぱりぃぃ・・・ でも、虹色に輝きましたし でもでも 聞いたことがないのですけどぉ 』
何かミーネがブツブツ言ってるよ、どうしたのだろう?
「 なぁリックぅ この蓋の裏になんか書いてあるよぉ 」
今度はマーサが蓋の裏に気が付いて持ってきてくれた。
「 んー どれどれ えーと・・・ このカードは新たに生まれるであろう5番目の精霊魔法始祖への贈り物である・・・ 受け取ったならカードの裏面に名前を記載して魔力を流すこと。その後は勝手に進行するので、早く名前を書くように・・・だって あ、あと最後に署名があるね。 んーと 創造神 ロベルワイズ・・・ あぁカードの表面に書いてあったのってこの人の名前かぁ 」
どうやらまず名前を書かないといけないようです・・・。
「 リックぅ はいこれ 」
声に出していたので、マーサがボールペンを出してきてくれました。この世界に来るときにいっぱい持ってきたのでみんなにメモ帳と一緒に持たせているんだよね。
「 ありがとう、これで書けるね カードの裏面に 名前を記入っと 後は魔力を流してぇ 」
『 ちょちょちょっとぉぉぉぉぉ リック様ぁぁぁぁ さらっと流さないでくださーい 創造神様ですよぉ やっぱり創造新様のぉ ギフトじゃないですかぁぁぁぁぁ えええ偉いことなんですよぉ とんでもないことなんですよぉそれってぇぇぇぇぇ 』
『 あぁ やっぱり・・・ そうなんだぁ 努めて冷静にスルーしたら良いのかなぁと思ったのだけど、やっぱりだめか 』
だってねぇ何、その創造神って どうしろと トォーニ様だって大概驚かされたのにさぁ 創造神って名前からしてねぇ 明らかに管理神より上の神様っぽいでしょ・・・ ねぇ
『 あ、あったり前ですぅ 創造神様はぁ全ての世界をお創りになった最大にして原初の神様で、全ての世界をお創りになった神様なのです 』
その後も延々と続いたミーネの熱弁を要約すると。
地球やランドヴェール、他にも無数にある世界の全てをお創りになったのが創造神であるロヴェルワイズ様、そしてその創造神様の創りあげた世界に命の吹き込んだのが生命神様達(数千柱程おいでになるらしい)。そして生命がはぐくまれ文明が芽生えた世界を管理しているのが世界の数だけいらっしゃる管理神様達、その中のお1柱がランドヴェールの管理神であるトォーニ様とのこと。
すなわち、ロヴェルワイズ様は全ての神々の頂点にして創造主。その創造主様の贈り物というのはミーネの知識の中にも一つしか例がないらしい。
過去の一つには正に伝説の何かが入っていたらしいのだが、詳細は伝わっていないとのこと。
ちなみに今回のカードは一体どんなモノなのか、全くミーネにも想像がつかないらしい。
「 なぁ リックぅ 何かカードが光ってるよぉ 大丈夫かい 」
ミーネの説明を聞いている間にカードに魔力が流れきったらしい。
「 え、 あ ホントだ 」
どうもさっきの事があったので光りだすと少し怖いね。
「 リック様ぁ 何かカードから声がします 」
光ったり音声が聞こえたり、忙しいカードだねぇどうも。
「 ・・・ あ あ あ テステス 聞こえますか 」
「 は~い 聞こえますよぉ 」
カードの問いにフェオが答えている。
「 それは良かったです、何しろ喋るのが数千年ぶりなもので ちゃんと伝わって良かったです 」
「 ・・・ はぁ それは大変にお疲れ様です 」
「いえいえ 仕事ですから。 あ、貴方様が始祖の・・・ えーと リック様ですね 」
まぁ署名したし名前も知っているか。
でも、カードが喋るってシュールだよなぁ、でもそんなに驚きがないのは喋る貯金箱とか精霊さんとかで慣れたのかな。
「 はい、僕が電子魔法始祖のリックです 」
「 えーと 私はロヴェルワイズ様のギフトであるカードです 」
「 カード・・・ですか そのままですね 」
「 はい 左様です。 この説明が終わり次第、私はリック様に吸収されてお力になります、その効力や用途はいずれ明らかになりますが必ずやリック様のお役に立つはずです 」
「 うーん 良く分りませんが 僕に拒否権は無いのですよね 」
「 はい、署名して魔力を流されました時点で契約は成立しております まぁご安心ください 創造神様のギフトですからそれはもう素晴らしいモノです 」
うーん 日本だったら絶対に信用できないけれどこの世界だと信じるしかないよね。
『 大丈夫よぉ リッ君!! 』
甲高い声の念話が届く、この声は阿佐ヶ谷のオジさんことトォーニ様
『 オジさん!! 』
『 本当にラッキーだねぇ ロヴェルワイズ様の贈り物は超レアだよぉ どのくらいかっていうとレア過ぎてほぼ生肉だよぉ あ、それはステーキかぁ 』
親父ギャグが炸裂しました・・・ まぁトォーニ様も喜んでくれているし受け取らないとねぇ。
さて何が起きるのかなぁ。
お読みいただきましてありがとうございます。来年もよろしくお願いいたします。




