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黒猫さんの告白

こんばんは 本日の投稿になります。

昨日からはフェオ向けの新しい魔法を開発したり、仮想空間でのフェオの練習を見学しつつ過ごしていた。

もちろんノエルさんの護衛の準備も怠りはない。




「 とりあえずしまう荷物はこれで全部かな 」


「 あい、各自が持つもの以外は全て分別して準備出来ました 」


食料や予備の装備、それに着替えや薬品類その他。

人数も増えているし、今回は護衛対象もいるのでとにかく荷物が多い。まぁなるべく避けたいけれど戦闘も可能性はあるしね、護衛任務だし避けて通れない。


そんなわけで荷物整理の為にセオに付き合ってもらって、別に借りている宿へ来ています。


この量を見ると本当にユーンちゃんが居てくれて良かった、つくづくそう思う。


さて、ユーンちゃんを呼ぼうかなぁ。

そう考えていたら、目の前に突然黒猫さんが現れて、倒れる様に僕の腕の中に飛び込んできた。


「 はわぁぁぁぁぁぁ   勢いが付きすぎたニャン 」


「 えぇぇ ユーンちゃん 」


「 はいですニャン。 何か呼ばれた気がして急いで飛んできましたニャ でも勢いが付きすぎて・・・ ふわぁぁぁ そんな優しく撫でられたらぁぁぁぁ 」


つい可愛いし、触り心地が良いので頭を撫でまわしてしまった。

うんこの手触りは癖になるよねぇ。


「 主様ぁ 」


セオがちょっと低い声で呼びかけてきた。いかんいかん、つい黒猫ちゃんを構い過ぎてしまった。


「 いや、ほらね 危なかったからさぁ 転んだら大変だし ね 」


僕は慌ててユーンちゃんとの距離を空けるのだった。


「 はい、危ないところを支えてもらいましたのニャ ありがとうなのですニャン 」


「 まぁ 良いのですけれど。 ユーンさんとお呼びしてよろしいですよね、改めましてよろしくお願いいたします。荷物を預かっていただけるそうで感謝しますわ 」


セオは優雅にお辞儀をしながらユーンちゃんに声を掛けてくれた。


「 ひゃい 少しでもお役に立つように頑張りますニャ   あ、そういえばご注文いただいていた装備品も持ってきましたが どうしますかニャン 」


「 それは主様にお渡しください。ところでユーンさん、一つお聞きしたいのですがよろしいかしら 」


「 私でお答えできる事でしたら 聞いてくださいニャ 」


セオは何が聞きたいのかな、何か気になっているのだろうか?


「 あい、ユーンさんでないと答えられないことですわ 」


「 ひゃい  ニャン 」


何かユーンちゃんプレッシャーを感じているのかな、大丈夫だろうか・・・

でもここで変に口をはさむと、セオが怒りだしそうだし少々様子見かな。


「 ユーンさんが最初にいらしたときは、そのような語尾は付いていなかった筈ですよね、その語尾は主様のリクエストで付け始めたと思いますけれどその認識でよろしいかしら 」


「 ひゃ・・・ひゃい その通りですニャ 」


「 ユーンさん、あなた主様のことが好きなのですね。ですから気に入られたくてその語尾をつけていらっしゃる、そういうことですよね 」


「 ひゃ ひゃん  にぁぁぁぁぁ うぅぅぅ   」


なんかユーンさんが言葉に詰まっている、いくらなんでも可哀そうだよね。淡々と攻めてくるセオって少し怖いし・・・


「 セオ、そんなこと言ったらユーンちゃんが困ってしまうよ。ね 」


「 わ、わ 私ぃぃぃ リック様の事大好きなのです もう我慢できニャいのです ふぇぇぇぇぇ 」


えぇぇぇ ユーンちゃん泣き出してしまったよ。

女の子の涙には弱いんだよ、どうしたらいいのかなぁ


セオはユーンちゃんの言葉を聞いて何か頷いているし。







僕がどうしていいものか途方に暮れていると、セオがユーンちゃんをそっと抱きしめてあげた。


「 泣かなくていいのですよ。 主様をお慕いするのは当然のことなのです、ましてや貴方は使い魔であり使役者であるポルさんへの遠慮もあって相当に我慢なさっていたのでしょう 」


「 ひゃ ひゃいぃぃぃ えぐぅ  」


ユーンちゃんは泣きながらセオの言葉に頷いている。


「 主様、お聞きの通りですわ 後は主様のご決断次第。この子をどうなさいますか 」


「 うん、ユーンちゃんは可愛いし素敵な子だよね。僕のことを好きだって言ってくれるのもとても嬉しい。 だからポルちゃんにお願いして、まず使い魔から解放してもらおうか 」


それを聞いたユーンちゃんは、さらに泣き出してしまいセオの服は涙でびしょびしょだ。

セオって実はとっても面倒見のいい子だよね。








その後何とか泣き止んだユーンちゃんは、我に返って急に恥ずかしくなったようで・・・


「 ほんとごめんニャさい 恥ずかしいぃぃぃ ニャ~~~ 」


うん、でも可愛いから許す。


「 まぁ落ち着いたところでポルさんにお願いしてみましょう、ね 主様 」


セオがウインクしながら伝えてきた


「 そうだね 大丈夫だよ 」


僕は恥ずかしがって悶えているユーンちゃんの頭を撫でてあげた。そしてあっというまに撫でられるがままの可愛い黒猫さんは、嬉しそうに喉を鳴らしている。

猫族って喉を鳴らすんだね、本当の猫みたい。それともユーンちゃんが使い魔だから猫の性質が強いのかな?

色々と謎は深まっていきますね。


「 あい。 それはそうと ユーンさんは荷物をお持ちになられたのではなかったですか 」


セオの発言を聞いたユーンちゃんが慌てだした。


「 にゃーーーーー そうでしたニャン   私としたことが、すっかり忘れていましたニャーーー 」


大慌てで左腕の腕輪に触れると、目の前にいくつかの箱が現れた。

収納魔法でしまってあったようだ、本当に便利だねぇ。


「 おお、ありがとうユーンちゃん 」


「 いえいえ お渡しするのが遅くなって申し訳ありません 」


大き目の箱の中には、腕輪と指輪が3つ入っていた。

マーサが付けている物と似ているけれど、これも神様の作ったものなのかな?


『 はい、その通りです 』


ミーネがすかさず疑問に答えてくれる。


『 でも、筆頭嫁用ではないよね。マーサはもう持っているし 』


『 はい、トォーニ様作の 始祖の嫁専用シリーズだと思われます 』


『 なにそのネーミング まぁ分かり易い名前ではあるけれどねぇ 』


どうやら腕輪と指輪は精霊魔法始祖のお嫁さんにしか使えない例の装備品らしい。

マーサのはさらに筆頭嫁専用というさらに限定されていた物だったけれどね。


『 当然のようにトォーニ様が全ての物を既にパワーアップしてくれているようです 』


まぁ至れり尽くせりだぁ、ますます阿佐ヶ谷の方角に足を向けて眠れないね。


『 でも3個って セオとフェオと・・・ 』


『 とりあえずほぼ確定のユーン様の分ではないですか     ふんっ 』



なんかミーネが少し怒っているようです。




気が付くと、セオがじーっと腕輪と指輪を見つめている。


「 一組はセオのだよ。トォーニ様作の 始祖の嫁専用装備品だって 」


「 あい~ 嬉しゅうございます 」


蕩けそうな笑顔で見つめてくるセオ。


「 こっちかな 」


ご丁寧に指輪にも腕輪にも値札のように番号が書いた布切れが結んであった。

番号は2と3と4、必然的にセオのは2ということだろう。


「 つけていただけますか 主様ぁ 」


「 うん 」


僕はセオの左手の薬指に指輪を、右腕に腕輪を通す。


セオの白い肌に吸い付くように指輪も腕輪もピッタリとサイズが変化して嵌り、途端に光輝き始める。


指輪はマーサの物とは違って、金色に輝く少し太めのリングに変化し、石は真紅のルビーだった。

腕輪はマーサと同じ金色に筋彫りが美しい物で、所々にサファイアがあしらわれている。


「 ありがとうございます 主様 大事にしますわ 」


指輪をかざしながらうっとりと見つめるセオ、うん喜んでくれているみたいだ。

3の数字のは後でフェオに付けてあげよう。


問題は4の数字の物だね


そう考えながら4の数字の一組を持っていると視線を感じた。

そう、じっとそれを見つめるユーンちゃんがそこにいた。


これって専用だよなぁ

わざわざ数字が付いてるってことは、完全に専用設計なのだろうし・・・うーん困った


もしユーンちゃんに渡しても嵌められなかったら・・・きっと泣いちゃうよね


『 ご主人様、勘違いされているようなのでお教えしますが トォーニ様の作られた始祖の嫁シリーズは始祖である方、この場合ご主人様ですね。その方が嫁にしたいと思う相手に渡して、お相手がそれを受け入れれば効力を発揮する物なのです 』


『 え、といいうことは・・・ 』


『 はい、この場合ユーン様がご主人様の嫁になりたいと思えば問題はありません。お互いの気持ちの問題だけなのです 』


『 なるほど じゃあ問題なさそうだから あとはマーサとフェオと・・・ 』


『 はい、アホ精霊です 』


ミーネさん・・・ アホ精霊って・・・ 結構ひどいこと言うよね

まぁまずはみんなの理解を得ないとね。

きちんと話をすればきっとわかってくれるから大丈夫。




僕は少し寂しそうに指輪や腕輪を見つめているユーンちゃんに話しかけた。


「 ねぇ ユーンちゃんは ポルちゃんの使い魔だよね 」


「 ひゃひゃい そうですニャ 」


突然話しかけられて少しびっくりした感じのユーンちゃんはこちらを見上げながら答えてくれた。


「 使い魔ってことは普段はどこにいるの? 」


「 普段は配送センターで待機ですニャ 」


「 は、配送センター??? 」


どうやらポルちゃんからの買い物の指令がくると、転移魔法を駆使して買いに行きさらにそれを配達するのがお仕事らしい。

基本的にユーンちゃん1人で対応しているので、ほとんどは配送センターにいるらしい。


ちなみに使い魔はお腹も空かないし、病気やけがとも無縁らしい。


「 でも、誰もいないし とっても寂しいのですニャ 」


そう話すユーンちゃんは少し悲しそうな眼をしていた。


「 使い魔になる前は何をしていたの? 最近でしょポルちゃんの使い魔になったのは? 」


「 以前のことはあんまり覚えていないのです。 ただ、私はこの世界の獣人さんとは違う気がしますのニャ 」


「 え そうなの 」


「 はい、小さい頃のことで覚えているのはこの世界とは全然違う風景ですニャン。建物ももっともっと大きくて すごく早くて危険な鉄の乗り物が走っていたニャ、獣人やエルフなんて見たこと無いですニャし。それにお母さんや兄弟は居ましたけれニャ、この世界で言うところの猫でしたし私もそうだったのニャン 」


そう語るユーンちゃんは遠くを見つめて何かを思い出しているようだった。

 


お読みいただきましてありがとうございます。

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