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昔から動物と女の子は大好きなのです

本日分の投稿でございます。少しずつ登場人物(ヒロインなのか?)が増えてきました。どうぞごひいきに願います。

子供のころ、小学校にあがる前。父ちゃんとの毎日の修行前に、何時ものように山の中で遊んでいた時の事。

山へアケビの実を取りに行った帰りだから秋だ。

獣道を家に向かって歩いていたら、どこからか動物の声がした。小さな声、もう少し風が強ければ聞こえない程度。

僕が声のする方へ向かっていくと、子犬と母犬がいた。正確に言うと母犬は息絶えていたんだ。

子犬は一匹だけ、まだ目も見えていなかったと思う。

どうしていいか分からなかった、犬は近所の爺ちゃんの家にいたけれどもう年寄りの犬だったし。遊んだことは無い、いつも寝ているし。

それにそばの母犬が死んでいるのも怖かった。舌が飛び出していて、毛もボロボロだった。

アケビを入れた袋、お土産に採ったそれも投げ出してその場から立ち去ろうと思うくらい怖かった。


「 ガー ギャー 」


それは突然あたりに響いた大きな鳴き声。

今度は怖すぎてびっくりして動けなかった。


暫くして目を開けて辺りを窺う僕の目に飛び込んできたのは、近くの木の枝にとまるカラスだった。


カラスは狙っていた獲物を僕に横取りされると思い、警告の叫びをあげたのだろう。


正直なところ僕は、小便を漏らしそうなくらい怖かった。

逃げ出そうと思った。

でもその時気が付いたんだ、足元にあの子犬が来ていることに。目もまだ見えない子犬、僕がいまここで逃げ出してしまったら、この子は確実に食べられてしまう。

そう思った僕の頭の中で、父ちゃんがいつも言ってることが聞こえた気がした。


「 弱い者いじめは絶対に駄目だ。自分より弱い子が助けを求めてきたら全力で守ってやれ、そのために強くなれ 」


修行中にいつも父ちゃんが言ってる言葉。

この子は必死に僕の足元まで逃げてきた、僕が助けてあげなかったらこの子が死んじゃう。

僕はそばにあった木の枝を拾うと、いつものように構えを取った。

手の震えが徐々に治まってきたところで、カラスをじっと見つめ気合を入れた。


「 えぇい 」


その時はカラスを追っ払えたと喜んだのだけれど、もしかするとカラスは興味をなくしただけなのかもしれない。

いずれにしても、その場から飛んで行ってくれた。


僕は足元の子犬を抱き上げると、とりあえずもう一つ持っていた袋に入れて連れて帰ることにした。

その前に、息を引き取っていたお母さん犬を埋めることも忘れなかったけれど。


家に帰ってからは、あっさりとルーちゃんに子犬の存在がバレたけど、しっかり世話をするのを条件に番犬として飼えることになった。

実に見事な雑種の中型犬、女の子で名前はカフェオって付けた。茶色の大人しいワンコだった。

何しろ田舎だし、近所には友達も居ないしカフェオは大事な妹だったよ。

15年近く元気に生きてくれたけれど、死んでしまった。最後は病気で仕方ないって獣医さんも言っていた。今でも良く思いだすうちのワンコ我が家の一員だった、今はお母さんのそばで眠っている。きっと虹の橋の向こうで再会してるよね。



なんかね、全然違うのだけれど。あの奴隷の子、カフェオを思い出しちゃったんだ。なんとなく色も似てるし、垂れた耳とか毛の感じ、それにカフェオも亡くなる前は目が悪くなってしまっていた。

もちろんあの子はカフェオじゃないのは分かっている、でも必死に僕の足に縋り付いてきた姿を見て、あのまま帰るなんて出来なかった。


後悔はしない、していない。


さぁマーサのお昼ご飯を買って帰ろう。

あとついでに、乗合馬車の状況確認だ。









「 えー 乗合馬車3日後以降ですか? 」


「 そうらしいよ さっき駅家うまやの人が来てこぼしててさぁ なんでも途中で足止めくらったらしいよ 」


お昼を買いに広場まで移動しマーサも気に入ったクレープにしようと思い、トアさんの屋台で出来上がりを待っている間に乗合馬車の話を振ってみたところ最新情報が手に入った。

まぁ残念なお知らせなのだけれど。


途中の道ががけ崩れで、迂回せざるを得なかったため、到着も出発も遅れるようなのだ。


出来上がったクレープを受け取った後に、その足で教えてもらった駅家うまやへ行ってみる。

駅家は乗合馬車の整備や馬を扱うところで、乗合馬車の乗車予約とかも出来るらしい。




「 あぁ 済まないが3日後以降としか言えないなぁ 」


建物の中にいた職員らしき人に声を掛け、乗合馬車について聞いたところ答えが返ってきた。


「 その便はまだ2名乗れますか 」


「 あぁ 2人なら問題ないよ。 乗るかい 」


「 はい 2名お願い・・・    えーとやっぱり3名でも平気ですか 」


「 あぁ問題ないよ それならちょうどあんたらで満員だ 」


とりあえず、席は確保できそうなので半金を置いて3名分の予約は出来た。乗車券のような木の札に魔力を流してもらい、乗るときにこれを持ってきて残金を払うらしい。


あの犬族の子も責任もって連れて行かないとね。うちの子になってもらおう。




「 じゃあ早くても3日後の昼の鐘が鳴ってからの出発ですね 」


「 そうだな、それより前に出発することはねぇよ 安心しな さらに出発が遅れるときは前日の夜迄に知らせるけれど、宿はどこだい 」


僕が白鹿亭に泊まっていることを伝えると、出発に変更があれば宿の方に連絡してくれるとのこと。


僕らが不在でも、宿の者に伝言しておいてくれるらしい。ありがたいことです。


その後の雑談で白鹿亭の話になり、名物のパイは美味いが親父さんの故郷の味だけはいただけねぇと言われたので、キドニーパイもハギスも美味しいと言ったらびっくりされてしまった、中々理解されない味らしい美味しいのにね。







そんなこんなで白鹿亭に戻ったのは昼を過ぎてしまっていた。

マーサがお腹を空かせているだろうなぁ。


『 マーサ 結界を解除しておいてね 』


部屋の入り口には結界を張ってあるので、解除しておいてもらうために念話を入れる。


『 はーいなのですぅ 』


マーサに話しかけたと思ったのに、返事はエイシアさんだった。


『 マーサは? 』


白鹿亭のおかみさんに帰った事を伝えながら、階段を上がる途中でエイシアさんに話しかけた。


『 魔法の練習を頑張りすぎて、ダウンしてますけど大丈夫ですよ 』


『 そういうことですか 』


部屋に入ると、ベッドの上には眠っているマーサ。

エイシアさんの話だと、とても熱心に練習していたらしい。


「 頑張ったね 」


ベットの端に腰かけて眠っているマーサの頭を撫でながら起こさないように小声で声を掛けた。


「 ん・・・ ぅみゅ 」 寝言を言いながら寝返りを打つマーサは可愛かった。











『 あの悪党どもへの対処は如何しましょうか 』


ミーネとの脳内会話で会議中


『 僕らは別に正義の味方じゃないし、マーサを守り切れればそれでいいよ。 乗合馬車の出発遅れが少し痛いけどね 』


出発は早くて3日後になってしまったので、先ほど帰って来た際に宿泊の延長と支払いは済ませてある。

問題はマーサを守る手段だ。今日は一日出かけなくて済ますとしても、明日以降もマーサを閉じ込めておくわけにもいかない。

それにここに泊まっていることは連中も知っているだろうし、さてどうするか。


『 こういうとき本来ならば役人にでも訴え出るのが筋なのでしょうが、今のところ連中の犯罪を立証出来ません 』


『 だからぁ 僕は正義のヒーローに成る気はないよ 』


どうもミーネは悪人を懲らしめたいようだ。なんか変なスイッチ入らなければいいけど。


『 ですからぁ 先手必勝で殺してしまうのですぅ 全員とは言いませんからぁ主犯格の何人かを殺ってしまうのですぅ 』


『 エイシアさんは簡単に殺すとか言わないの その件は禁止したでしょう 』


どうも精霊は極端に走る傾向があるようで、特にエイシアさんはそれが強いのかも。コントロールしておかないと本当にやりかねない。

始まりの精霊であるエイシアさんにとって、人間の1人や2人殺すのは造作もないことのようだ。

だからと言って、それを許容するわけにもいかない。僕が甘いのかもしれないけれど、人を殺すということはそんな軽いものであってはいけないと思う。

人だけに限らず、生き物を殺すということはその命に対す責任が生じるのだ。


「狩るのは食べる分だけ、自分や家族仲間に危険があるときには撃退する、出来れば殺さずに追い払え。殺すのは最後の手段にしろ」


日本で父ちゃんに言われてきたこと、僕はこの世界でもそれは守るべきことだと思っている。

殺すのは食べるため、これはゲームじゃない。


『 マーサさんの身に危険が及んだら躊躇しないのですぅ 』


『 その時は僕も相手を許す気はないよ、でも先手必勝はだめです。 まずは相手の出方を見て裏をかきましょう 』


相手の動きはエイシアさんの偵察で丸見えに出来るし、他にも考えていることがある。


『 ポルちゃん 』


『 おー、呼んだかい 主殿 』


突然目の前に現れる豚さん貯金箱のポルちゃん。こう見えても希少レア魔道具だ。

そういえば、ポルちゃんの機能って買い物だけなのかなぁ。


『 ねぇポルちゃんって買い物しかできないの? 』


『 そんなことねぇぞ、おしゃべりだって出来るし戦うことも出来るぞ 』


いやいや戦うポルちゃん想像できないし、それにそういう意味じゃなくてですねぇ機能というか・・・

聞きたいことをうまく説明しようとして念話に乗せようかと思ったのだけれども、ポルちゃんの話に続きがあった。


『 そ、それに・・・ どどどどうしてもって主殿が言うなら   そそそ添い寝とかも出来なくもないぜよ 』


ポルちゃんテンパりすぎて語尾が変になってますよ。相変わらず喋り方は男っぽいのだけど、声は可愛いよねぇ。


『 いや、ポルちゃんそれはまた今度ね 』


『 おう、任せとけ 』


まぁいいか買い物ができるだけでもありがたいのは確かだしね。


『 とりあえず 買い物がしたいのだけれど 』


そう言いながらエルフ金貨を取り出すしてポルちゃんの背中に入れてみた。


『 おおぉぉぉぉ いきなり来るねぇ さすが主殿男らしい 』


ポルちゃんにお願いしたのは、マーサを守るアイテム。物理攻撃や魔法から守る装備品。


もちろん有名な物は高くて買えないのだけれど、効果を知らないで単なるアクセサリーとして店頭に並んでいる可能性もあるとのこと。

まぁこれはミーネ情報なんだけどね。当然ポルちゃんは物の真贋を完璧に見抜けるから偽物を掴まされる恐れはない。



ただし買いたいものをきっちり伝える必要はある。

マーサを対象にした物理・魔法防御アイテムでマーサが使える物、尚且つマーサに悪影響を与えない物。

ざっくり言えばこんな感じ。


まぁポルちゃんは優秀だから基本的に大丈夫なのだけど、世の中には着用者に害を与えるアイテムや使用者を限定したアイテムもある。

これもミーネに教えてもらった話だけれど。ガードリングで高位魔法すら完全に防ぐアイテム、ただし使用出来るのは女性のエルフでしかも301歳の誕生日その日にしか使えないというもの。

まぁその1日だけは完璧に魔法から守られるらしい。

誰が何の目的で作ったのやら・・・



『 さすがにそんな都合のいいアイテムが安価で売っているどうかはタイミング次第ですね 』


『 あったぜ 主殿。  こんなのはどうかな 』


ポルちゃん仕事早い!!


ポルちゃんがイメージで伝えて来てくれたのは、物理攻撃に対しては最初の攻撃から2時間完全に守ってくれる指輪と、魔法攻撃を無効化できる腕輪。

別々の国で売っているのだけれど、買うのは問題なし。しかも格安。


『 すごい装備だね、でもなんでこんなに安いの 』


『 それはだなぁ 装備者が限定される品物だから単なる古臭いアクセサリーとしてしか思われていないんだぜ、みんな見る目がねぇなぁ 』


『 どんな限定なの 』


ポルちゃんが教えてくれた条件は・・・


『 精霊族の始祖である人間の筆頭嫁専用!? すごい限定だね 』


『 おそらくぅ トォーニ様の初期作品だと思いますぅ 』


まぁそうだろうね。それならデザインも古いはずだよ。


僕はポルちゃんにお願いしてその2つを買うことにした。




買い物をすると、当然の事ながら


「 お待たせしやしたぁ 毎度ご利用ありがとうございます 」


黒猫獣人の配達員さんが荷物を持って現れた。


あぁ猫耳も良いよなぁ。真っ黒で綺麗な毛並みだし艶々だ。

モフモフしてみたい、逆撫では嫌がるよなぁ尻尾も触りたいし。


などと妄想していたら、目の前に猫耳があった。


「 はい、お釣りです 」


例によって革袋に入ったお釣りを差し出している。


「 お釣りですにゃって言って欲しいなぁ そう思ってるのですぅ 」


「 そうそう、語尾は にゃ ってぇぇぇぇ 」


エイシアさんに心の叫びを代弁されたぁ!!!


「 ふふふ 良いですよぉ はいお釣りですにゃ いつもありがとにゃ 」


ちょっと恥じらいながらも快くリクエストに応えてくれる配達員さん。


やヴぁいくらい 可愛い~ 


「 喜んでもらえて良かったですにゃ  ・・・     えーとぉ  またごひいきにぃ 」


なんだろう、急に慌てて帰ってしまったよ。もう少しお話ししたかったのになぁ・・・残念 まぁでもまた買い物すればいいか


『 ご愁傷さまです 』 『 じゃあ俺も帰るぜ 』 『 ちょっと用を思い出したのですぅ 』


あれれ急にみんな帰ったりしてどうしたのかな?






「 ・・・    りっくぅぅぅぅ   」



えーとぉ後ろから・・・ベッドの方向から ものすごいプレッシャーが・・・


振り向く勇気が品切れ中です・・・

明日も投稿いたしますので、どうぞよろしくお願いいたします。現在風邪と真っ向勝負中です。

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