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潜入捜査

本日分の投稿でございます。よろしくお願いいたします。

朝です。


昨日の晩はたらいのお湯を貰いました。


さっき、朝ごはんをレイファが持って来てくれました。

本当は階下したで食べるのだそうですが、特別に持って行くようにおかみさんに言われたようです。


レイファの顔が真っ赤だったのは気のせいでしょうね。


マーサは起きようとしたのですけれど、まだ横になっているように言いました。


「 リックぅあたいがやるよぉ 」


持って来てくれた朝食をテーブルの上に並べていたらマーサが起き上がろうとしますけれど


「 ダメだよ まだだるいでしょ 」


「 はうぅぅぅ 」


何かを思い出したようで枕に顔を埋めるマーサ

多分真っ赤になってくれているはず、可愛い可愛い。


筆頭嫁として一生懸命に頑張ってくれたので、翌朝くらいは旦那として労わってあげないとね。



ちなみに朝食のメニューは、スープとパンに腸詰、林檎。パンは多めに持って来てくれたようで籠に山盛りだ。

パンは焼き立てらしく、温かくとても香ばしい。


テーブルはあらかじめベッドの方に寄せておいたので、マーサを抱き寄せてベッドの端へ。


「 なんかぁ あたいお姫様になったみたいだよぉ 」


清潔な部屋、朝から温かく美味しそうな食事をベットに腰かけて食べる。マーサにとっては夢のような生活らしい。


「 さぁ食べようか 」


マーサの隣に腰かけると、籠からパンを取り出してマーサに渡してあげた。


「 あったかいね どれも美味そうだよぉ 」


軽く祈りを捧げてから、楽しい食事が始まった。








「じゃあいい子で待っててね」


さんざん着いて行くとごねるマーサをやっと説き伏せて出かけるところです。


「やっぱり あたいも行くよぉ」


僕は何度目かの説得を・・・


要するに、マーサに昨日の今日で無理をさせたくないこと。

旅の疲れもあるし、今日はゆっくり横になっておくこと。


お昼ご飯は買って帰ってくるから、間違っても一人で出かけないこと。


こういった理由で、マーサはお留守番。


もちろんこれらも本当の事なんだけれども、言えない理由の一つとして、もしかするとマーサを狙ってる連中がいるかもしれないのだ。

エイシアさんが確認してきてくれたのだけれども、あまり性質の良くない連中がマーサのオッドアイに目を付けたらしい。

昨日町に入る時の行列でマーサを見つめていた奴とも仲間らしい。


『 あんな連中は先手必勝なのですぅ なんなら皆殺しですぅ 』


『 エイシアさん 物騒なこと言わないで 』


下手すれば本当にやりかねないからなぁ。


『 マーサ様に何かある前に先手を打つのは賛成です、エイシアもたまにはまともなことを進言できますね』


『 あたしは常に正しい精霊ですぅ やっぱ死あるのみなのですぅ 』


『 お願いですから殺すとか死なすとかダメですよ 』


もちろん僕だってマーサに何かある前に先手を打てるならそうしたいけれど、いきなり殺すとかはダメでしょ。

騒ぎが大きくなりすぎるし、基本狩りの獲物は食すが父の教えだからねぇ、人間食べるわけにはいかないし。

不必要な狩りはしないという基本方針もある。


もちろん降りかかる火の粉は払うし、攻撃は最大の防御ということも理解はしてる。


『 まずは相手の事を知らないと対策も打てないし、場合によっては逃げるのも手だからね 』


いつまでも逃げ回るわけにはいかないけれど、必要以上に騒ぎを起こしたくないのもある。


なので、エイシアさんが教えてくれた連中の居るところをまず偵察することに。

あと、乗合馬車の状況も調べておかないとね。

よくよく聞いたら、今日の午前中には到着予定が分かるらしい。馬を管理している組合が乗合馬車の運営もしてるらしくて、予約というか事前交渉も出来るらしい。

ちなみに到着予定は半日前くらいには伝書鳩で連絡が来るんだって。


『 とにかくまだ殺しちゃダメです 』


『 『  はーい 』 』






その時の僕は気が付いていなかった、僕を探して追いかけてきている人の存在を。






『 主様の命令であれば殺しません・・・    いえ、これは・・・ きっとそうです そうに違いないです。 主様は私を試しておられるのですね。私が主様の所有物として相応しい働きをせよと、あぁぁぁ なんと慈悲深い主様。取るに足らないゴミくずのような輩に対して、死という安易な罰ではなく。生きて己の不遜を恥じ、心から主様に詫びる機会をお与えになるとい海よりもさらに深い慈悲のお心。あぁ流石は主様です、私ごとき者にお教えくださる為にあえてこのようなことを。まさに私がすべてをささげるにふさわしお方ですわ。お誓い申し上げます、今宵までに全てを終わらせ主様のもとへ参ります。あぁぁぁ主様ぁぁ 』







その声が僕の耳にはまだ届いていなかった。







「 わかったよぉ 良い子で待っているからさぁ 早く帰ってきておくれよ 」


やっと本当に聞き入れてくれたようで、出かけることが可能になった。

ちなみにもう朝ではない、お天道様はそこそこ高い位置にある。


「 エイシアさんと魔法の練習とかしておけばいいよ 」


エイシアさんは実体化して、マーサのそばで手を振っている。いや早う行けというように手で合図しているようだ。


「 わかったよぉ 気を付けていきなよ 」


「 うん ちゃんと結界も張るんだよ 」


すでに何度目かのこのやり取り、僕が出かけたらドアに結界を張るように伝えてある。窓は既に展開済だ。


「 わかったよぉ リックぅ 早く帰ってきてよ お願いだから 」










あの後、エイシアさんがブチ切れたのと、ポルちゃんが怒りの乱入をして追い出されるように出かける羽目になった。

ちなみにミーネは話しかけても会話にならない、どうやらご機嫌斜めらしい。


仕方がないのでお手紙書いたではなくて、階下に降りて女主人に僕だけ出かける旨を告げてゆく。

何故か出かけるときに御馳走さまと言われた、なんでだろう。



マーサを狙っている可能性のある不届き者の情報はエイシアさんから入手済みなので、まずは偵察。

どうやら主犯は奴隷商人らしいので客のふりをして情報収集をすることに。

当然のことながら僕の顔も知られているだろうけど、そこは電子魔法ですよ。


人目のない路地裏で〈光学迷彩〉を使用。


まずは別人に成り切ります。


年齢は上にして、髪の色も茶色に。服は商人っぽく変えて、店へ向かう。




「 ようこそ 」 店に入ると早速店員が近づいてきた。


『 この男は、酒場に来ていました 』


ミーネが必要に応じて情報を提供してくれるので助かる。


「 奴隷をお探しですね、当店はきっとお客様のお役に立てると思います 」


光学迷彩で偽装した服やアクセサリーは高価な物にしてあるので、店員にしてみれば鴨が来たくらいに思っているのだろう。


「 この店には噂を聞いてやってきたのですよ。 東方の貴重な獣人剣士も扱っているとか 」


「 よくご存じで、東方の獣人は今はおりませんが、西方のエルフなら美しいのがおりますが。


「 いやいや 東方の獣人が欲しい エルフは北方に限る 」


ここまで言うと、店員がニヤリと笑った。


実はこの会話符丁になっているのだ、特定の言葉を織り込んで受け答えをすることで確認を取っている。

こちらが告げるのは 噂と東方獣人 店員は西方のエルフ 次は北方 これはエイシアさんが昨日偵察で見つけてきた情報。


この店は奴隷の裏取引をしているらしい、違法な手段で連れてこられた奴隷を特定の好事家に売りさばいているらしい。


「 こちらへ 」


そう言うと、店員は店の奥に案内してくれた。

まぁ店頭で裏取引の話はしないよね。


案内されたのは、建物2階の個室。


「 お客様はどんな奴隷をお探しで 」


「 私はねぇ獣人が好きでね、特に希少な美しい子がね 」


「 ちなみにご予算は 」


食いついてきたな、見せ金でも出すか。


「 まぁ少なくともこれくらいはね 」


懐から取り出した革袋の中身を無造作に見せる。


「 こ・・・これは 」


見せびらかすようにした袋の中身はエルフ金貨ばかり、この国の金貨との交換比率を考えれば相当な額になる。


「 あぁ これで足りなければ魔工ギルドに預けてある 」


「 お客様は魔工商人でございますか 」


「 まぁ端くれですよ 」


僕はそう言うと右手を懐に入れて何かを取り出すように店員の前に突き出す。

その掌の上には小さな鏡、その鏡の中には店の外の風景が映っている。

魔工商人とは、この世界で流通している魔導工作物を扱う商人で、魔工ギルド所属という肩書は魔導工作物を作成できる商人であるということになる。

当然そんな人物が取り出した鏡が単なる鏡のはずもない。


「 これは・・・当店の 」


「 そう、お宅の店の外の様子ですな 」


覗き込んでいる店員の目の前で映像が移動して、店の横の路地へ視点が移るとそこに。


「 もしやこの方々は 」


「 私の護衛ですよ、中々一人で出かけることも出来ませんね 」


映像に映っていたのは、屈強な3人の男。1人1人を大写しに捉えた映像に切り替わると、油断なく身構えたその姿は映像だが威圧感さえある。


「 と、当店は信用を第一に考えておりますので、どうぞご安心ください  しかし素晴らしい魔導鏡でございますね 」


「 私の新製品です、まだ売りに出してはいませんがね 」


そうもったいを付けて、懐にしまい込んで見せる。

もちろん僕にそんな高度なものを作れるわけもなく、単なる電子魔法の〈虚像〉を行使しただけ。

護衛なんているはずもないのだけれどねぇ、ハッタリも必要なのです。


「 素晴らしい品物を見せていただきました。売りに出されたらぜひ買いたいものですなぁ 」


「 その時は よしなに 」









「 それで希少な娘はおりますか 」


「 はい、タイミングよく近々ですね入荷の予定がございます 」


「 ほぉ 」


「 お客様は兎族はお好みでしょうか 」


掛かったな、やっぱりこいつら・・・

内心の動揺は見せずに、話を聞き出すことに専念する。


「 兎族ねぇ  確かに可愛らしいが すでに持っているし特に希少とも思わないのだがねぇ 」


店員が揉み手をしながら伝えてくる。


「 いえ、ただの兎族ではありません。毛並みは希少な白銀、耳は超一級品、しかもしかもですよ オッドアイでございます 」


「 ほぉ それは珍しいね 今見れるのかい 」どう考えてもマーサだし、居るはずもないのだけれど乗っておく。


「 いえ、入荷待ちでして。すでに他のお客様も興味を示されておりますのでオークションを執り行う予定でございます 」





『 駆け引きでございます。値を吊り上げる作戦かと ちなみにマーサ様はお部屋で待機しております。異常はありません 』


ミーネが助言してくる、まぁ当然だよねこっちが金持ちだと完全に思い込んでくれてるし、競合相手がいるとコレクターは燃えるのはどの世界も一緒だしね。

単純すぎる見え見えの手だね。


『エイシアさんも一緒だけど、ミーネの言葉を聞いて安心だ ありがとう』






「 まぁ興味はあるのだけれど、オークションはいつかな。通常の奴隷オークションが5日後に開催予定でございまして、特別なお客様相手のオークションはその終了後に行います 」


「 なるほどね、招待状はいただけるのかな 」


「 はい こちらに 」


机の引き出しの中から羊皮紙を取り出すと、店員がサインをして魔力を流し込んだ。


「 これを見せればいいね 」


渡された羊皮紙を懐にしまいこみながら尋ねる。


「 はい、会場の受付でお見せいただければ特別席にご案内できますので 」







その後もいくつか確認して、店を出ようとしたのだけれど出口のところで誰かが足に縋り付いてきた。


「 お願いします 私を買ってください 」


足元にはボロボロの犬耳獣人


「 こら、お前また抜け出したな    おーい 誰かまた抜けだしてるぞ 」


店員が慌てて僕の足から引き離そうとするがしっかりしがみ付いて離れない。


「 申し訳ありませんお客様、 こら離れないか    誰か すぐにきなさい 馬鹿犬がまた抜け出しているぞ 」


「 お願いします お願いします 何でもします 何でもしますから私を 」


「 この馬鹿犬ぅ 何度も手間かけさせやがって 」


奥から出てきた大男が手に持った棒を振りかざして近づいてくる。


「 乱暴はいけませんね 」


僕の声に店員が大男を制止して、こちらの顔色を窺っている。


「 申し訳ございません、穏やかに部屋へ返しますので少々お待ちください 」


奴隷は基本的に所有者に逆らえない魔法が施されているのだが、商品としての奴隷の状態は強制力があまり強くない。ただし行動範囲は限定されているため、逃げ出すことは不可能なのだ。


「 この子は犬族のようだが 売れ残りかね 」


「 はい、ごらんのとおり毛並みも悪く目も悪いので、次のオークションで捨て値で売る予定でございます 」


言われてみれば、瞳の色に異常がある感じだ。


「 お願いです このままじゃ鉱山に送られてしまいます。どうか私を買ってください 」


あぁ困った どうしよう えええ 本気で困ったな


「 やれやれ 困りましたね。ちなみに捨て値とはいかほどですか 」


「 お客様でしたら、銀貨7枚   いえ 5枚で結構です 」


『 それでも高いですね 奴隷の相場から考えれば3枚と言ったところが適正です 』


ミーネが適正価格を教えてくれるのは良いのだけれど・・・


「 ではこうしましょう、銀貨2枚を手付で置いていきますのでこの子を綺麗にしておいてください。オークションまでに引き取りに来ますのでその時に残りを払いましょう 」


僕はポケットから銀貨2枚を取り出して店員に手渡した。


「 承りました、その時までに譲り渡し証もご用意しておきます 」


「 旦那様 ありがとうございます ありがと・・・ 」犬の獣人さんは僕の足元で泣き始めてしまった。












僕は仮証文に偽名を書き込んで店を後にした。


えーと、マーサになんて説明しようかな・・・。






種明かし  という名の疑問解消説明


リック君は電子魔法の〈光学迷彩〉という自らの姿を見え無くすることが出来る魔法を使用しています。その魔法の応用で外見を変化させているのですね。


しかも自身の外見だけでなくて、見せ金で使ったエルフ金貨も自分の所持金(あと20枚程度所持)以外は銀貨の見た目を変えているだけなのです。


このようにとても役に立つ〈光学迷彩〉ですが。相手が高位の魔法師の場合見破られる可能性が現状では高いです。


お読みいただきましてありがとうございます。

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