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異世界ってフランス?

第3話投稿させていただきます。お読みいただき感謝感謝でございます。


さすがに、受け入れ容量を超えてしまったようで、久々に疲れ果てて、寝込んだ。

現実逃避していたのもあるかもしれない。


母親は心配して様子見に来てくれたり


「ご飯食べられる? 熱は~  ん~ 」とか言いながら、おでこをくっ付けてきたりするのだけど。


若い姿でやるのは勘弁してほしいよね。せめて見慣れた母親の姿でやって欲しい。

でも、家の中では、すっかり本来の姿に戻って過ごしている上に、とーちゃんと並んでいちゃいちゃしているのも二人が若すぎて「爆発しろ」って感じだし。

余計に現実逃避してしまう。


そりゃあね、ゲームの世界で美人なエルフとか、可愛い魔法使いとか良いなと思ったこともありますよ。さらに理想をいえば獣耳の女の子が好きですよ。

ライトノベルもマンガも好きですし、アニメも見ます。

でもね、そんなことが現実に起こるなんて思わないでしょ普通・・・。

ましてや、父親が勇者でした、母親がエルフの女王様で、年を取らないので、見かけを誤魔化すために魔法を使っていましたって・・・。


「実はうちの母親いわゆる美魔女で、街を二人で歩いていても姉と間違われるけど、実は40代です。すごいでしょう」ってほうがよっぽどリアルだよね


あの衝撃的な話のあとで、魔法を使って二人とも見慣れた見かけに戻してみせてもくれたし、他にも瞬間移動の魔法で目の前から一瞬で消えたと思ったら、東京のお土産を手に持って現れた。

なんでもエルフの王族にしか使えない移動魔法だそうです。


あと、水の玉作って飛び回らせてくれたよ。イメージ的に「ウオーターボ~ル」とか言うのかなってちょっと期待していたのだけど。特に呪文とか唱えるわけでもなく、普通に手を差し出して、あっという間に水の玉を作って見せてくれた。

呪文とか期待していたから、ちょっと拍子抜け・・・ でも魔法ってすごいよね。


父ちゃんに至っては、裏山の巨石を手で軽々と放り上げたかと思うと、何処からともなく現れた光を発する剣で、落ちてくる巨石を切った(と思う・・・)。

正直なとこ、早すぎてよく見えなかった。

でも気がついたら足元に切り刻まれたであろう小石の山がいくつも出来ていた(石ってそんな簡単に切れるかぁ?)

勇者もすごいね・・・(魔法で反射速度とかも上げられるらしい。反則だろ)。

よく考えたら、凄い父親に修行させられていたのだな・・・

色々衝撃過ぎてもはや何も言えませんでした。


こうなるともうねぇ、あとは信じるしかないよね。あきらめました。

そんな状態で寝込んでいる僕を尻目に、両親は着々と帰還の準備を進めていたようで。

僕が三日ほど寝込んで(後半はふて寝)現実逃避から回復した時には、家の中ほぼ空っぽ。

元々帰る気満々の両親としては、結構前から準備や根回しもしていたらしくて、久々にスマホをいじったら、高校時代の友達とかからラインがいっぱい来ていた。


どうやら、僕は母親の実家の欧州某国に移住することになったらしい(聞いてないけどね)。

田舎だし噂が広がるのも早いよ~。

そういえば、うちの母親は欧州の小国出身って学校の調査表にも書いたなぁ

まぁ金髪だし、白人だよなぁ見た目は・・・実はエルフだけど・・・。


そんなこんなで、慌ただしくなった僕はというと。

高校生の時の友達が開いてくれた送別会に呼ばれて、


「外国暮らしかよ~ うらやましいなぁ」とか、


「外人の彼女出来たら、友達紹介しろよ」なんて言われ。


さらに、後輩の女の子が泣いてくれて


「うえぇぇん ぜんぱい~ さびしいです~」とか一応言ってもらった。


この子、卒業式でも泣いてくれたいい子なのだよね。

まぁ、涙もろいだけらしいけど・・・。


あと中学の友達とかにも報告して、別れを惜しんでもらったりした。

こっちは特に女の子の涙とかはなくて、お決まりの寂しくなるなぁ程度、お土産を期待しているやつもいたけど、旅行じゃないってーの。


住んでいた家は売りに出した関係があるとのことで、大急ぎで私物の荷造りをしてから、しばらくホテル住まい。

成田発パリ行きのチケットは空港で渡された。(パスポートは持っていました)

あっという間の慌ただしい出国。


「さようなら~ 日本 >< 」


そしてよくわからないうちにフランスから異世界への出発の日。

なんでフランスの田舎からなのかは、神様の都合らしいよ。


転異魔法っていうらしい。普通の移動魔法ではなく、異世界転移の魔法。

ものすごい大魔法で神様自身か神様の許可の元で限定的に使うことが許される魔法なのだ。

異世界の神様が作ってくれた特別な魔道具を使って、異世界間移動が可能らしいのだけど。

どうみても水晶玉、魔女とか占い師さんが使うイメージのある、ボーリング玉くらいの水晶玉。

本物の水晶なら高級品、ガラスなら偽物で雑貨屋さんとかにありそう。


それをバックから取り出して、森の中の古い切り株にそっとおいたら、母親が聞いたことのない言葉で歌いだした。後で聞いたら、古代エルフ語の歌らしい。

10分くらい歌った後に水晶玉が輝きだしたと思うと両親が手をつないで、水晶玉に空いているほうの手をしっかり重ねて置いて準備OK。


僕は父親の背中にしっかりしがみついているように言われたから、ちゃんとしがみついていたけど、一瞬だけ手を放したら、こっちに残れるのかなぁとか考えがよぎった。

だけど周りの人が普通に歳を重ねてゆく中で、自分だけ若いままでいることを想像したら怖くなったのでしっかりしがみついていくことに。


両親が声を揃えて、「準備出来ました、神様よろしく」って叫んだ。


(なんか残念な感じがしたのは気のせいかな・・・)


しばらくして水晶玉の光が輝きをさらに増して行き、周囲が真っ白になり体が浮いた感じがした。


「異世界に移動しているのかな・・・」何となく呟いたら


「そうだ」って父ちゃんの声が聞こえたよ。


まぁきっと向こうでの生活も楽しいはず。


「外国でも住めば都だよ」って近所の婆ちゃんがお別れの時に言っていたし。



お読みいただき、本当にありがとうございます。

明日も、投稿させていただく予定です。

どうぞよろしくお願いいたします。


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