転移者???
こんばんは GW真っ最中? なんですかそれ 美味しいですか?
「 ねぇねぇ 旦那様ぁ 」
ある日の昼下がり
珍しく来客の予定も少なく、午前中で仕事も一段落したので
中庭でまったり休憩中
長椅子の上でリラックス状態で、足元には寄り添って横になるレウィの姿
隣に居て声を掛けてきたのはもちろんフェオだ
「 ん~ 」
眠ってはいなかったのだけれども、ぼんやりした状態で聞き返す
「 前から聞きたかったのだけれどぉ 」
「 ふーーーん? 」
「 あのねぇ レウィって・・・ 」
「 うん 」
「 あふ? 」
自分の名前が呼ばれ レウィも顔をこちらに向けている
「 本当に狼なの? 」
「 え? 」
「 ひゅーーん 」
なんか物凄く悲しそうな声でレウィが鳴いています。
まぁそりゃあそうだよねぇ母親と思っているフェオに
例えて言うならば 「 あんたって うちの子なのかい? 」って言われているようなものだものなぁ
「 ち 違うよぉ レウィーーー 」
慌ててフォローに回るフェオ・・・
「 くぅーーーん 」
寂しそうな顔をしながら フェオを見つめるレウィ
「 違うののぉ レウィがあまりにも頭が良いし 可愛いし 大きくもならないからもしかして違うのかなぁと思って 」
「 あう? 」
何がといった顔つきで 不思議そうに見上げる可愛いレウィ
まぁ確かにフェオの言いたい事も分かる
草原狼にしては色も真っ白だし、顔も穏やかだ しかもサイズが小さい
ちなみにこの世界の草原狼は、体重は30Kg前後であり 地球で言えば大型犬相当だ
毛色は灰色か茶褐色系統であり、顔つきは鋭く性格は凶暴だ
サイズ的には生後1年もすれば大人サイズになる。
対してレウィは
まだ生後1年は経っていないものの、これ以上大きくなることも考えにくい
(ちなみに乳歯は全て抜けて、永久歯に生え変わり済み)
現在の体重は6㎏であり、これは小型犬サイズだ
さらに体毛は真っ白で、顔つきも性格も穏やかそのもの
まぁこれは人の手で育てられた影響もあるかもしれないが・・・
「 まぁ 僕も少々疑問には思っていたのだけれどねぇ 」
「 ひゅーん 」
レウィは僕の事を父親兼リーダだと思っているようで、再びショックを受けているようだ
「 まぁでもレウィはレウィだよ 可愛い我が家の一員だから心配しないでね 」
「 わふぅぅ♪ 」
僕の言葉を理解してるように 腕の中に飛び込んでくるレウィ
絶対頭が良いよねぇ
そして全力で愛情表現をしてくれる
具体的に言うと 顔中を舐めまわしてくれるのだ。
かなりくすぐったいのだけれど、気が済むまで舐めさせてあげる
だって、やめさせるととても悲しそうな表情をするので・・・ 本人の気が済むまで舐めさせます
「 パパは優しいねぇ 」
とても嬉しそうなフェオがレウィの向こうに見えた。
機嫌がすっかり直ったレウィと中庭で遊びまくっていると
声を聞き付けたリータ、レム、フェンもやってきて大騒ぎのじゃれ合い大会に発展していた。
その日の夜
「 ミーネ 」
「 はい 旦那様ぁ 貴方だけの知恵の女神ミーネちゃんです 」
最近、以前より明るくテンションが高くなったミーネが現れる
呼べばすぐに文字通り飛んでくるんだよね
「 なぁミーネ レウィってさぁ 草原狼 「 違いますよ 」 な・・・の 」
全て質問する前に否定されてしまいました
「 えーと ・・・ 違うの? 」
「 はい 違います 」
「 じゃあ 別の狼? 」
「 違いますよぉ 狼ではありませんって 」
えーと 全否定です 完全に否定されまくりです
「 じゃあ 犬? 」
「 うーん 旦那様の想像してる生き物とは違います 」
どうもミーネの説明が要領を得ないというか噛みあっていないというか・・・
「 じゃあ レウィは何に分類されるの 教えてミーネ 」
「 えーとですねぇ レウィは 」
「 レウィは?? 」
「 はい 異世界の生き物ですよぉ 」
「 ・・・ はぃ? ??? 」
何かミーネさんの口からとんでもない発言が飛び出した気がするのですが・・・
気のせいでしょうか・・・
「 ですから 異世界転移したきた生き物なので 分類とか言われましても・・・ 」
どうやら聞き間違いではないようですねぇ
「 い 異世界転移って・・・ じゃあ レウィは地球のわん 「 違います 」 こ・・・ じゃないんだ・・・ 」
「 何も地球だけが異世界ではありませんよ 旦那様 実際に創造神様が作り上げた世界は無数にあります その中の一つからの転移者・・・ 転移動物がレウィです 」
「 えーとぉ・・・ 」
母さん、 びっくりです
異世界転移は地球からだけでなく、さらに別の世界から・・・ しかも 動物も来るらしいです・・・
などと衝撃のあまりに 独白っぽいことをしていたら
ミーネが目の前にやってきました。
どうやら 説明する気が満々のようですよぉ
もふもふ可愛いですよね