表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
189/464

出来ること出来ないこと

こんばんは 今日も投稿させていただいております

「 と いう訳なんだけれど 」


僕は報告に来たノエルに、レムからのお願いを含めて集めた情報を聞いてもらったのだけれども。


「 エリンの言う通り やり口はともかくとして金を貸して取り立てること自体に違法性はないですわ 」


残念ながらこの世界では、法定金利や取り立てに対する法律等は整備されていない

借りた物は返す、返せないのが悪いのだ。


「 それは分かるのだけどねぇ 」


「 これは推測ですが、最初は親切な振りをして薬を安価に売って信用を得てから、長期的に異常が出る薬を服用させ治療薬と称して高価な偽薬を買わせ借金をさせる。 そういった手口でしょうか 」


ノエルの口から語られたのは、典型的な詐欺の手口。

そうして借金を作らせて、土地を奪い取るやり方らしい。


なんか聞いてるだけで腹が立ってきた


「 なんでそんな連中を野放しにしておくかな 官憲は何をしているんだ!! 」


僕はつい憤って口調が荒くなってしまう


「 この手の犯罪は、多くが裏社会とつながっているので 中々尻尾がつかめませんし、今の話も私の推測にすぎませんわ 証拠もありませんし 」


「 むぅ・・・ 」


そう 残念ながら証拠がない・・・


借金も証文も事実は事実、それに薬の代金という事になればある程度仕方のない部分もある

この世界ではまだまだ薬は高価なのだ 病気の親を助けるために若い女性が身売りをするなんて話は

いくらでも聞くことが出来るし、それも事実なのだ


しかも老夫婦に使われたその薬が偽薬だという証拠は何処にも無い

あるのは借金とその証文のみ









「 ねぇ あなた 」


僕が一人で考え込んでいると、ノエルが優しく話しかけてくれた


「 うん 」


「 あなたは どうしたいのかしら 」


ノエルの問いかけに僕は・・・ 


「 そ そりゃぁ ・・・ そう そんな悪い奴らがのさばっていたら みんなが困るでしょ なんとかしないと 」


「 じゃあ あなたは正義の味方になるの? それとも為政者をめざすのかしら? 」


「 え! ぃいやそんな大それた・・・ 」




あ そっか・・・


僕はどうやら調子に乗っていたようで


ノエルの言葉が僕に冷静さを取り戻させてくれた




そう 僕は正義の味方でも、どっかの御老公でもない

ましてや王様になるつもりなんてさらさらない


悪の組織と戦うなんて無理だし

そんなことしたら無茶苦茶になるだろうし


それでも、もし強行してしまったら・・・


セオやデニエが本気を出したら 亜神と高位精霊がその実力を遺憾なく発揮してしまえば

当然国が亡びるだけの実力も威力もある


ましてやその程度の悪党どもであれば、根絶やしにすることなど造作もないだろうけれど

果たしてそれが根本的な解決になるのだろうか


1つの勢力が無くなれば、その空白を埋めるようにまた別の勢力が湧くだろうし

次から次へ悪い奴らを駆除しても、今度は別の町から、隣の国から別の連中がやってくる


最終的にはこの世界を支配でもしない限り

いや 武力で支配しても 結局は同じことかもしれない





「 ごめん ノエル・・・  なんか勘違いしてた 」


「 大丈夫ですわ あなた 」


そういいながらノエルが僕を抱きしめてくれた


うん 良いお嫁さんだよね ほんと僕にはもったいないくらいの素晴らしい奥さんだ



そう僕が守るべきは自分の手が届く範囲

まず大事な家族を守るべきなのだ


下手な力の行使は混乱や無秩序を生み出すだけ

物事は力だけで解決できない


お嫁さん達の手を汚させるなんて論外だ








「 それでね あなた 」


ノエルの感触と優しさを味わっていたら耳元で囁かれた


「 うん 」


「 入植地の話なんだけれど 」


「 あ そうだったね ゴメン 」


そう 元々ノエルはその話をしに僕の部屋に来たのだ

悪い事をしてしまったなぁ


「 いいのよ 返ってあなたの話を聞いた後で都合が良かったわ 」


「 どういうこと? 」


ノエルの口から語られたのは、入植地の現状報告と入植者からの要望




うん 正に渡りに船とはこのことだね



大それたことはしませんし 出来ません 

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ