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社会勉強

こんばんは 本日のお話です

みんなで色々な涙を流した後


少しづつ変化させていくことで話が決まった




といっても


ファネやレマ、エメリが神官職を続けることに変わりわない


信徒さん達の信頼も厚いしね。




じゃあどうするかというと


彼女たちに決定的に足りないのは、普通の生活で得られる多種多様な経験


それを正に体感してもらうために



「 ふわぁぁぁぁぁ これが私ですかぁ 」


ファネの見た目が、ごく普通の女性に変化している


何処にでもいそうな町娘Aと言った感じになっている

平均的な顔立ち まぁ可愛らしい容姿と言って良いレベルだけれど

街を歩いていて誰もが振り返るレベルのファネから見れば地味と言って良いだろう。


目の前にいるファネは雀斑の残る愛嬌ある顔立ちに変化していた

もちろん整形したわけでも、別人でもない


電子魔法の〈光学迷彩〉の応用だ。

見た目を変化させる魔法であって、本質的には何も変わっていない






「 なんか 人族の信徒さんみたいです 」


嬉しそうな声を上げているのはエメリだ。

鏡に映った自らの容姿を見て喜んでいる そこにいるのは、これまたごく普通に街に溶け込みそうな姿かたちの女性。

眼鏡がアクセントの村娘Aといったところか。




「 むぅぅ これが一般の人なのか ・・・ 」


レマは何やら唸っている


元々スレンダーで背の高いレマは、今までの凛々しい美人から

何やら幸薄そうな若干陰のある容姿に変わっているのだが・・・


いかんせん 姿勢が良すぎる


「 レマ    もう少し猫背気味のほうがリアリティが出るかな 」


背の高い人にありがちな、少し猫背な感じが有った方が良いのだけれど


「 はい リック様!!  こんな感じでしょうか? 」


「 いやいやいやいや  それはもはや前屈!! 」


猫背を通り越して曲げすぎです





一体何をしているのかと問われれば


もちろん仮装をしているわけでも、芝居をするわけでもない

(いや 一概には間違ってもいないのかもしれないのだけれど・・・)


彼女たちに必要とされるごく一般的な経験や、普通の暮らし


それを今の彼女たちにそのままさせようとしても、この街では彼女たちの顔が売れすぎているのだ


元々容姿端麗な上に、存在感のある大地教の大神官と神官と言う立場

街を歩けば、信者が頭を下げ 場合によっては足元にひれ伏す人までいる始末だ


信者では無い人にしても、近寄りがたい美人であることや、その立場が悪い虫さえ近づけない。


そんな彼女たちに普通の生活をどうやっておくらせることが出来るのか?


その答えが、今やっていること。


まずは彼女たちの目立ちすぎる外見を変えてしまう。

魔法による変化だが、電子魔法の特殊性と認知度の低さからまず余程の高位魔道士でもなければ

見破ることは出来ず、しかも僕が解除しない限りは半永久的に効果が続く。


解除自体は僕が行えば簡単に出来るので問題はない


その上で、彼女たちの神官業務を見習い神官たちに一部代行させ

神官業務負担を削減


そして3人は1日交代で一般人としての生活を送るのだ。





「 リック様 」


「 ん? 」


僕がモノローグ的に考え事をしていたら、エメリが覗き込んできた


「 それで 私たちは何をするのでしょうか? 」


「 うん それはね 」









「 いらっしゃいませ!! 」


ドアを開けると元気のよい声が響く


「 お 練習お疲れ様 」


「 あーー リック様でしたかぁ 準備中の看板が出てるのに誰が来たのかと思いました 」


元気よく対応してくれたのは、黒山羊族メイドさんのテルル

メイド服に可愛い角がアクセントだ。


「 リック様 ここは? 」


いきなり連れてこられた3人は興味深そうに眺めている。


「 うん もうすぐ開店するお店。  まぁ売っているのはこの世界では珍しい物ばかりの店だよ 」


そう ここは間もなくオープンの地球産物品の直売所なのだ。


例によってデニエとの土魔法共同作業で、無駄に広い我が家の敷地内に新たに作ったお店

場所はロイルさんの工房の隣にしてあるので、通りに面しており立ち寄りやすい立地


売り物は当然の様に、高級シャンプーやリンスにコンディショナーから始まって

女性向けの品々をお求めやすい価格で提供する予定。


要するにこの店で3人に交代で働いてもらうのだ。

もちろん最初から戦力になるとは思っていないので、あくまでもメインとして働いてもらうメイドさんの補助。





「 ふわぁぁぁぁ これって リック様のお屋敷にある高級品ですね 」


目ざとく高級コンディショナーを見つけてテンションアップのファネ

うんうん 楽しそうだねぇ


「 テルル この子達がアルバイトの子だよ 」


「 あぁ 聞いています~   よろしくお願いしますね。私が店長のテルルです 」


優雅にお辞儀をするテルル


「「「 よろしくお願いします 」」」


綺麗にそろったお辞儀を返す3人娘 




もちろんテルルには事情は話してあるのだけれど、あくまでも普通のアルバイトとして使うように話してある。

特別扱いじゃ意味がないからね。





こうして 3人娘の社会勉強が始まった。


社会経験って必要だと思うのです。色々な経験を積むことが成長につながると思います。

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