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お茶の効果

こんばんは 今日もよろしくお願いします

「 ごめんなさい ファネ レマ エメリ 」


あれから僕といろいろ話し合って、デニエは三人娘に謝ることにしたらしい。


「「「 えええええええ   ど ど どぉかぁぁぁ 頭をおあげくださいいぃぃぃ 」」」


まぁそうなるよね・・・  分かってはいたんだけれどもねぇ


3人にしてみれば、信仰対象であるデニエに謝られて、尚且つ深々と頭を下げられても

困惑を通り越して、パニックに近い状態だ


「 いえ、 私が極端な行動を起こして貴女方を混乱させてしまったのは事実ですし そもそも貴女達にキチンとして上げられて居なかった事に今更ながら気が付きました 本当に申し訳ないことをしました 」


「 ・・・ いぃぃぇ あうぅぅ 」


どうしていいのか分からずに、固まっているファネ


「 リック様ぁ 一体何が起こっているのですかぁぁぁぁぁ 」


半泣きになりながら、僕に助けを求めてくるレマ


そして


「 さっきから 何が・・・ きゅぅぅぅ ・・・ 」


現実逃避のためか 気を失いかけているのはエメリだ

完全に目が虚ろになっている




そもそも、僕に対するアピール合戦がエスカレートして

彼女たちにしてみれば必死の思いでキスまでしたのに


その後 僕の態度が豹変するし(まぁこれはデニエの乗っ取りが原因)

過去のトラウマを穿り返されたり、感情剥き出しの仲違いまでさせられかと思えば

いきなり、信仰対象である神様には謝られる


なにこの あまりにもジェットコースター的な展開って話しだよね





「 えーと 居るでしょエリン 」


僕の専属メイドである狼族のエリンは、声を掛ければどこからともなく現れてくれる

 

忍びか!! って突っ込みたくなるくらいの性能なんだけれど

彼女曰く


「 メイドとしては当然の嗜みです 」


「 びっくりしたぁ!! 」


突然現れるだけでは無く、モノローグにまで突っ込みを入れてくるよ このメイドさん


「 そろそろお声がかかる頃だと思い、準備しておりました 」


そうおっしゃったエリンの後ろには、ティーセットとお茶菓子が乗ったサービスワゴン・・・


「 うん 流石だねエリン 」


そう、僕は一息入れる意味でもエリンを呼んでお茶を準備してもらおうと思っていたのですが

彼女は既に先読みして準備万端でした





「 どうぞ 」


「 ありがと エリン 」


みんなをソファーに座らせると、エリンがそっとお茶を並べてくれる


「 ふぁぁ おぃしぃ 」


興奮したり、泣いたり、叫んだりで

喉が渇いていたであろう3人は目の前のお茶を飲んで小さな声を上げた


「 うん   さすがエリンだね 」


お茶の良し悪しは分からないけれど、口に含んだそれはホッとする香りが鼻に抜けて、ほんのり甘く落ち着く味だった。 しかも実に飲みやすい温度、喉が渇いている状態で熱いお茶を出されても困るし、温すぎると美味しくない。まさに絶妙な加減だった。


「 これは 癒しの効果のあるハーブティですわ さすがエリンね 」


デニエの言葉に、微笑みながら頷くエリン


彼女は本当に細やかな気遣いのできる素晴らしいメイドさんだ。







お茶を並んで飲む神様と神官さん達




そしてニコニコしながら、気を使って他愛のない話をしてくれるエリンと

相手をする僕



そんな僕とエリンのやり取りを聞きながら、お茶を飲んでいるみんなの表情がゆっくり和らいでゆくのが分かった。










「 少しは落ち着いたかな 」


「 はい 」


デニエの返事に同調するように、頷く三人娘


とりあえず、表面的には落ち着いたようだね。







「 まず デニエ 」


「 はい 」


僕は目の前に座っている奥さんに声をかける


「 さっきも言ったけれど、生命神様からの預かりだろうがなんだろうが、そんなことは関係ないんだよ。 みんながどうやって生きてゆくのか、楽しく幸せに過ごせるのか、そしてしっかりと暮らしてゆくための知恵をつけてあげないといけないと思う。 今までは過保護すぎです 」


「 で、 でも きちんと神官として独り立ちしていますし ・・・ 」


デニエの中では神官と言う立場で、信徒をまとめていることを以て一人前にやれているというのは譲れないようだ 


「 確かに神官としては、良くやっているのだろうね 」


「 はい それはもちろん 」


嬉しそうに話すデニエ  でも三人は少し微妙な表情だ

答えはそこにあるのに、デニエは気付いていない



「 じゃあ ファネ 」


「 は  はい 」


僕は、デニエの横で話を聞いていたファネに水を向ける


「 なんで 今の話を聞いて微妙な顔なの? 」


「 え ・・・ ぁ ぁ ・・・ 」


どうやら自分では気づいていなかったのだろう、微妙な表情をしていることに

無意識に出てしまった表情の説明を求められ、しかも隣には信仰の対象であるディー様


そりゃあ答えにくいか・・・




「 ・・・ ご 」


僕が話を振った事を謝ろうとした言葉を遮るように


「 い、 いえ  」


ファネが話を始めた。



育つためには、環境ってとても大事ですよね。 でも環境を整備し過ぎた結果、過保護になるのは逆効果な気がします。

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