乗っ取り
こんばんは 外は雨の週末ですが 本日も平常運転です
不意打ちとなった エメリからのキスは、そのエメリがオーバーヒートしたことで終了。
「 きゅ~~~ 」
真っ赤になって意識を手放して、僕の腕の中でダウンです。
「 リ リ リックさまぁーーーーー エメリだけ抱きしめてぇぇぇぇぇ ずるいぃぃぃ 」
意を決したように、叫びながら僕に飛びついてくるレマ。
「 え ??? 」
エメリを支えていた僕の首筋に腕を回すと、強引に顔を自分の方に向けさせるレマ。
そして2人目の神官様からキス。
「 はわぁぁぁぁぁっ・・・ 」
濃厚なキスをされた後に、その場にへたり込むレマ。
顔が真っ赤に茹で上がっている。
目を覚ましそうにないエメリをソファに座らせて、腰が抜けたようで目が虚ろなレマも並んで座らせていると
ふいに背後に気配を感じた。
「 リック様 ・・・ 」
背中に伝わってくるやわらかい感触と微かに聞こえる声
「 ファネ・・・ 」
「 ど どうか はしたない女だと思わないでください・・・ 私は・・・ いえ私達は リック様を心からお慕い申し上げております 」
か細い声を 震わせ途切れさせながら ファネは伝えてくる。
「 うん 」
「 ・・・ ディー様に仕える身として、神官職にある者として許される思いでないことは理解しております・・・ 何度も諦めようと思いましたし それはエメリもレマも同じです。 でも・・・でも、 無理でした 」
「 どうか・・・ どうかお願いです お側においてください・・・ リック様の事をいつも考えてしまうのです 罪深い思いなのは・・・ 頭では分かっていても 心が ・・・ 」
言葉に詰まったファネの代わりのように僕の足元ににじり寄ってきていたレマが僕の足にすがり付いて声を上げている。
「 私達を・・・ おろかな女だと笑い、罵ってください。 神職にあるまじき行為だと断罪してください、どうぞ罰をお与えください。 リック様の前では単なる愚かしい女でありたいのです・・・ 」
目を覚ましたエメリは僕の手を抱きしめながら、泣くように鳴くように言葉を紡ぐ。
デニエから話は聞いているので、彼女達が僕に好意を持っていることは知っていた
そして、いまその好意を一生懸命に伝えてきてくれた ファネ、レマ、エメリ 三者三様の可愛らしさと魅力を持った素敵な女性だと思うし
僕にはもったいないくらいだ。
「 ありがとう ・・・ 」
僕は3人にきちんと伝えるつもりだった・・・
でも、なぜか僕の口から発せられた言葉の続きは・・・
「 でもさぁ さすがに3人は多いかなぁ うーーん 1人にしよう 3人のうちの1人なら側室なんて言わないで嫁にするよ 」
「「「 え ええええええ !!?? 」」」
突然の言葉に動揺を隠し切れない3人
( な な なんで 僕の言いたいことじゃない !! なんで そんなことを !! )
自分自身が大混乱だ
でも、その混乱は心の中以外には表れていない?
自分の体なのに、まるで自分じゃないみたいに体の自由が利かない
そして僕の意思とは無関係に再び言葉が飛び出してゆく。
「 そう 1人だけ!! でもなぁファネはさぁ 美人でしかも胸が大きくて貴重なんだね 」
僕は振向くと、すぐそばにいるファネの目を見つめる
「 で、で でも リ リックさ 様は ・・・ 胸のおお 大きいのは・・・ 」
「 うん 控えめが好きなんだけど ・・・ 」
僕の言葉に萎れるファネ
( 胸が全てじゃないし ファネはそれを補っても美人だし 気にしなくていいよ!! )
僕は必死に心の中で叫ぶけれど、ファネに伝わるはずもなく 体の自由も利くことはない
「 ファネだけは別かなぁ 」
「 え ? 」
「 ファネの胸はバランスもいいし ファネの綺麗な胸に顔を埋めて眠りたいなぁ 」
「 ひゃぁぁぁっぁぁぁぁぁぁっぁ は は はいっ なのですぅ 」
真っ赤になって後ずさりながらも 必死に返事をするファネ
( いや 確かに そうだけどぉぉぉぉぉ ファネの胸には顔を埋めたい気持ちは実はあるんだけどぉ・・・ )
「 でもさぁ エメリ 」
ファネに対する僕の態度や言葉に萎れていた、エメリが自分の名前を呼ばれて我にかえった。
「 はっ はゎいぃ 」
「 エメリは料理を覚えてくれているんだろぉ 知ってるよ 」
そう、エメリは必死になって料理を覚えてくれているのだ、慣れない包丁に苦戦したり小さな火傷を幾つも負いながらも一生懸命なのだ。
「 そ、そ それは ・・・ あ あのぉ リック様に 食べてもらいたくて 」
「 可愛いねぇ 本当にエメリは健気で可愛いよぉ 」
「 ひゃ ひゃ ひゃいぃぃぃ 」
耳の後ろまで赤くなってしまうエメリ
「 料理と一緒に食べちゃいたいくらい可愛いよ 」
( それはそうだけどぉ 確かに可愛いし食べちゃいたい気はするんだけどぉぉぉぉぉ )
「 あ あのぉ・・・ リ リック様!!! 」
我慢できないように自己主張するレマ
「 もちろん レマのことは忘れていないよ 」
そして僕の体は勝手に動き、レマの耳元で彼女にしか聞こえないように囁く。
「 僕はね 大好物を 最後に食べる主義なんだよ 」
( た た 確かに そうだけどぉ それを今言うとぉぉぉぉぉ )
僕の囁きに、その身体は一気に紅潮してゆくレマ
「 リ リック さ さまぁぁぁぁ はぁぁぁっぁぁ 」
「 レマこそ 僕の理想 完璧なエルフ あぁ美しい僕のレマ!! そして本当は甘えたがりなのに、クールに見せるための努力を惜しまない姿 」
「 リック様ぁぁぁ そ そこまで ・・・ 」
「 そうさ だから 嫁の座を勝ち取れば 甘えて良いんだよ 」
( いや 確かに甘えるレマさんは見てみたいけどぉぉぉ そんな煽るようなことを言うと )
「 さぁ 誰が僕の嫁になってくれるのかな 」
そして
僕の言葉を待っていたように3人が立ち上がった。
さて さて 何が起こっているのでしょうか