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矛盾

こんばんは 本日のお話です

「 それでね ロイルさん 」


「 はい!! リック様 」


キラキラした目で勢いよく返事をしてくれるロイルさん。


「 作ってもらいたいものはいくつかあるのだけれど まずはコレ 」


そう言いながらロイルさんに手渡した物それは、ナイフと鉈、そして鎌。



超魔鋼の特徴として、錆びない、耐久性がある、そして魔力との相性が良い等があげられる。


特に魔力を流すことにより切れ味が落ちるまでの時間が従来のものよりもはるかに長くなる点が最大の利点。


農作業や、調理、獲物の解体といった作業が捗りやすくなり、効率化につながると考えている。


まず身近な物を超魔鋼で作成し、使ってもらって評判を高めて行こうと思っているのだ。


「 しかし リック様 」


「 はい? 」


手渡された品々をロイルさんが机の上に並べてから若干浮かない顔で僕に話しかけてきた。


「 少しの魔力でも超魔鋼は反応してくれますので、道具の性能が素晴らしく向上すると思いますが・・・ 価格的にはとても庶民に手が届くものにはならないと思います 」


ひどく申し訳なさそうにロイルさんが話してくる。


確かにそうだよね、超魔鋼は高級品だ。

実際に試作品で作った道具や短剣は、転売されてとんでもない値段になっているとも聞いている。


結局のところ買えるのは貴族や大商人のような金を持っている人々のみ

そうロイルさんが思っても仕方のないこと


「 あぁ その点は大丈夫です 売る気はないです 」


「 え ?  いま なんと? 」


「 はい 売る気はありませんよ 」


そう、僕は出来上がった道具を売る気はないのだ。


「 え え ?   で でも じゃあどうされるのですか? 」


「 はい 有効活用しますよ  申し訳ないけれど、まだ言えないことが多すぎて・・・ 時期が来たら そう遠くないうちにロイルさんにも全てお話しできますので とりあえず作ってもらえませんか 」


僕は説明できないもどかしさを覚えながら、頭を下げる。


「 リ リ リック様 !!  どうか 頭をお上げください!!  作ります作りますとも 大恩あるリック様の依頼です 全力で作らせていただきます。 理由なんてお聞きしません、リック様のお考え通りに進めてください 」


「 信用してくださってありがとう 少なくとも市井の人々の生活水準向上に寄与するための布石にはなるはずですから どうか力を貸してください 」


実は超魔鋼を使った武器や防具の要望や試作依頼が日に日に増えているのだ

でもそれらは基本的に断っている。


切れ味の落ちない刃物、耐久性があり明らかに従来の鉄製の武器より性能向上している武器防具

まだ市場に出回っていないにもかかわらず、噂は独り歩きし偽物まで出回っているらしい。


甘っちょろい考えと笑われそうだけれど

武器を売って金儲けをしたいとは思わないし、売った武器で人死にが増えるのも嫌だ

武器の性能向上は、まだ発展途上のこの世界において侵略戦争を誘発する可能性すらある


強い武器に対抗するため、より防御力の高い防具。


さらにはより貫通力の高い、殺傷能力のある武器


エスカレートする争い・・・


せめて超魔鋼は無秩序に使われたくない

生み出してしまったけれど、少なくとも僕とロイルさんが揃わなければ超魔鋼は作り出すことも加工も出来ないのだから。


便利な道具として、僕のコントロール下に置くことが大事。




「 リック様 それではまず試作してみますので 」


「 はい、 警備はゴーレムが担当してくれていますが くれぐれも取扱いには注意してください 」


まだ、ここが超魔鋼の工房であることは嗅ぎつけれれていないけれど

今後もあるのでセキュリティをさらに強化する必要があるな


デニエやノエルとも相談しよう。



気が付いたら女性が登場していない・・・

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