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3人娘

こんばんは 今日はちょっと閑話的な話です

「 私のことは美人と言ってくれましたし、立場から言っても私が相応しいのです 」


「 こればかりはいくらファネ様と言えども譲れないな、それに私が一番歳の差が少ないし リック様はとも話が合うはずだ 」


「 いいえ、残念ながらお二人には決定的な欠点があります!! 」


「 なんですって 」 「 なんだとぉ 」


大地教の最高位神官たちが朝から揉めている、しかも結構な声である。




ここは大地教の神殿最奥にある、一室


大神官のファネと2人の神官エメリ、レマ この合せて3人は大地教の総本山で生活している。


もちろん彼女たち以外にも巫女が10数名暮らしている他、信徒であり総本山の警備も担当する男性が10数名居るが

彼や彼女たちがここまで入ってくることは基本的に無い。


壁も厚い上に防音もしっかりしているのいくら大声を出しても、信徒達に聞こえることはないのだけれど・・・


「 ファネ様 レマ様 良い側室の条件とはいったいなんでしょうか? 」


エメリが2人に問いかける


「 良い側室の条件・・・  そ、それはもちろん 元気な子供を産むことだな そう!! そのためには若さが必要だ 正に私に相応しいではないか!! 」


確かに3人の中では一番若いファネが胸を張って答える。


そう確かに3人の中ではね・・・ それでもリックより40歳以上年上ですけど

まぁ今の3人に年齢の話はしても無駄だろう


「 レマは分かっていないわねぇ それではダメよ!!  良い側室の条件 それは正妻を立てながらも旦那様から寵愛を頂くための美貌 リック様が美人だと言ってくれた私こそが側室に相応しいのです 」


「 ぐぬぬぬぅぅぅぅ   そ そうだ!! わ 私のことはとても凛々しいと言ってくれた 」


「 あら、凛々しいと 香り立つように美しい さてどっちがリック様の側室に相応しい形容詞かしらねぇ 」


単なる美人と言う言葉が、いつの間にか香り立つように美しいに進化していますけれど・・・


「 はぁ ・・・ 」


2人の言い争いを黙って聞いていたエメリさんが盛大なため息をつく


「「 なにかしら? 」」


「 ファネ様 レマ様 お二人とも不正解!! もうどうしようもなく間違っています!! 」


「「 なんですってぇぇぇぇぇえっぇえぇぇぇぇ 」」


思い切り声を揃えて叫ぶ2人


「 まず レマ様!! 若さを武器に 正妻であるフェオ様 ユーン様に勝てますか しかもマーサ様は既にご懐妊されております!! 」


「 あぅ ・・・ 」


レマ様はダメージを受けた 痛恨の一撃!!


「 それに凛々しさでも竜種であるセオ様に勝てるとお思いですか!! 」


「 そ・・・ そんな 」


床にがっくりと手をついて崩れ落ちるレマ様 


正に リアルorz



「 そして ファネ様 !! 」


次は貴女と言わんばかりに指をさして宣言する


「 な な なんですの 」


「 美人のレベルで ディー様に太刀打ちできると思っているのですか!! 」


「 ・・・  はぁぁっぁぁぁっぁっぁ わ わ 私は・・・ そ そ そのようなつもりでは・・・ 」


エメリさんのクリティカル攻撃 一撃必殺だ!!



「 しかも ディー様ほどではないにしても ノエル様の気品と美しさは残念ながら私たちでは届きません 」


「 ・・・ ぁ 」


もうやめてぇ ファネ様のライフはゼロよぉ

どこからかそんな声が聞こえてきそうな展開だ


「 し、 ・・・ しかし それ それ ならば エメリ・・・ お前も同様ではないのか 」


なんとか気力を振り絞ってレマ様がエメリ様に問いかける


「 ええ もちろん理解しておりますわ 私は正室の皆様に勝とうなどとそもそも思っておりません 」


「 敗北主義か 」


レマ様が苦しげに答える


「 レマ様・・・ まだお分かりになっていないようですね 」




「 ・・・ い いったい エメリ・・・ 貴女は何を狙っているの 」


ファネ様が辛うじて問いかける


「 ファネ様 レマ様 」


「 な なんだ 」 「 なんでしょう 」


エメリ様がゆっくりと話す


「 ファネ様は そのエルフの先祖返りとは思えないほどの大きな胸がきっとリック様に気に入ってもらえるとおっしゃいましたよね 」


「 ええ 殿方は大きな胸が好きなのです いままでは鬱陶しいだけでしたがリック様に気に入ってもらうためにだと思えば今までの面倒も吹き飛びますわね 」


ファネ様の胸は巨乳だ、Fはあるであろうその胸は多くの信徒や街の人々だけでなく 貴族などからも称賛され幾度となく求愛も受けているのだが

いかんせん本人にその気が無くはっきり言って宝の持ち腐れ状態だったのだ。


肩も凝るし、多くの男性からの視線を集めてしまう胸

だが、リックが現れたことによりファネ様は初めて自らの胸の意味を知るのだ。

大きな胸は男性の憧れ、男はみんな巨乳が好き・・・ 



「 やはり盛大に勘違いされていますね・・・ 」


「 え? 何? 」


エメリ様が告げた残酷な真実・・・


「 ファネ様 世の中の男性の全てが巨乳好きではないのです!! 」


「 えええええええええええええええ そ そ そんな ば 馬鹿な 」


「 し   か   も      リック様は少数派の控えめ胸好きなのですよ!!!!!! 」


「 ・・・ う ・・・ う そ・・・  うそ でしょう ? 」


縋るようにファネ様がエメリ様に微かな声で問いかける


無言で首を横に振り

告げられたあまりにも残酷すぎる真実・・・


「 まぁ 正妻の皆様を見ていれば わかったことよね 」


文字通り真っ白に燃え尽きているファネ様とは裏腹に元気を取り戻すレマ様


そう レマ様は由緒正しいエルフ


見事な先祖返りである、とがった耳、美しい金髪、そして見事に平らな胸・・・


「 レマ様 それも勘違いですわ 控えめ好きの範疇に板胸は入りません 」


「 げふっ ・・・ ば 馬鹿な 」


ダメージが内側に届いた、正に胸と言うクッションが無いことによる内部破壊・・・




「 聞こえているかどうかは知りませんが さらに言えばお二人とも女子力が無さすぎなのです 」


もはや立ち上がる気力もない二人に更なる追い打ちをかけるエメリ様


ちなみにエメリ様の胸は 正に中庸


確かに控えめ好きのリックにはジャスミートな推定Cカップである。


「 私はリック様のために、必死で女子力と言う物を上げてきました。 そして料理と言う武器を得たのです!! そう男性の胃袋をガッチリ掴むための料理という武器 」


倒れ込んでいる二人は、なんとか残った気力で必死に聞き耳を立てている。

勝ち誇っているファネは迂闊にも答えを話そうとしている。

貴重な情報を得て逆転勝利を目指すのだ。


勝機とは最後の最後まで諦めなければめぐってくる可能性があるのだ


「 リック様のお好きな食べ物 それは肉とジャガイモを煮た料理で リック様の故郷では肉じゃがと呼ばれている料理だそうです。 これはマスターしました。あと難易度が上がるのですが、鳥の唐揚げと呼ばれる物もお好みだそうで修行中です。  そう良い側室の条件とは 正室の方々が持っていないスキルで旦那様の心の隙間を埋めること 決して出しゃばらず控えめな野に咲く花ような存在であるべきなのです!! 」


エメリ様の演説をしっかりと心に刻んでいるファネ様とレマ様

3人の勝負はまだ決着を見ていない


色々とあります 色々と

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