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未来へ続く道

こんばんは 今日のおはなしです

「 あのさぁ 聞きてぇんだけど ・・・ 」


「 ちょっとぉ レック 言葉、言葉 ちゃんとして 」


子供たちが落ち着いてから、色々と話をすることにした。

こっちの説明が一段落ついたところで、レックが声をあげて何かを聞こうとしたのだけれども

どうやらその言葉遣いをリータが気にしているようだ


「 あ、あぁ わりぃ  えーと お、お聞きしたいんでありますけれど ・・・ 」


慣れない敬語のようなモノを一生懸命しゃべってくれるのは可愛らしいけれど、そのうち舌でも噛みそうなので心配になるよ


まるで出会ったころのマーサを見ているようだ


「 気にしなくて良いよ 話しやすいように喋って良いよ。 でも、俺はやめようか レックは可愛いんだしね 」


「 へ? あぁぁ えぅぅ ぁぃ  あたい・・・で いいかな 」


なぜか真っ赤になって俯いてしまうレック。


子供たちはみんな獣人なので、当然のように女の子だ。

レックは子供たちの中で最年長だし舐めらないように一所懸命虚勢を張って生きてきた中で、身についてしまった自らを俺と名乗る習慣だったのだろう


「 レックが照れてるぅ 真っ赤になってる~ 可愛いーーー 」


「 ば ・・・ バカいってんじゃねぇよぉ お、おれ・・・ じゃない あ あたいは普通だよ 」


フェンがからかうと、むきになって言い返すレック


それを見て、リータもベットの中のレムも笑っている、この笑顔がこの子達の本来の姿なのだろう。



「 まぁまぁ それでレックは何を聞きたかったのかな 」


ひとしきり笑った後で僕は話を元に戻す


「 あ、  ぅん あのさぁ リ・・・ リック 様ってよぉ 貴族様なのかい 」


子供たちに色々と説明した中で、さらっとだけ触れたこと

まぁこの家や、乗ってきた馬車を見たら子供たちにも想像はつくよね


「 うん つい最近貴族になったよ レックは貴族嫌いかな 」


「 ・・・ ぅん 貴族様は あたい達なんかが近づいて良い人達じゃないって教わったからさぁ リ・・・ リック様が 貴族・・・様なら 」


この世界において身分制度は重い存在であり、国により多少違いはあるが

貴族階級と庶民階級には確実に壁がある

貴族の怒りを買うことは虎の尾を踏むに等しい危険な行為だ。


子供たちにとって・・・ ましてや昨日までスラム暮らしだったことを考えれば

貴族という存在は怖いものなのだろう


「 僕は貴族だけれど、レック達を家族だって言ったことは嘘じゃないよ。 貴族だからこそ嘘はつかないし、みんなを守ることができる ここに居ればレックもリータもフェンにも、美味しいご飯を食べさせてあげられるし 暖かい部屋で安心して眠れるように出来る。 レムも元気になって皆で遊んだり読み書きも覚えさせてあげられる 」


「 レムは元気になるの? 」


フェンが真剣な眼差しで訊ねてくる。


「 あぁ 病気はもう良くなっているし あとはゆっくり休んで、美味しいものを食べれば元気になるよ 」


「 本当に?  じゃ じゃあ フェンはお菓子いらないから・・・ レムにあげて 」


本当にこの子達は・・・ お互いを庇いあって必死で生きてきたんだ。


「 大丈夫だよ みんなの分はちゃんとあるから 何も心配しなくていいんだ 」


僕の言葉にうれしそうに頷くフェン 食べ物を心配しなくていい

僕にとっては当たり前のことなんだけれど、この子達にとっては明日の食べ物とは必死で探すもので

手に入れられなければ飢えが待っているだけだ


「 あ、 あのぉ・・・ 」


「 ん? レムも何か聞きたいの? 」


「 は、 はい ・・・  ほ ほんとに 読み書きを お 教えてもらえるのですか 」


レムはどうやら読み書きを覚えたいようだ


「 もちろんいいよ 勉強したいなら学校もいけるよ 」


「 が が 学校って ・・・ 」


この世界にも学校はある 基礎的な学力向上のための学校は、ある程度の経済的な余裕がある庶民の子弟も入ることが出来る。


「 まずは読み書きや基本的なことは、僕達が教えてあげられるから 頑張ろうね レム 」


「 は、 はい!! リ リック様 」


レムは勉強がしたいようだ、子供達には色々な未来があっていい

その道筋を付けるのが大人の役目だって、父ちゃんが昔言っていた


この子達が自ら進む道を選べるようにしてあげたい 




子供達の未来のために 色々と考えて行動するようです

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