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出会い色々

今日もよろしくお願いいたします。少しずつ女の子?登場です。

狼に襲われていた兎の女の子が気を失っているので、とりあえず建物の中に運び込むことにした。


「軽い」優しく抱き上げた時に感じた率直な感想。小さい体で、狼に襲われて怖かったと思う。

周囲を確認したけれど、とりあえず他の狼は見当たらないし安全な室内に運び込もう。


「後で、狼も片付けないと・・・」女の子を運びながら確認するように呟く。


放置しておけば血の匂いで他の狼や獣を呼び寄せることになりかねない。あまり美味しくないかもしれないけれど狼の肉も保存食にはなる。しかも毛皮は役に立つはず、街で売ってもいいし冬に向けて邪魔にはならない。


気を失った兎族と思しき女の子を敷物の上にそっと下して横たえさせたけれど、目を覚ます気配はない。少し心配したけれど、エイシアさんの見立てによると女の子は気を失っているだけらしい。

特に大きな外傷もないし、時間が経てば意識は回復するはずとのこと。


「うーん、でもこのままでは可哀そうだよなぁ」


必死で逃げてきたであろう彼女は、あちこちすり傷や切り傷で血が滲んでいるところもある上に、砂や泥も付いていて傷口が化膿する可能性もある。


さっきエイシアさんに教えてもらったばかりの基礎魔法で、まず清潔にして上げよう。


「 清浄 」 彼女に付いた汚れを取り去るイメージを構築してみる。まだ魔法に慣れていないので、エイシアさんに教わった通りキーワードを口に出しながら。


「上手ですぅ」エイシアさんが褒めてくれる。


自分で見ても上出来だと思うくらい、彼女に付いた汚れは綺麗になった。


「ついでに  補修 」


魔法ってすごいなと思ったのは、彼女が来ていた服まで綺麗になったということ。でも服が清潔になってみたら、彼女の服があちらこちら破れたり解れたりしていることが気になってしまい、試しに魔法を使ってみた。


「すごいすごいぃ  リックさんすごいですよぉ~」エイシアさんのテンションがやたら上がっている。


「うまくいって良かったです」とっさに使った〈補修〉と言う魔法は、ホント思い付きだったのだけど何とかなった。使ってみるもんだね。


「さっきのぉ 〈清浄〉もそうですけどぉ 〈補修〉に至ってゎ基礎魔法のレベルを超えていますよぉ」


エイシアさんがやたら嬉しそうに褒めてくれるのが、なんかくすぐったい。


「先生が良かったからなぁ」


「やーん  本当に嬉しいですぅ。これなら電子魔法もすごーく期待できるしぃ、夢が膨らみますぅ~」


「夢? エイシアさんの夢って?」


「それはですねぇ~ もちろんーーー 電子魔法を沢山の人に使ってもらうこととぉ、加護持ちを増やすことなのですぅ」エイシアさんはテンション高く夢を語る。


新しい精霊だし、まだ加護持ちも僕一人だけ、エイシアさんの夢の実現のためには僕も頑張らないとなぁ。そのためにもまずは魔法を確実に自分のものにしないとね。


「そうだ、狼も片付けないと・・・」もう一つの用事を思い出した。


放置はまずいよね、せっかくの獲物だし。


「それなら~ 様子見てますよぉ」


兎族の女の子は、目が覚めそうならエイシアさんが呼んでくれるらしいので、僕は見回りと狼の処理に向かうことにした。







『ご主人様』


狼を処理するために、村の外れにある小川で冷やしつつ血抜きをしていたら、頭の中で声が響いた。


『この声は、エイシアさんじゃなくてもう一人だよね』


中性的で平坦な声の持ち主は、さっきも聞こえた声。


『はい、中々ご挨拶できず申し訳ありません』


今までは意識を失う寸前とか、女の子を助けるときとかだもの、そりゃのんきに自己紹介なんかできる状態じゃなかったから仕方ないよね。


『気にしないで、それよりも君は誰なのかな』


狼の血抜きを眺めながら、独り言を言っていたら本気で通報レベルだよ。

とりあえず心の中だけでお話ししよう。


『ありがとうございます。私は電子魔法始祖であるご主人様に対する、常駐型支援システムになります。システムの構築及び馴致は無事に終了し、ご主人様のお手が空くまで待機しておりました。なお先ほどは緊急時につき独断で介入してしまい、大変申し訳ございません。

違反行為に抵触しますので、必要であれば別のシステムに上書きしていただくことも可能です。』


なんかやたら冷静に告げてくるけど、上書きって・・・

とういか怒る必要なんてないし、むしろ助かった。


『いやいや、本当に助かったよ。君のおかげで無事に女の子も助けることが出来たのだし、上書きなんてとんでもないよ』


これは心から思ったこと。


『ありがとうございます』


うーんとても冷静な感謝の言葉、クールさんなのかな。


『ところで、君は僕を情報面とかで助けてくれる存在ってことでいいのかな』


『はい、概ねそのような理解で構いません。知識や魔法の支援が主任務になります』


なるほど、電子魔法の加護を受けたことによる恩恵だねきっと。


『ところで、名前はないの』


毎回、常駐型支援システムさんとか呼びかけるのも面倒だよね、名前があるなら教えてもらえばそれで呼びたいかな。


『はい、その件ですが』


常駐型支援システムさんの話によると、本来は最初に色々と決めることがあるらしい。

要するに、ユーザー登録とか初回設定みたいなことだそうです。

さすがは電子精霊による電子魔法、それっぽくなってまいりました。

こうでなくっちゃね


『で、具体的にはどうするの』


一通り説明を受け、理解は出来たので、設定や登録のやり方を聞いてみた。


『私の質問に答えていただければ、結構です』


『なるほどぉ』実にユーザーフレンドリーなシステムさんだ。

キーボードもない状態だから、音声入力は助かるなぁ。


『では、まず性別ですが』


『え、性別って関係するの?』思わず聞き返してしまった


『現状で性能には大きく影響しませんが、ご主人様の認識に変化が生じる可能性があります。また支援システム自体が学習成長型ですので、後々影響が出る可能性は否定できません』


まぁ脳内でのお話だけどさぁ、出来れば女の子がいいかなぁと思ったので。


『女の子でお願いします』


『イメージを確認 調整完了・・・ このような感じでいいですか』


なんか可愛い声になった気がする、しかしすごいね、一発で好みの声に変わった。


『可愛い声だね、うん。いい感じ』


『ありがとうございます』


さっきまでの冷静な感じとは全然違う、とてもいいね。


『次は、私に名前を付けてください。お願いします』


名前かぁ・・・ これは大事だよね

呼びやすくて、親しみやすい・・・



うーーーん、あんまり考えすぎてもいけないだろうし

知識や魔法の支援をしてくれる女の子・・・女神様・・・うん


そうだ


『君の名前は、ミーネ。知恵の女神ミネルヴァにちなんだ名前だけど、どうかな』


ミネとかミネルとかよりは可愛いかな、いずれにしてもセンス無くてごめん。


『はい、私はミーネ。ご主人様専用、知恵の女神です』


『おおー、専用~。 良い響きだ これからよろしく、ミーネ』


『はい、素敵な名前をありがとうございます』


声だけなのだけれど、すごく喜んでくれている感情が伝わってきて僕も嬉しいなぁ。


『あ、でもミーネさんとか、敬称つけた方が良いよね』


勢いで呼び捨ててしまったけど、馴れ馴れしかったと反省。


『だめです。私はご主人様の専用ですから呼び捨てにしてください』


結局、本人が望んでいるみたいだし、ミーネと呼び捨てになりました。




その後も色々質問されて、晴れてミーネは僕だけの支援女神様になってくれたようです。

でもさぁ年齢とか髪の毛の色とか必要なのかな、自分のアバターでも作るのかな?

まぁ想像して楽しめるからいいのかな。

ちなみに髪の毛は明るい茶色で、眼鏡っ子にしたよ。

もちろん胸は控え目です。


ミーネの外見的な事も含め色々決めたし、さらに僕のことも『必要なので』って言われて、沢山聞かれた。まぁ支援システムさんなので色々情報が必要なのだろうね。


良くできた支援システムさんだよねぇ、最終的に脳内彼女が完成しました。


ミーネは委員長タイプかな







『リックさ~ん』これはエイシアさんの声だ。


お、もしかして兎族の女の子が目を覚ましたのかな。


『ウサギの子は、もう少しで目を覚ますと思いますぅ』


予想通りの回答が頭の中に響く


『戻りまーす』エイシアさんに脳内で返事をして立ち上がったところに、今度はミーネが話しかけてきた。


『ご主人様、少し話を聞いてください』


真剣なトーンで話しかけられたので、僕はもう一度河原の石の上に座り込んだ。



本日もお読みいただきまして、本当に感謝でございます。テンポが遅いのはどうかご容赦ください。毎日投稿で明日もよろしくお願いいたします。

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