豊穣の女神
こんばんは 本日のお話です
『 ミーネ 』
『 はい 旦那様 』
すぐにミーネから念話で返事が来る、この辺は実体が出来ても変わらない。
『 もう把握しているだろうけれど・・・ 』
『 大地教の神官どもですね 』
うーん完全にお見通しというか全部見られているんだよね
『 うん 直ぐには帰れないみたい 』
『 仕方ないですね、マーサさん達には私から伝えておきます 』
話が早くて本当にありがたいのだけれど、一応釘は指しておかないとね
『 間違っても セオとかに拉致されたとか言わないでね 』
『 じゃあ誘拐されたと正直に伝えましょうか 』
『 ミーネぇ・・・ 』
セオにそんな事が伝わった日には、この教会が跡形もなく消し飛ぶから・・・
『 冗談です でも、心配しますから早く帰ってくださいね 』
『 努力します 』
『 暗くなる前に連絡が無ければ、セオさんを制止できないかと・・・ 』
うん 真剣に努力しよう
『 ところでさぁ ミーネ 』
『 知恵の女神の出番ですね 』
まだ大神官様を始めとして皆様お祈り中のようなので、気になることをミーネに聞いてみる
『 うん 大地教ってどんな宗教なの 』
そうなのだ、そもそもこの大地教についてろくに知ってることが無い
女神ディー様の件もそうだしねぇ
『 はい大地教というのはですね 』
ミーネの話によると
クレイファ共和国ではそれなりに信仰されている宗教で歴史も古い。
主に中央大陸北部の国家で信者が多い。
大地と豊穣を司る女神ディーを信仰の対象とし、穏やかな信仰で知られる。
政治との関りは薄く、弱者救済のために教会に孤児院や治療院を併設していることが多い。
神官職は女性のみ、人族だけでなく獣人や少数だがエルフの神官も存在する。
クレイファ共和国首都レミンに本山があり、信者が多く訪れる。
豊穣の女神であることから、クレイファ共和国農村部では特に信者が多い。
『 ふーん じゃあ今いる所って 』
『 はい、そこが本山です ついでに言えば 旦那様の前に跪いているのが現在の最高責任者である大神官 ファネ様ですね 』
どうやら素直に帰れそうにないかも・・・
「 あのぉ 大神官様・・・ 」
ミーネから情報も得たし、このままではいつまで経っても帰れそうにないので取り敢えず声を掛けてみた。
「 はい リック様 」
祈りの姿勢は崩さずに大神官様が答えてくれる
「 いえ 僕はそんな凄い人ではありませんから 何かの間違いではないでしょうか 」
さっきもエメリさんやレマさんにも伝えたことをもう一度伝えてみる
だって僕には全然心当たりがないし
「 どうぞご謙遜なさらず、全てはディー様の神託が示しております 貴方様のお名前はリック様 現エルフ女王陛下のご長男にしてディー様の夫となられるお方 」
「 え、 あ ・・・ はい 」
ディー様の夫はともかくとして、うちの母親のことまで分かっているって・・・ まぢか
ごく一部の人しか知らないはずだけど、本当に神様のお告げなのか
「 数々の困難を乗り越え、幾人もの運命を好転させ、多くの精霊に愛された方。 あぁまさにディー様の運命の男性 」
えーと・・・ 褒め殺しでしょうか それとも買い被りでしょうか
「 なんか話が大げさすぎる気がするのですが 」
「「「 そのようなことはありません 」」」
大神官様だけでなくエメリさんやレマさんにまで声を揃えて言われてしまいました。
その後しばらくやり取りがあってから
何とか跪くのは止めてもらえましたけれど
関係者の方が運び込んでくれた大きくてフカフカのソファーに座らされてしまいました。
しかもお菓子や飲み物がいっぱいだしていただけまして・・・
それをユーンは嬉しそうに食べてます。
ノエルは元貴族だけに慣れているのか、優雅にお茶を飲んでいます。
僕のお嫁さんなので当然のようにもてなしてくれるようです。
神託にも僕のお嫁さんが複数いることが告げられており、丁寧に対応するように大神官様は理解されていたようです。
うーんディー様 至れり尽くせりですね
ディー様はどうしたいのでしょうかねぇ 色々と謎です