ゼリー飲料は美味しいのです
こんばんは 本日も投稿させていただいております
さぁ準備は整いました
これでやっと超魔鋼を鍛えてもらえるわけだよね
と思っていたら・・・
「 残念だけど すぐにとはいかないわ ごめんねリック 」
申し訳なさそうにデニエが謝ってくる
「 そうなんだ じゃあ仕方ないか 」
鍛冶師の領分だしね、素人がどうのこうのいう事でもない、まして急いでいることもないしね。
「 ごめんなさい 不安定な状態で出来るような素材ではないのよ ロイルのコンディションをまずは万全にしてあげないと 」
デニエの言葉を聞いて思い出した・・・
そうだった お母さんが病床に
「 そういえば薬も碌に買えなかったはず・・・ 」
「 ロイルの母親の病気は、先ほどトォーニ様が祝福してくださったので回復に向かうから 薬は必要ないけれど体力を取り戻さないとね 」
デニエの言葉が聞こえていたのかロイルが傍にやって来た
「 じゃあ・・・ 母は・・・ 」
「 ええ、徐々に食欲も出てくるはずだから 軽い物から食べさせてあげればいいわ 」
その言葉を聞いて嗚咽と共に神への祈りを捧げるロイルさん。
「 じゃあ これは前払いです 」
落ち着きを取り戻したロイルさんと契約を交わすことにした。
本人は頑なに受け取れないと言っていたけれど、お母さんの体力を取り戻すためにもロイルさんにまともな仕事をしてもらうためにも
きちんとした物を食べなければいけないし、そのためには先立つものが必要だというわけ
契約の内容としては
・超魔鋼で作る製品に関しては、全量を僕が買い取ること。
・デニエから受け取った魔導具に関しても、所有権は僕にあり貸与という形をとること。
・超魔鋼に関する情報は一切他人に口外しないこと
等々
正直なところここまで必要なのかと思うところまで決めてある
まぁデニエの指示によって、フェリリさんが契約書を作りあげてくれた。
なんでも精霊の立ち合いに基づく契約であり、違反があった場合は最悪精霊の加護を失うことになるらしい。
そこまで大げさにしなくて良いって言ったのだけれど、途中からはロイルさん自身もそうして欲しいと言い出した。
まぁそれだけこの超魔鋼がとんでもない物ってことらしい。
「 さぁ受け取りなさい 」
机の上に置かれたお金を前にしてロイルさんが固まってしまったので
デニエも受け取りを促してくれた、受け取ってもらったうえで署名してもらわないと契約成立にならないしね。
「 ・・・ あ、 は はい しかし 」
戸惑うロイルさんの前に置かれているのは、エルフ国金貨が30枚と共通金貨50枚。
ポルちゃんを呼んで出してもらったものだ。
「 もしかして金額に納得がいきませんか 」
金額はデニエに教えてもらった物より少し多いくらいだけれど 足りなかったかな。
「 い いえ と とんでもない です ・・・ っていうか多過ぎです 」
「 え、そうなの? 」
事実上の専属契約だし、色々制限がかかるからということでデニエの意見に基づいて決めたのだけれど
「 は はい、 しかも全て買い取ってもらえるうえに素材は提供していただけるなんて おかしいですよ 」
「 いや でも他の仕事出来なくなるし 工房も変に改造されちゃったしねぇ 」
訪ねてきた時の工房とは全く違ってしまっている。室内は完璧に整理整頓されているし、炉は魔改造され 金床や槌は専用になってしまうしその他の道具もデニエが祝福を与えて強化されまくっているしね。
「 とんでも無いです 道具類は手になじんだまままるで新品同様だし、母の病も治していただいて・・・ 」
何か感極まってロイルさん泣き出してしまった きっと色々苦労してきたのだろうね
そんなロイルさんを見てもらい泣きしているファーネさん、もうロイルさんには常時姿が見えるし話も出来るらしい
多分だけど、ファーネさんはロイルさんの事が好きなんだよね。
精霊と人間って結ばれるのかな?
「 そのためにもロイルには万全な状態で超魔鋼を扱えるようになってもらわなければいけないのです 」
僕の疑問に答えるようなデニエの話
「 きっと大丈夫だよ 彼が出来なければ他の誰にも出来ないよ 」
根拠も何もないけれど、そんな気がする。
少なくとも初めて超魔鋼を見た時に彼が見せた情熱の片りんは鍛えるに足る熱量だった。
落ち着きを取り戻したロイルさんに何とか契約金を受け取ってもらうことに成功して
無事に契約は完了した。
仕事に取り掛かるのはお母さんが元気になるのを待ってからということで
また様子を見にこないとね。
「 こ、これは? 」
ロイルさんの目の前には大きな箱が5つほど置いてある
そしてポルちゃんとユーンも目の前にいる
そう大きな箱とは密林通販の箱 すなわち段ボール箱
そして中身はというと
・缶入りスープ
・ゼリー飲料
・桃の缶詰
・蜂蜜
・果汁飲料
・薬用酒
・砂糖
・塩
要するに体に良さそうなものと、こちらで手に入りにくい物
美味しくて体にいいもの食べて早く元気になろうね作戦だ
「 お母さんに食べさせてあげてね 」
僕はそういうと一通り使い方や食べ方を教えてあげて、ついでに半信半疑のロイルさんにゼリー飲料を食べさせてみた
結果・・・
「 うぅぅ こ こんなに 良くしていただいて・・・ あぅぅ 」
ものすごい勢いでゼリー飲料を食べたと思ったら泣き出してしまった。
熱が出たり、体調不良だったりする時にはゼリー飲料のお世話になります。