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不可視

こんばんは 本日の投稿です

 どうやら また新しい魔法に成功したようね 」


「 中々りっ君は順調ですね この調子で魔素を消費してほしい物ですね 」


広々とした空間の中に四阿あずまやが浮かんでいる、その中で椅子に腰かけた人物が二人。

いや人ではなく神だ


管理神 トォーニ様  そして 生命神 エーリーシャ様 二柱の神様だ。


神様の目の前にはティーセットが浮かんでいる、どうやらお茶を飲んでいるようだ。



「 電子魔法は魔素の消費が大きいので助かりますね、しかも今度の〈分析〉という魔法と対になる〈創生〉はさらに魔素の固定も行えるようですし楽しみです 」


「 はい、ランドヴェールの魔素を消費し魔素の固定化にも繋がる。 実に好ましい展開ですな 」


ランドヴェールには魔素が満ち満ちている、いえ多すぎるのだ。

しかも多すぎる魔素を固定してきた地中の魔石を、人間が利用し始めた・・・

結果としてランドヴェールの自由魔素が徐々にではあるが増加しているのだ、多すぎる魔素はいずれ生命に影響を与え世界をごくゆっくりと破滅へ導いてゆく。


それを食い止められる可能性があるのは電子魔法

他の精霊魔法より魔力を大量に消費し、魔素の変換効率も悪い。

要するに燃費が悪い魔法なのだが、過剰な魔素を消費出来る魔法なのだ。


しかも今回、金属に魔素を固定できる新しい魔法を生み出した。


この世界の生い立ちに責任を感じている生命神 エーリーシャ様 そして 自らの管理する世界を守護する トォーニ様 

二柱の神にとって電子魔法とその使い手は希望なのだ。













「 さて 〈創生〉の出番かな 」


「 はい、魔力はまだ十分そうですからあとは素材ですね 」


そういうとミーネはロイルさんに指示を出す





「 はい このくらいは今ありますけど 」


工房の奥からロイルさんが鉄の塊を持ってきた、錆びないように表面には油が塗ってある塊 いわゆる鋳塊インゴットだ。


さすがはドワーフの血を引くだけあって簡単に運んできたが、相当な重さがありそうだ。


「 ミーネ でもこれって鉄でしょ ステンレスは合金だから足りないよ 」


「 はい その通りです 少なくともクロムは必要ですね 」


なんかミーネさんは平然と言ってるけれど、どうやって入手するのかな。


「 なんか入手の当てでもあるの? 」


「 はい、当てというか お願いします 」


「 お願いって 誰に? 」


僕の質問に対してミーネは僕の斜め後ろを指さした。

ミーネの指の示す方向へ振り返ったが工房の壁と天井があるだけだ。強いて言えば壁に作り付けの棚があり、埃をかぶった箱が見える程度

それともあの箱の中に素材が入っているとか・・・ でもサイズは小さいよね


「 旦那様、箱ではありませんし あの箱には願いを叶える力もないと思います 」


どうやらまた考えを読まれたらしい 


「 じゃあ 何? それとも壁の向こう側ってこと? 」


「 いえ、 もっとよく見てください 常識にとらわれず 人の目には見えなくとも存在するものはあるのです。 目だけが物を見る器官ではないのですよ 」




ミーネが見ているものと僕が見ようとしているもの、そして見えないともい込んでいるもの・・・

人の意識の外にある物、認識できないはずの物





「 ・・・ あ  あれ ・・・ なんか 」


目の錯覚かもしれないけれど・・・ 何かが そこに何かが在る

相変わらず見えないけれど・・・ 確かに何かがそこに在る


視野の中に魔力が流れてゆく 意識を向けると魔力がそこに集まってゆくのが分かる


「 そうです その調子です さすがは私の旦那様 」


ミーネの声が高くなる、喜んでいてくれているようだ。

そう、その喜びが見える


僕の視界の外にいるはずのミーネが分かる、喜んでいる姿が声が見えている。





そして、僕の目の前には・・・ 先ほどまで見えなかった  そう 姿が今は見える

それは精霊の姿、土精霊の姿


「 やぁ 初めまして 君がロイルさんの守護精霊だね 」


僕の問いかけに対して、優雅に一礼する精霊


そう、残りの素材は精霊が用意してくれていた





さぁ お膳立ては整った


後は魔法の時間だ


お読みいただきまして ありがとうございます

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