魔法ってすごい
こんばんは本日の投稿になります。
「 ステンレス??? 」
「 そうです 」
驚いた僕に対して冷静に返答するミーネ。
そして訳が分からない顔で僕とミーネに交互に視線を送るロイルさん。
「 え、ステンレスを作るの? どうやって? 」
「 旦那様が創るのですよ もちろん魔法でです 」
うん、どうも噛みあっていないな・・・
「 作ったことないし、 それにステンレスなんて名前は知ってるけど 錆びにくい金属でしょ流し台とかの 」
そうなのだステンレスと言う名前は知っている、幾つも種類があるのもなんとなくわかる。錆びにくいとか、鉄とクロムの合金とかその程度の知識はある。
だけどそこまでだよ、ましてや作り方なんて知らない。
「 はい、そうですね でも旦那様には可能なのです 」
やたら自信満々で答えるミーネ、その自身の根拠は何? 僕の能力で僕が知らないことを知ってるってこと?
「 電子魔法と金属が相性がいいのは知ってるけれど ステンレスを作り上げるって・・・ しかも魔法で 」
「 旦那様には私が居るのですよ 」
目の前で胸を張るミーネ
まぁ確かに僕専用の知恵の女神様にして将来はお嫁さんになる気満々の女の子
小さいけれどとっても可愛いミーネ 等身大になったら確かにど真ん中の好みだよなぁ
「 うん とっても可愛いよ 」
「 ななななっ 何を突然ーーーーー いいだすのですかぁぁぁぁぁっぁ 」
僕の言葉に素直に反応して真っ赤になるミーネ、うんうん本当に実体が出来て良かったよぉ 可愛い反応が実際に見れるのは嬉しい限りです
「 あぁごめんごめん つい心の声が漏れちゃった 」
さらに慌てふためいたミーネが元に戻るのに少々時間を要した。
「 こほん・・・ 仕切り直すのです。 それでですね、私は言うまでも無く旦那様専用の知恵の女神です。しかも私と旦那様の間には強力な絆があり、知識や魔力が共有されているのです。それにより私自身に蓄えられた知識を元に、旦那様の魔力を使い特殊な魔法の行使が可能なのです!! 」
どやーーー とばかりのミーネのドヤ顔です。
でも本当に可能だとすれば凄い事だよね。
「 じゃあ具体的にどうすればいいの? 」
「 はい、先ずは電子魔法の〈分析〉を使います。 この魔法は物質の性質を調べて読み解く魔法になります、この魔法はいわゆる鑑定のような魔法では無くて分析の名前の通り成分や配合、組成までも調べあげることが可能です。ただしそれ相応の魔力が必要となる上に、知識が無ければ単なる文字列の羅列に過ぎないのです。 という事は実際に使いこなすのは旦那様と完全リンクしている私だけになります 」
「 おおーー なんかすごいね 」
説明の内容もさることながら、ミーネの熱の入りっぷりが凄い。
「 さらに分析で得た情報を元にして、素材と電子魔法〈創生〉により創り上げるのです 」
ミーネの説明によると、電子魔法〈創生〉は素材を魔法により分解した後に、再構築することにより合金や新素材とする新魔法らしい。
〈分析〉と〈創生〉は基本的にセットで使うことになる魔法であり、一度創生まで済ませれば次からは魔力使用量の少ない〈生成〉で同じ物を作ることが可能らしい。
また〈生成〉はお嫁さん達でも使うことが可能なんだって、ようするにレシピを渡せば他の人でも作れるようになるってことかな。
「 でもさぁ 最初は〈分析〉するために、ステンレスが必要なんでしょ? でも地球ならともかくとしてランドヴェールにはステンレスってあるの? 」
説明の過程で生じた素朴な疑問をミーネにぶつけてみる。
「 はい、確かにランドヴェールにはステンレスは存在しません 」
「 だよねぇ 」
「 ですが、先ほどもお話ししたように地球の鉱物とランドヴェールのそれの違いは魔素を含むかどうかです。 それ以外は全く変わりません 」
「 ふむふむ 」
ミーネは話が上手だし、つい引き込まれてしまう。
「 魔素は不活性な状態で素材に影響は全く与えません、しかも魔素自体は純粋なるエネルギーのような存在であり質量も無いのです。 よって〈分析〉と〈創生〉による影響は不活性状態の魔素には無縁であり、地球のステンレス鋼を〈分析〉してこの世界の素材で〈創生〉すると魔素のあるステンレス鋼になるのです。これはすでにシミュレーションでも確かめられております 」
なんかよく分からないけれどミーネ凄い!! 流石だねぇ
「 おおーーーー とにかく出来るってことだ 」
「 はい、ただし創生の段階で魔素が活性化する上に大量の魔力が流されるため、地球のステンレス鋼よりも高品位かつ高性能なものになることが予想されます。魔法超ステンレス鋼とでもいう素材になります 」
「 うん 名前長いけどなんか凄そうな素材だ 」
ミーネの熱い説明の後に、当たり前だけれども全然理解できていないロイルさんに噛み砕いた説明をするのが大変でした。
本日もお読みいただきましてまことにありがとうございます。