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ファーストステップ

今日も投稿させていただきます。少しづつ魔法が出てまいります。

「魔力を感じる?」


エイシアさんにまず言われたのは、自分の魔力を感じとること。

エイシアさん曰く、僕の魔法量が多いのは話した通りなので、魔力の存在を感じ取るところから始める必要があるそうな。


「そう言われても、今まで魔力なんて意識したことないしなぁ」


18年間生きてきて、全く意識していないものに対して


「感じろ、見るんじゃない、感じ取るんだ」って熱く言われても・・・


テニスの人じゃないのだから・・・ねぇ

試行錯誤しながら、唸ってみたり、臍下丹田に意識を集中してみたりしたけれど


~そのまま2時間経過~


「先生~ わかりませんっ!!」


たかが2時間の努力では無理なのか、それとも才能がないのか何も感じ取れません。

はい。


「そうですかぁ~、そうですよねぇ~」


エイシアさんはニコニコ笑いながら続けた


「そんなことでぇ魔力を感じ取れたらぁ~ 誰も苦労しませんよぉ」


どうも無駄な苦労だってことを分かっていてやらせたらしい。


「えーーー、無意味な時間を過ごしたってことか・・・」


「うーんとぉ・・・。決して無意味ではないのです~。リックさんは今まで意識してなかった自分の中にある魔力という存在を何とか掴み取ろうとして、色々なアプローチをしたのですぅ。

その時にぃリックさんは気が付いていないのですけどぉ、魔力は刺激を受け始めているのです~。

私の加護を受けて活性化した魔力が、リックさんの心の働きにより馴染み始めた今、集中して魔力を感じ取ろうとした行為が大切なのですぅ。もちろんリックさんが試行錯誤している間にですねぇ、私も自分がやるべきことをしていたのです~」


今はエイシアさんの言葉を信じよう、この世界で生きてゆくためには魔法が使えたほうが良いのは確かだろうし、とにかく頑張ろう。


「それで、次は何をするの?」


「リックさんわぁ、せっかちですねぇ。ちゃんと最後まで聞いてくださ~い。」


「はーい」せっかちはエイシアさんでしょ、って言う言葉は飲み込んだけど、あの顔はまた心を読んでいるな。

なんとなくエイシアさんの事も分かってきたので、これ以上何も言わずに待っていると、再び話し始めた。


「せっかちなリックさん、ちゃんと聞いてくださいね」


念を押されたよ・・・


「私が行っていたのは、リックさんの魔力の整理です。大きすぎる魔力は制御するのが困難ですからぁ、リックさんが使いやすいように魔力を整理して落ち着かせました。

リックさんが集中して魔力を感じようとした行為に対してぇ、抽象的な言い方ですけどぉ魔力の目次を付けました。」


「目次???」


思わず聞き返した僕を目力で制して、話を続けるエイシアさん。


「魔法で一番大切なことはイメージすることなのですぅ。魔力の制御や加護を受け取るのを子供の頃に行う理由としてぇ、心が幼い方が素直だからなのです。大人になると常識や経験で考えてしまう様になりますよねぇ、そうすると魔力という見えないものを素直に受け取れなくなってしまうのですよぉ。」


「なるほどぉ・・・ あれ、でも父ちゃんが神様にスカウトされてこの世界に来たのって30才位でしょう? だけど魔法使えるよね?」


つい、疑問符が湧いたので口を挟んでしまったのだけれど、今回はエイシアさんも素直に答えてくれた。


「はい~、良いところに気づかれますねぇ。さすがは始祖リックさんですぅ」


まあ自分の父親のことだしね、当然気づくと思います。


「リックさんのお父様に関しては、神様の加護が付いていますので特別なのです~いわゆるずるい状態ですね。勇者という存在はチートなのですぅ」


「ソウイウコトデスカ・・・ぢゃあ仕方ないですね」


「はーい、そうなのです。神様の加護は特別なので~。ただし残念ながら勇者は世襲ではないのでぇ、リックさんは一般人なのですぅ」


一般人でOKです、問題ないです。うちの父親と一緒にされても困るし。


「父ちゃんの話は分かったので、目次の話を続けてください。」


このままだと、また話が長くなりそうなのでエイシアさんに続きを促したよ。


「ですねぇ~。えーとぉ魔力に目次を付けた話でしたねぇ」


僕は黙って頷くことで、話の続きを待った。


「魔力を制御して術式を使いこなすことが、魔法の行使になります~。それわぁ簡単な魔法から高位魔法まで原則としてぇ同じです。基本としてまず魔力の制御ですよぉ。そのために魔法をイメージをすることが大事ですぅ、見えない魔力をイメージとして掴んで魔法がもたらす結果までイメージするのですぅ。ただリックさんの場合は魔力量が大きすぎる上に、子供時代に魔法を身近に捉えていなかったのでぇ、魔力に目次を付けた上で、私が近道に案内してあげます~。」


エイシアさんはそういうと、目をつぶって近づいてきた。


「近いよ~」 小さいフィギアみたいだけど、エイシアさんは美少女だしあんまり接近されるとさすがに照れる。それくらい顔の近くに来ている。


『ちょっと恥ずかしいですぅ』


また、頭に直接響くテレパシー的な話しかけ方に変わった。


『シンクロしますよ~』近すぎるし、ちょっと恥ずかしくて目を閉じていた僕の額にエイシアさんが触れている感じ。


『動かないで意識を私に向けてくださ~い』


言われなくても、向いています。目を開けてないから見えないけど、エイシアさんの小さいけどやわらかい体で僕の顔に抱き着いている感じがしますから。


しばらくの間、無言で固まっていたら、エイシアさんの声が響いた。


『わかります~?』


『ん・・・んん?』目をつぶっているはずなのだけど、目の前にエイシアさんが見える。


しかも等身大だ。


『つながりましたぁ』嬉しそうにピョンピョン飛び跳ねているエイシアさん。


『ここって、何処?』今までいた室内とは明らかに別の部屋の中、フローリングの床にクリーム色の壁と天井。ほぼ真四角で10畳くらいかな、その中央辺りに僕は大きめの椅子に腰かけて目の前のエイシアさんを見ている。


『ここはですねぇ、私が作り上げたぁリックさんの魔力にアクセスする仮想空間ですぅ。』


すごいでしょう、褒めて良いのよと言わんばかりの、どや顔で胸を張る精霊さん。


『はぁ、さすがです』正直何が凄いのかよく分からないのだけれど、ここは褒めておかないとね。


『ここで、リックさんの魔力制御やイメージ化をトレーニングするのですぅ。魔力は整理済みですしぃ目次もつけてあるのでぇ、きちんと理解できれば魔法を使えるはずなのです~』


『ここで練習?』


『はい~、こういうことですぅ』


等身大エイシアさんの声と共に、目の前に鏡が現れた。


『鏡ですか』


大きな一枚板の鏡、洋服屋さんに置いてある全身が映るタイプの鏡


『よく見てくださいなぁ』


エイシアさんに言われて気が付いたが、何も映っていない。いや自分が映っていないことに気づく。


『背景は映っているのに僕がいない』


『はーい、見たままその通りですねぇ~』


僕は先ほどエイシアさんが言った言葉を思い出して聞いてみる


『仮想空間だから映らないのか、それとも魔法だからですか』


エイシアさんはニコニコしながら黙っている

これは、考えろってことだなぁ。


仮想空間で映らないとするならば、背景が映っているのは何故だ?仮想空間に居る僕が現実リアルなので映らない?なんか違う気がする、鏡では無くて魔道具なのか?だとしたら使い道は?なんか違う気がする


そもそも何でこの仮想空間に連れて来たのだろうか

訓練のため・・・ 魔法の訓練

もしかして、姿が見えなくなる魔法か

自分の目では見えるけれど、相手から見えなくなる魔法。


『自分の姿を透明化する魔法ですか、これ』


鏡を指さしながら聞いてみる。


『うーん、おしいですぅ』


完全正解ではないらしい。もっと考えてみよう、エイシアさんは電子精霊・・・

スマホがきっかけで生じた存在。

スマホが鍵だな・・・。

写真、動画・・・ もしかして

『光学迷彩ですか、これ』自然界ならカメレオンのように背景に溶け込む擬態なんだろうけれど、僕が真っ先に思いついたのは父親の映画コレクションの中にあったSF作品で出てきた技術。特殊な素材で作られたスーツが、光の屈折を利用して背景に同化するというモノ。

スマホについてるカメラと画像処理から連想したのだけど。


『はい、正解で~す』


エイシアさんが嬉しそうに口を開くと同時に、鏡の中に僕の姿が現れた。


お読みいただき誠にありがとうございます。明日も投稿しますのでよろしくお願いいたします。

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