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87 野菜と破壊

 野菜ジュースは野菜の栄養を全てとっている、と勘違いしている人間が多いのだそうだ。

 実際野菜に含まれる酵素という成分は栄養吸収のサポートをする役割を持っているのだが、野菜ジュースを作る過程でかけるミキサーの熱によって酵素は失われてしまう。

 酵素は四十五度ほどで壊れてしまう性質を持ち合わせ、野菜ジュースにかぎらず熱を通して作る料理には酵素の死骸しか入っていないということだ。

 そこに目をつけた開発者がいた。

「高速ミキシングを排した低速専用のミキサーを売りだしてはどうか」

 もちろんそれだけでは売れる要素はない。そのため酵素の役割を広く浸透させるメディア戦略が必要になってくる。

 それは図にあたり低速専用ミキサーは多種にわたって売れ、従来の野菜ジュースの売上が落ち込んだ。

 だが、彼はミキサーという視点のみにビジネスチャンスを逃してしまった。

 彼の尻馬に乗った某社が低速専用の工業機械を開発し、多大な利益をあげたのだ。

 野菜ジュースのイメージを破壊した、時代の傑物たちの話である。

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